そこであるアイデアマンが思いついたのが、リスト(顧客名簿)交換という手法である。ほぼ同じサイズの通販会社 A と通販会社 B でお互いの顧客リストを交換する。コストゼロで一挙に顧客リストを倍に増やせたのである。もちろん、この2企業がゼロサムゲームで戦っているのであれば意味のない行為である。しかし実際はこの2企業以外にも通販会社は乱立しており、どんぐりの背比べからこの2社が一歩抜き出るためにリスト交換は極めて有効な手法だったのである。
仮にモバイル通販を営むカニ屋と日本酒屋があったとしよう。いつもカニ屋のモバイル通販を愛用している A さんがサイトにアクセスすると「当社のカニをつまみに、絶品の日本酒はいかがでしょうか?」と日本酒屋さんへのリンクが張られている。あるいは日本酒屋からのモバイルメルマガを楽しみにしている B さんが今日のメルマガを読むと「当社の日本酒に合う新鮮毛ガニが当たる!」とカニ屋のキャンペーンが案内されている。といった活動が相互紹介である。
ユーザーから見ると、5〜10ものモバイル通販店が集まって共同キャンペーンを行っているように映るだろう。例えば日本酒屋からのモバイルメルマガを購読している B さんがクリックした先には、カニ屋、米屋、日本茶屋、和牛屋、味噌屋、ウナギ屋などがそれぞれプレゼントキャンペーンを行っている。日本酒に加えてウナギも大好きな B さんがウナギ屋のキャンペーンに応募すると、日本酒屋からウナギ屋へと相互紹介が行われたことになるのだ。