![]() ![]() ![]() ![]() ワン・トゥ・ワン(その2)この記事のURLhttp://japan.internet.com/allnet/20051028/6.html
著者:西田 徹
国内internet.com発の記事
前回は「ワン・トゥ・ワン」の概要を紹介するとともに、その難しさを問題提起した。
つまり、 性別・年齢・居住地といった「乾いた」データベースでワン・トゥ・ワンを仕掛けても、効かない場合が増えてきているのである。 となると、 「生きた」データベースを使ってワン・トゥ・ワンを行うことが正解となる。 ステップを追って解説しよう。 ●ステップ0:乾いたデータでのワン・トゥ・ワン 出発点として、 性別・年齢・居住地などが雑多に入り交じったケータイ会員組織を持っているとする。 会員たちは、こちらのモバイルサイトに時々アクセスしてくれるし、 こちらからモバイルメールを定期的に送っているとする。 ここでゴルフクラブセットのモバイル通販を企画するとしよう。 誰に対してメールDMを打つと効果が高いだろうか。 すぐ思いつくのは、 性別と年齢を軸にしたワン・トゥ・ワンである。 具体的には中高年の男性に対して、 「有名ブランドのゴルフクラブセットが4割引!」といったメールを送ることになる。 が、前回のコラムで解説したように、 こういった「中高年男性はゴルフをする」といったステレオタイプの考え方は、 最近効かなくなりつつあるのだ。 ●ステップ1:自己申告情報に応じたワン・トゥ・ワン 「生きた」データベースを使ってワン・トゥ・ワンを仕掛ける。 その第1段階が、 自己申告情報に応じたワン・トゥ・ワンだ。 会員登録時に「趣味」「週末の過ごし方」などをあらかじめ聞いておき、 それに応じてワン・トゥ・ワンを仕掛ける方式である。 ちょっと考えて想像できることだが、 ゴルフクラブセットを売り込む際に、 「中高年男性」を相手とするより、 「週末はゴルフをすることが多い」とアンケートに答えている人を相手としたほうが、 効率的なのは言うまでもない。 ただし自己申告情報にも欠点はある。 会員登録時のフォーム入力が面倒なので、 いい加減にしか答えない人も存在する。 また、社会的に望ましい答えをしようというバイアスが働くこともあるのだ。 ●ステップ2:購買「前」行動に応じたワン・トゥ・ワン 自己申告よりもより確実なのは、購買「前」行動である。 リアルの店舗の例で言うと、 「陳列棚の前で立ち止まってサンプル商品を手に取り眺める」といった行動である。 「週末にはゴルフをする」とアンケートに答えたという情報も価値があるが、 スポーツ用品店でゴルフのコーナーに立ち寄り、 いくつかのゴルフクラブを手に取ったという情報には、もっと価値がある。 インターネットマーケティングの世界では、 これはメールのクリックカウントという仕組みで測定できる。 メールからサイトへの URL にユニークな ID を挿入し、 誰がどの URL をクリックしたかを測定するのである。 今まで解説してきた仮想例で言うと、 過去のモバイルメールマガジンで、 「詳しいゴルフ情報はこちら」という URL をクリックした人を相手に、 ゴルフクラブセットを売り込むことになる。 アンケート回答も生きたデータベースのひとつだが、 クリックカウント情報は、より生き生きとしたデータなのだ。 ●ステップ3:購買履歴に応じたワン・トゥ・ワン 「生きたデータベース」という意味では、 もっとパワフルなものを各企業はすでに保有している場合が多い。 その典型例は購買履歴である。 ただし、ネット専業企業でもない限り、 購買履歴などのデータは、 それ専用に独立したコンピュータシステムの中に格納されている場合が多い。 汎用機(大型コンピューター)の中にある場合も多いのだ。 これらの既存データベースを、 ネットマーケティングのデータベースとシームレスに連携することが必要になる。 一見大変そうなことだが、 最近はデータベース間の連携をとる技術が相当進んできている。 「実現は容易」とは言わないが、 「実現は現実的」といって差し支えないだろう。 さて、今まで解説してきた仮想例に戻る。 購買履歴を活用するということは、 具体的には「過去にゴルフバッグを買った人に、 ゴルフクラブセットをモバイルメールで売り込む」といったことを指す。 今までの流れをまとめてみよう。 「有名ブランドのゴルフクラブセットが4割引!」といったメールを、 誰に送るべきだろうか。 ステップ0 → 中高年男性 ステップ1 → 週末にゴルフをするとアンケート回答した人 ステップ2 → 過去にゴルフ情報サイトへの URL をクリックした人 ステップ3 → 過去にゴルフバッグを買った人 いかがだろうか。 「生きたデータベースを使え」という指示の意味が理解いただけたのではと思う。 素晴らしい概念であるワン・トゥ・ワンを、 皆さんも生きたデータベースの活用でフルに実現していただければと思う。
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