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2005年11月11日 09:00 |
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購買行動分析(その1)
著者: 西田 徹 プリンター用 記事を転送
▼2005年11月11日 09:00 付の記事
□国内internet.com発の記事
TSUTAYA のモバイルクーポンによる来店促進施策はあまりにも有名である。
ところが、その模倣は必ずしも成功していない。
実際、渋谷にある某飲食店が同様にモバイルクーポンを配信したところ、
全くと言ってよいほど効果がなかったのである。
原因はいくつか考えられる。
お店自体の魅力(知名度など)の問題、
クーポンの魅力(値引き率など)の問題、などなど。
ただし、これらを改善しても、
やはりモバイルでの来店促進に失敗している例は多い。
我々は何を見落としてきたのだろうか。
●購買行動×コミュニケーションの出来=成果
我々は今まで、
企業から消費者へのコミュニケーションの部分にだけをあまりにも詳しく見過ぎて、
近視眼になっていたのではないだろうか。
別の言い方をすると、企業からの「発信」だけにとらわれ、
メッセージを「受信」する顧客側の状況を軽んじてきたのではないか。
つまり消費者が商品やサービスの存在を知り、興味を高め、比較検討を行い、
そして購入に至るまでの購買行動に、
もっと焦点をあてる必要があるのだ。
上記の例にあてはめてみると、
TSUTAYA で CD や DVD を借りる購買行動と、
渋谷の某飲食店で食事をする購買行動が、
根本的に異なるということなのだ。
購買行動が異なれば、異なるコミュニケーションを設計する必要がある。
TSUTAYA の真似の多くが失敗している原因は、
ここにあると言えるだろう。
数式で上記に述べた考え方の転換を示すと、以下のようになる。
<旧パラダイム>
コミュニケーションの出来=成果
<新パラダイム>
購買行動×コミュニケーションの出来=成果
●AIDMA(アイドマ)モデルの紹介
知っている方も多いとは思うが、
購買行動モデルの定番である AIDMA モデルを紹介しよう。
【A】Attention:商品の存在に気づく段階。知ってはいるものの購入にはほど遠い
【I】Interest:商品への興味が沸く段階。ただし他人事としての興味
【D】Desire:商品への欲求が沸く段階。自分のこととして利用イメージが浮かんでいる
【M】Memory:いったん止まる段階。欲しいものは沢山ある。全ては買えない
【A】Action:ボーナスが出たなどのきっかけによって、購買に至る段階
さて、この AIDMA モデルが何の役に立つのか、
購買行動理論全般として次に解説しよう。
●購買行動分析の本質
AIDMA などの購買行動分析の本質は、
以下の3つである。
【1】商品・サービスの購入に至るまでには、興味関心等が高まる「段階」がある
身のまわりにある皆さんの所有物を眺めてほしい。
パソコン、時計、カバン、自動車などなど。
これらを買うに至るまでには、いろいろなストーリーがあったはずだ。
店頭で見て衝動買いした場合もあるだろうが、
多くは最初に商品を知り、興味関心が高まり、迷い、
そして最後に何かのきっかけがあって購買に至ったはずである。
これらのプロセスを「段階」とここでは呼ぼう。
この「段階」には AIDMA モデル のような一般論があるものの、
厳密には商品・サービスによって詳細は異なる。
例えば、ビールのように毎日でも飲むものと、
不動産のように一生に一回かもしれない買い物とは、
購買行動の構造そのものが異なるのも当然だ。
いずれにせよ、自分がテーマとしている商品・サービスの購入に至るには、
どんな「段階」があるのかをモデル化することが、購買行動分析の本質のひとつである。AIDMA は、その最大公約数と言えるだろう。
【2】それぞれの「段階」を次の「段階」に進めるのに効く特定のコミュニケーション手段がある
ここが非常に重要である。
例えば、ある自動車の車種について、
他人事としての興味はあるが、
自分のこととしてのイメージ(欲求)が沸いていない人がいたとする。
この人に15秒のテレビ CM を何度見せたところで、
購買行動は次の段階に進むことはないだろう。
コミュニケーション手段の王者とも言えるテレビ CM とて、
万能ではないのだ。
この場合は例えば、
自動車雑誌などで他のオーナーがどのような使い方をしているのかをじっくり読むことで、「あ、この車種、以外と自分向きかも」と思うかもしれないのである。
購買行動理論は、そこでの「段階」と、
それに応じたコミュニケーションの対応づけを行って初めて、
意味のあるモデルとして完成するのである。
モバイルのサイト、モバイルのメール、
さらに最近では「お財布ケータイ」などなど。
これらの手段が購買行動のどの段階に効きやすいのかを、
あらかじめじっくり検討しておく必要があるのだ。
【3】商品・サービスによって、
止まりやすい「ボトルネック」がある。
ボトルネックを解消することがコミュニケーション上の最優先課題である
購買行動モデルが劇的に役立つことがある。
それはモデルの導入により、
消費者が購買に至るまでに止まりやすいボトルネック(段階と段階の間)を見つけ、
それを解消できた場合である。
例えば、
テレビをつけると毎日のようにビールのコマーシャルをやっている。
これはなぜだろうか。
ビールの購買行動を考え、ボトルネックを探しててみると答えは明確だ。
ビールは高頻度に消費される商品だ。
今日も何かのブランドのビールを飲むのである。
そしてどのブランドもたいした違いはない
(実際、ブラインドで飲み比べをして、
銘柄を当てることができる人は一般人にはほとんど存在しない)。
「認知→興味→欲求」といった段階を丁寧に踏むことがないのである。
ではボトルネックはどこにあるのか?
実は AIDMA の前、
つまりブランドが認知されるかされないかがボトルネックなのである。
認知させるためにはテレビ CM が王道である。
よって各ビールメーカーは今日も、
コマーシャル競争を繰り広げているわけなのだ。
購買行動理論の面白さと有用さが実感できただろうか。
これを次回は、モバイルに具体的に適用してみよう。
記事提供:
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