ケータイと TV が合体!9月17日土曜日の深夜0時45分から、
NHK の番組「着信御礼!ケータイ大喜利」が放送された。
理論的には注目されていた TV 番組とモバイルの融合が、 本格的に形になった初めての例であろう。 TV を見ている視聴者が番組で出された大喜利の題目を見て、 「答え」をモバイル端末から応募し、 優秀な作品が即座に番組で紹介されるというもの。 TV の持つリーチの広さや動画と音声のインパクト。 モバイルの持つ双方向性。 これらを融合させた極めて意欲的な試みであった。 実際、たった40分間の番組中に合計約17万本の「応募」があり、 ケータイと TV が組むことの潜在的可能性の大きさを見せつけた格好になったのである。 ちなみに番組のタイトルは「着信御礼!」で、 メールでの応募のイメージがあるが、 実際は各キャリアの公式サイトから「メニュー→テレビ→NHK→ケータイ大喜利」という順でアクセスして、 サイトからの応募という形をとっていた。 単に「すばらしい」と賞賛していても仕方がないので、 NHK のスタッフが苦心したであろうポイントをいくつか分析してみた。 また、これらのポイントは今後マスメディアとモバイルを融合しようという試みに、 一般論として活用できるものとも言えるだろう。 ●双方向には呼び水を用意せよ ケータイと TV の融合に限ったことではないが、 双方向のコミュニケーションを仕掛ける場合は呼び水が必要となる。 「このお題に答えてください」と言われても、 「自分の答えなんて低レベルだから……」と躊躇してしまう人が多発する。 また、他人が答えているのを見て「ようし、俺も!」とやる気が出ることもあろう。 「着信御礼!ケータイ大喜利」では、 千原ジュニアというプロをスタジオにゲストとして呼び、 まずはプロに回答をしてもらってそれを呼び水としていた。 実際、さすがプロという回答もあったが、 これはちょっと……、 という苦笑ものも回答されており(なかば意図的にであろう)、 「これぐらいのレベルなら私だって」といった感じで、 応募のハードルを下げる効果があったと思われる。 ●自由応募のドキドキ感と作品の質のバランスを取れ TV の視聴者が誰でも応募でき、 それが数分後には番組で紹介されるかもしれない。 これはワクワク・ドキドキすることである。 ただし素人が応募するのだから、その作品の質は期待できない。 低レベルの作品ばかり紹介されてしまっては、 そもそも TV 番組が成り立たない。 この悩みを NHK はなかなか見事なアイデアで解決していた。 それは、 一般視聴者から事前に大喜利回答のスキルを選抜した、 165名の回答者たちである。 「メジャー・オオギリーガー」と称され、 「一般オオギリーガー」とは区別されていた。 彼らはプロではなく一般人であり、 視聴者にとっては「自分たちの仲間」である。 ただし一定レベルでの回答スキルを事前に確認された人たちである。 この人たちの回答を当初は多めに紹介することで、 番組の質を保っていたのである。 そして番組の後半になるにつれて「一般オオギリーガー」の作品を多く紹介し、 双方向番組の本来の姿へとシフトしていったのだ。 ●回答の質をその場で判定できる仕組みを作れ ケータイと TV の融合の優れた点は、そのリアルタイム性である。 よって双方的に回答された内容は、 数分後に紹介することが必要となる。 そもそも「大喜利」というテーマ設定は、 これを想定したものだったのではないか。 文字数にして5文字から15文字程度。 「200字以内で、ちょっといい話を募集」といった場合に比べて、 質の判定が容易なのは言うまでもない。 また、「着信御礼!ケータイ大喜利」では受付センターを用意し、 応募作品の選定を行っていた。 ただし、この点は NHK さんは改善の余地があるのではないか。 番組でちらりと映った様子から想定される受付センターの人数は数十名。 仮に30名としても、 番組中に受け付けた約17万作品は1名あたり約6,000本という計算になる。 1作品を仮に3秒で判定できたとしても、 トータル1万8,000秒=300分=5時間が必要となる。 番組予算の都合もあったのだろうが、 もう1桁多い人数を受け付けセンター要員として準備する必要があったのでは、 と考えられる。 ●今後膨らむ夢の数々 今回のような斬新な試みを企画し、 実現させた NHK の担当スタッフの皆さんには心から拍手を贈りたい。 ただし、外部から見ているものとしては、 いろいろと欲が出てくるのも事実である。 まずはリアルタイムの必然性である。 今回は「係長が、ははあ〜ん。オレこの会社で嫌われてるな〜と思った理由とは?」、 といった題目が4つ出題された。 これだと応募せずに見ているだけの視聴者にとっては収録番組と変わらない。 例えば「今日1日の主なニュース一覧」をまず紹介し、 それをひねって大喜利の題目にするとどうだろうか。 1日の終わりにリアルタイムで見て、リアルタイムで投稿する必然が増すと思われる。 もうひとつ重要なのは、 ファックスでの応募と何が違うのかという点だ。 もちろんファックス保有者とケータイ保有者ではその数が異なるので、 応募が増えるという利点はわかる。 これをもう一歩踏み込むと、 「デジカメ画像を応募」といった内容に進化するのではないか。 これであればファックス応募とは明らかに異なる。 また、単にテキストの応募でも、 それがデジタル形式であるこを生かせないだろうか。 テキストマイニングという手法を使えば、 たとえ17万本の応募コメントでも、 瞬時に解析してワードごとに分解し、 例えば使われた頻度の高いワードを順番に表示させることもできるのだ。 「着信御礼!ケータイ大喜利」。 約17万本の応募に代表される大きな成功を収めたのだから、 番組が継続してほしいものだ。 必ずや工夫をこらした企画の数々を、次回も披露してくれることだろう。 最新トップニュース
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