富士通、地デジの長時間視聴を実現する携帯用AD変換器富士通株式会社は2005年2月9日、地上デジタルテレビ放送や地上デジタルラジオ放送を受信する携帯電話向けに、デルタシグマ(ΔΣ)方式を採用した低消費電力のAD変換器を開発したことを発表した。
携帯電話で、地上デジタルテレビ放送や地上デジタルラジオ放送を長時間視聴するには、チューナーや OFDM 復調器の低消費電力化が必要となる。 これらの消費電力を低減するには、アナログフィルターをデジタルフィルターに置き換え、高周波増幅器の増幅割合を可変する「可変利得機能」の一部を、AD変換器に取り込むことが有効とされていた。しかし、デジタルフィルターに置き換えるには、AD変換器を高精度化する必要があり、AD変換器内に増幅回路を追加すると、消費電力が増えてしまうといった問題があった。 今回開発したΔΣAD変換器は、0.11マイクロメートル CMOS を用いて作製。地上デジタル放送受信用に世界で初めて広いダイナミックレンジを実現するΔΣ方式を採用し、AD変換器を高精度化した。 また、アナログ信号をデジタル信号に変換する際の、アナログ信号の最小設定幅である分解能が可変になるΔΣAD変換器を開発。増幅回路を追加せずに可変利得機能を実現した。これにより消費電力を増やさずに、ΔΣAD変換器に可変利得機能が追加できる。 さらに、ΔΣAD変換器を安定動作させるための位相補償回路の構成を見直し、容量素子と抵抗素子による位相補償回路を開発。これによりΔΣAD変換器内に用いられる増幅回路の数を従来の2分の1にし、低消費電力化を実現した。 このΔΣAD変換器により、携帯電話に搭載するチューナーの消費電力を、現在の約3分の1から6分の1の30ミリワットに低減でき、携帯電話による地上デジタル放送の長時間視聴が行える。また OFDM 復調器とのワンチップ化により、携帯電話の小型化も実現できる。 同技術は、独立行政法人情報通信研究機構(NICT)からの委託により、研究開発を進めており、今後同社では、今回開発したΔΣAD変換器を採用した、小型で低消費電力なチューナーを1年以内に製品化する予定だ。 関連記事 最新トップニュース
|
|