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相互紹介モバイルのサイトに来てもらう。モバイルのメルマガに登録してもらう。マーケティング担当者は、そのための導線を念入りに設計しているはずである。公式サイトを目指す。モバイル広告を打つ。リアル店舗への来店客をモバイルに誘導する。などなどである。
しかし、上記のような手法はやり尽くしたという企業も出始めている。一定の成果をあげつつも、「他に新しいやり方はないだろうか?」と模索しているわけだ。今回はそういったマーケティング担当者のために、相互紹介という概念を紹介しよう。 ●米国通信販売会社の顧客リスト交換が原点 新規顧客開拓のための相互紹介。このアイデアは数十年前の米国での通販業界で萌芽したものともいえる。通販は顧客リストが命である。各通販会社はあの手この手で新規顧客リストを開拓していたのだが、新たな打ち手がなくなって「飽和感」が漂っていたそうだ。まさに今のモバイルマーケティングに似ているかもしれない。 そこであるアイデアマンが思いついたのが、リスト(顧客名簿)交換という手法である。ほぼ同じサイズの通販会社 A と通販会社 B でお互いの顧客リストを交換する。コストゼロで一挙に顧客リストを倍に増やせたのである。もちろん、この2企業がゼロサムゲームで戦っているのであれば意味のない行為である。しかし実際はこの2企業以外にも通販会社は乱立しており、どんぐりの背比べからこの2社が一歩抜き出るためにリスト交換は極めて有効な手法だったのである。 この手法に目をつけたいくつかの通販会社は次々とリスト交換を繰り返し、巨大な通販会社へと成長していったのである。リスト交換に乗り出すのが遅れた通販会社の末路は哀れだった。従来の何十倍ものリストサイズが常識となった時にリスト交換を申し出ても、どの通販企業も相手にしてくれなかったのである。 この事例から学ぶことが多いのはすでにお気づきであろう。 しかし、この事例から学んではいけないこともひとつある。それは現代の法律やマナーに照らすと、企業側が勝手に顧客リストを交換することは禁じ手だということ。そこで生み出されたのが相互紹介という考え方である。 ●モバイルで相互紹介 仮にモバイル通販を営むカニ屋と日本酒屋があったとしよう。いつもカニ屋のモバイル通販を愛用している A さんがサイトにアクセスすると「当社のカニをつまみに、絶品の日本酒はいかがでしょうか?」と日本酒屋さんへのリンクが張られている。あるいは日本酒屋からのモバイルメルマガを楽しみにしている B さんが今日のメルマガを読むと「当社の日本酒に合う新鮮毛ガニが当たる!」とカニ屋のキャンペーンが案内されている。といった活動が相互紹介である。 一見、単に相互リンクを張っていることと違わないようにも見えるが、いくつかの大きな相違点がある。まずは短期間に大規模な顧客の流れを作ろうとしてる点である。もともとは米国通販の顧客リスト交換のようなことがやりたいのである。よって期間を区切り、分かり易いメリットを提供し、出来るだけ多くのユーザーが相互に動くことを意図するのである。 効果測定に関しても単なる相互リンクとは異なる。大きな成果を明確に期待しているため、効果を定量的に測定する必要がある。そして、「A 社→B 社」と「B 社→A 社」のユーザーの流れが均等になるようにキャンペーン期間を延長したり、メルマガなどの場合は紹介回数を増やしたりするわけだ。 また、お互いにユーザーを誘導する先は単なるトップページではなく、キャンペーンサイト、資料請求サイト、サンプル請求サイト、メルマガ登録サイトなどであることが多い。どうせ誘導するなら、見込み客として明確にリスト化することを目指すべきであろう。 ●5 社〜10 社が集まって大規模キャンペーン モバイルを含むインターネットの世界は効果測定が容易であることが特徴の一つである。これを生かして「1:1」から発展してきたのが「多:多」の相互紹介である。 ユーザーから見ると、5〜10ものモバイル通販店が集まって共同キャンペーンを行っているように映るだろう。例えば日本酒屋からのモバイルメルマガを購読している B さんがクリックした先には、カニ屋、米屋、日本茶屋、和牛屋、味噌屋、ウナギ屋などがそれぞれプレゼントキャンペーンを行っている。日本酒に加えてウナギも大好きな B さんがウナギ屋のキャンペーンに応募すると、日本酒屋からウナギ屋へと相互紹介が行われたことになるのだ。 このようにして、例えば「日本茶屋→味噌屋」、「米屋→和牛屋」といった具合にいろいろな組み合わせで相互紹介が起きるのである。企業側にとっては相互紹介の効率が高まるし、ユーザー側にとってはキャンペーンの魅力が高まるというよいことづくめの企画でもある。参加企業各社の調整をとる労力は必要だが、それに見合う成果も期待できる手法といえるだろう。 上記ではモバイル通販を例にあげたが、相互紹介はそれだけに留まる手法ではない。モバイルに閉じたコンテンツビジネス。リアル店舗への誘導。さまざまなビジネスモデルでも相互紹介という概念は活用できるのである。 関連テーマ
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