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2006年7月28日 09:00

マーケティングの3本柱

携帯サイトを作り、モバイルメールを書く。そこには様々なノウハウが存在する。試行錯誤の中からそれをつかんだ時の喜びは大きい。資料請求数、アンケート回答数、リアルへの来店数、EC サイトでの購買額などの具体的数字が伸びることで、「このノウハウは効くぞ!」という手応えを得ることができるのである。

ところが、多くのマーケターはこんな経験をしている。「よし。新たにつかんだこのノウハウはすごいぞ!」と思って次回にそれを応用したところ、まったく成果につながらないというケースだ。「ノウハウを確立したと思ったのは勘違い。ただの偶然だったのか…」と意気消沈することになる。

でもちょっと待って欲しい。マーケティング(売れる仕組みづくり)というものを、近視眼でとらえていないだろうか。言葉を替えて言うと、マーケティング=コミュニケーション=サイト+メールと思っていないだろうか。

● コミュニケーション、見込み客、商品の3本柱

種明かしをすると、当然すぎる話である。コロンブスの卵的でもある。でも近視眼に陥っている Web マスターやメールマスターにはそれが見えないのだ。

つまり売れるための仕組みは以下の3つの柱からなっており、サイトやメールといったコミュニケーションはその一部に過ぎないのである。

柱1:コミュニケーション(サイト+メール)
柱2:見込み客
柱3:商品

柱1については、このコラムで何度も述べてきたので、柱2から解説しよう。見込み客は「量」と「質」を兼ね備えていることが必要である。

どんなに素晴らしい携帯サイトを作っても、それを見に来る人が10人しかいなければ、「売れる」という成果があがらないのは当然である。モバイル広告を打つ、口コミを仕掛ける、公式ページ化を狙うなどの努力を怠るとそうなってしまう。

また数だけあっても、質が伴わなければ意味がない。例えば、10万件の携帯メールアドレスに対して、素晴らしく書き上げられた来店促進メールを打つとする。でもその10万名が、有名歌手のチケットが当たるなどという懸賞目的だけで登録した人だとすると、どんな素晴らしいキャッチコピーで訴求しようと、ムダ打ちになってしまうのは当然とも言えよう。

柱3の商品に関しても、意外と盲点となっている場合が多い。量と質を伴う見込み客。そして素晴らしいサイトとメール。でも訴求する商品の性能や価格などの魅力がなければ、売上につながらないのは当然なのである。

大企業には、残念ながら縦割意識がはびこっている場合が多い。「自分はサイト担当だから商品の仕入れには関係ない」、「自分はメールを書く役割なので、そのメールアドレスがどのように獲得されるかは他部署の仕事だ」。そういった考え方ではコミュニケーションという柱1本しかない構造物となり、崩れ落ちてしまうだろう。

コミュニケーション、見込み客、商品。3本柱のどれかひとつでも欠けると、「売れる仕組み」という建物は成り立たないのである。

● 3つの柱の整合性

もうひとつ重要なポイントは3つの柱の整合性である。柱1本ずつは素晴らしいものが用意されたとしても、それらが互いにフィットしていないと意味がない。

例えばこんな仮想の事例を考えてみよう。

柱1:コミュニケーション
→ 絵文字を多用してワクワク感を演出し、女子高生が「ちょーカワイイ♪」と喜びそうな携帯メール DM

柱2:見込み客
→ 年収3千万円以上でワイン好き。モバイル通販経験もある人中高年男性5万人

柱3:商品
→ マニア垂涎、幻の日本酒。なんと50%引き

いかがだろうか。柱1本ずつが素晴らしいからといって、それを3本組み合わせた結果の売れる仕組み作りが必ずしも素晴らしくなるとは限らないことが、上記の仮想例から実感いただけたかと思う。大事なのは、3本の柱同士の整合性なのである。

「縦割意識」というキーワードに残念ながら心当たりのあるマーケターの方。ぜひ他のふたつの柱という役割まで興味関心を払い、他部署に働きかけ、整合のとれた3本柱を実現して頂ければ幸いである。

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