WiMAX、免許交付対象外でも技術力で主導権握れる〜KDDI 社長会見
5月に総務省から発表された 2.5GHz 帯の周波数を使用する無線局の免許方針案(PDF 文書)では、申請者の要件として「第三世代(3G)移動通信事業者ではないこと」が挙げられている。さらに、3G事業者の出資比率が3分の1以上、あるいは3G事業者への出資比率が3分の1以上である団体も免許交付対象外となる、とされている。 WiMAX Forum のボードメンバーとして活動、あるいは WiMAX の実証実験を積極的に行ってきた KDDI にとって、WiMAX での利用を予定していた 2.5GHz の無線局免許が取得できなければ、ハシゴを外された形となってしまう。 小野寺社長は「当社単体で WiMAX をやりたかった。総務省の発表は残念」としつつも、免許が取得できなかった場合の参入方法も検討しているという。 また、3分の1の出資に抑えられたままの団体で参入する場合でも「当社が主導権をとって全体をまとめていかなければまずい」と述べ、KDDI がこれまで培ってきた WiMAX に関する技術開発力で、「3分の1」でも「主導権を握っていける」と自信を示した。 3G事業者への厳しい参入規制であり、新規参入の事業者に大きく配慮した総務省の免許方針案に関して小野寺社長は、「KDDI も競争参入した事業者であり、競争促進に問題はない」とし、「3分の1」に関してもその態度は評価するとの認識を示す一方、通信事業は“安定”が大事、新規参入事業者だけでサービスを安定供給していけるのか、と総務省案に疑問を呈した。 米国では、周波数帯がオークションで与えられており、ベンチャー企業がこれらを取得し、転売するようなケースも発生しているという。サービスをきっちりと責任を持って提供できる事業者がいなければならないというのが小野寺社長の主張だ。「新規参入をすべて認めればいいというわけではない」 携帯電話事業に関しては、例によって販売奨励金制度、いわゆるインセンティブに関する質問が相次いだ。総務省主催のモバイルビジネス研究会では、SIM ロック解除や販売奨励金モデルに関する議論が行われているが、毎回といっていいほど、小野寺社長にはこれに関連した質問が浴びせられる。 これを言うとエゴだと思われるから普段は言わない、と前置きした上で小野寺社長は「奨励金制度は今すぐなくしてくれていい。なくなれば当社が有利だ」と述べた。 これまでは、販売奨励金が携帯電話の価格を下げることで、より高機能の端末が広く普及していることを丁寧に説明してきた小野寺社長だが、今回は過激ともいえる逆説的主張を展開した。 KCP+など、モジュールの共通化で端末コストの低減に注力している KDDI の端末価格は、他社に比べて安くなっているという。奨励金をつけなければ KDDI の端末が最も安くなるとの予想だ。 これらを述べた上で小野寺社長は、販売奨励金制度がなくなればシェアが変動しなくなり、新規参入がさらに難しくなるとの見解を示し、販売奨励金制度を支持する立場であることを改めて明らかにした。 MNP に関しては、開始から11か月が経過する2007年9月までは MNP 開始直前に新規契約したユーザーが年間契約の縛りから開放されるため、そこまでは一定数以上の利用者がいるというのが小野寺社長の予想だ。それ以降は「純粋にサービスの魅力」での勝負になるという。 中でも鍵は法人向けサービスであるという。いすゞ自動車の運行情報システム「みまもりくんオンラインサービス」に提供している通信モジュールは、「インセンティブが一切なく、日中のトラフィックを埋めてくれる。非常にコストパフォーマンスがいい」とのことだ。 固定通信事業では、ひかり one の赤字をどうするのかが問題。サービス提供地域で30%のシェアをとるのが目標であり、これがクリアできれば黒字化が達成するという。それをどれだけの期間で達成できるのかが問題だ。 小野寺社長は FTTH において「ドロップケーブル工事費のコスト削減」に努力が必要であるとする一方、ADSL よりも高速な「ひかり one にしたい」という魅力がないのが問題であるが「これは NTT も同じだ」と、導入のメリットを明確に打ち出せないことが FTTH 普及の妨げになっているとの見解を示した。 関連記事 最新トップニュース
|
|