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2008年9月6日
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携帯・ワイヤレス2007年10月24日 10:00

モバイルリサーチが求められる背景

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■ケータイ普及率
「モバイルリサーチ」(携帯電話のインターネット機能を利用した調査手法)を語る上で、調査デバイスとなる携帯電話の市場動向は把握する必要がある。

電気通信事業者協会(TCA)が発表した2007年9月末時点での携帯電話契約数は、累計で9,933万3,600となっている。PHS の契約数は495万5,800で、携帯とPHSの累計契約数は1億428万9,400。2005年国勢調査による総人口の確定数は,1億2,776万7,994人。単純に計算すると、人口普及率は81.6%。

ただ、携帯電話契約の数字には解説が必要だ。この数字は、市場全体の契約数ということで、法人契約やダブルホルダー(2台以上の契約者)、外国人登録者が含まれている。特に法人契約は近年伸びており、筆者の業界取材によれば、全体の13%程度と思われる。また、上記契約数には、通信モジュールサービス…累計202万4,600…が含まれ、さらにプリペイド契約数…累計219万2,100…も含まれている。

上記を勘案すると、通常の携帯電話を個人で契約している人は8,000万人程度と思われる。これを総人口のうち、携帯電話を利用する年齢層を10歳〜79歳と考えた場合の人口、1億958万7,000人に当てはめた場合、普及率は73%と推測される。また、インターネット機能が使える携帯電話の比率は、全体の約87%。よって、モバイルリサーチに回答してもらうことができるケータイユーザーは7,000万人弱となる。

■リサーチデバイスとして見た場合のケータイの強み
インターネットリサーチの回答者は、各リサーチ会社が抱えるモニターと呼ばれる会員である。会員登録時には、氏名、性別、年齢といった基本的な項目を登録してもらうが、一人一人を本人確認しているわけではない。インセンティプをポイント付与し現金化できるようにし、銀行口座を登録してもらうことで、間接的な本人確認となりうる場合もあるが、登録者の全てではない。

また、前回のコラムに書いたように現状のインターネットリサーチの主流デバイスは PC で、PC は個人所有のもの、世帯保有のもの、会社保有のものなど混在し個人を特定できるものでもない。

これに対し、ケータイについては法人契約は別として個人で所有するものであり、契約時に関しては本心確認書類が必要であり、本人証明は100%とれているといっても過言ではないだろう。

加えてリサーチに回答してもらう状況を考えてみると、PC の場合は家庭、会社からということになる。現状、PC リサーチの回答状況を見ると会社からアクセスしている場合も多く、仕事中にプライベート使用をしているということになり、今後は大きく減っていくだろう。従って家庭で答える、ということになるが、そうすると家庭にいる時間帯…働いている人であれば、仕事が終わっての夜から朝ということになる。

対してケータイは、持ち運びするため、通信可能な場所にいさえすれば回答でき、場所・時間的制約がほとんどない。よってリサーチにかかる時間を PC に比べ短縮できる場合も多い。

■ケータイ利用環境の変化が、リサーチデバイス増加に弾み
モバイルリサーチ黎明期の2003年から2005年にかけては、サービスを提供する事業者は徐々に増えてきたものの、リサーチ手法として使われるまでに至らない大きな以下の障壁があった。

・高コスト
・回答する会員の少なさ

コスト高の要因としては、当時はまだパケット定額制への加入者が少なくアンケートに回答してもらうと、パケット通信代にみあう謝礼を支払う必要があり PC リサーチの謝礼と比べるとかなり割高であった。また、アンケート画面の作成も、設問数が多く複雑な機能を要求される案件では、カスタマイズ対応となりコストがかかることが多かった。料金を PC リサーチと比較すると同じ設問数、サンプル数だとするとモバイルリサーチは、PC リサーチの2倍はかかる状況だった。

リサーチに回答してもらう会員数も、PC リサーチについては調査会社にもよるが1社10万人単位で抱えていることが普通であったが、モバイルリサーチの場合は会員といっても1万人単位で抱えるところがほとんどであり、しかも「PC リサーチ会員の中で、携帯電話でアンケートに答えられる人」という抽出のため、インターネットをケータイだけでやっているモバイルオンリーユーザーはほとんど存在しなかった。

現在のケータイ市場を見ると、メール利用の増加やリッチコンテンツの登場などでパケット定額制の加入者は増加しており伸びる一方となっている。そうすると結果的にアンケート謝礼も抑えられ、さらに設問数が多いアンケートもパケット代を考えずに実施できる環境となっている。会員数についても数十万人単位での組織化ができている会社も出ている。更に、デバイスとしての進化として、液晶画面が大きくなり画質解像度も相当に上がっており、アンケート回答にストレスを感じさせない環境がそろってきた。

■モバイルリサーチの必要性と強み
モバイルリサーチをインターネットリサーチの手法の一つとして見て特徴を表すとすると「PC リサーチのリーチできない層をカバーでき、ケータイ絡みのリサーチに無類の強さを発揮できる」ということだろう。

PC リサーチではティーンエイジャーや20代前半の年齢層の回答が得られにくい。そもそも PC を利用していない人、PC リサーチに協力する会員登録が少ないためだ。モバイルリサーチは若年層の声や意識を取るのには他手法と比べ大きなアドバンテージがある。

また、ケータイ市場はコンテンツも含めると巨大な市場となりビジネスチャンスも多く出現している。一般企業でもケータイサイトを構築しているところは多く、ケータイを利用したビジネスのマーケティングを行う上でシンプルな話だが、「ケータイのことはケータイで聞く」ことがベストな選択だ。

さらに、PC リサーチや他リサーチ手法に比べ「本音が聞きやすく」「直感で答えてもらう」リサーチにも適している面がある。このへんについては本コラムにて随時触れてゆくことにする。

このようにモバイルリサーチは、デバイスの進化、ケータイ環境の変化、ケータイ市場拡大に沿ったユーザースタイルの固定化等、いわばマーケティングトレンドに変遷、時代に適応したリサーチ手法として、うまく利用すれば大きなポテンシャルを持ったシステムになってきている。

(執筆:ネットエイジア株式会社 マーケティング事業本部 R&D室 室長 境野智樹)


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