PC・ケータイ併用ユーザーの特性「モバイルリサーチ」の対象となるケータイユーザーの特性として、前回は、ケータイオンリーユーザーについて触れた。今回は、PC・ケータイ併用ユーザーの特性について解説してみよう。
PC・ケータイ併用ユーザーについては、分類すると、大きく以下に括られる。 1.PC 補完ユーザー 2.プライベートケータイユーザー 3.目的別使い分けユーザー PC 補完ユーザーの特徴は、一般的な PC ユーザーよりも「モバイル・サイトもインターネットを利用する一つの手段である」という認識が強い層であり、30代、40代のビジネスユーザーが多い。職場や自宅でも自分専用の PC を利用しており、PC 中心のネットライフ。何らかの情報を得たいと思ったときに、PC がない/使えない状態で「ケータイを利用する」という行動をとることが多い。「インターネット=ケータイオンリー」ユーザーと大きく異なる点として、基本的に PC を利用できる環境・状況下では PC を利用するということが挙げられる。 利用するケータイコンテンツは、実用的なコンテンツ…ニュース、乗り換え案内、天気予報などが多い。 このユーザーは、ネット利用の基準を PC に置いているため、ケータイサイトの表示や画面の大きさ等に不満を抱いているケースが少なくない。また、ケータイ利用が補完的なため、新しいケータイのトレンドや「できる技術」などの情報については遅れている。ケータイのネット利用について「PC に比べ劣っている」との時代遅れの考え方の人が固まっているのも特徴的だ。 プライベートケータイユーザーの特徴は、仕事や職場、学校などでは PC を使いこなしており、ブライベートな時間、シチュエーションにおいてケータイを使うユーザー。自宅に PC がないか、もしくは自宅に PC があっても家族と共用で使うため、自宅でのネット利用はケータイでしているユーザーが多い。このユーザーは、10代の高校生の一部や大学生、20代の社会人、20代の主婦が中心だ。 また、仕事で PC 利用が多く、仕事を離れると PC を使うことを意識的にせずケータイだけを使うユーザーも存在する。ちなみに筆者もこのユーザーに当てはまる。このユーザーは、ネット=ケータイオンリーユーザーについでケータイでのネット利用が多くケータイの使い方を熟知していることが多い。また、PC の良さ、ケータイの利点も頭に入っており、効率的なケータイの使い方ができることが特徴的だ。 利用するコンテンツは、ニュース、乗り換え案内、天気予報など実用的なコンテンツからエンタメ系コンテンツまで幅広い。筆者の場合、平日は会社で1日12時間以上、PC を利用しネットもほとんどPCを使っているが、自宅にいる場合は休日も含め、ネット利用はケータイで行っている。メールも自宅 PC からケータイに転送するサービスを利用しており、プライベートのメールもすべてケータイでチェック、返信もケータイですることが多い。 目的別使い分けユーザーの特徴は、基本的には PC でネットを活用している層だが、特定の目的、特定のコンテンツ利用時にケータイを使うユーザーだ。30代、40代、50代のビジネスマンでは「株取引」の情報や売買といった利用の仕方をしている層が当てはまる。上記、プライベートケータイユーザーと利用の仕方が被っていそうだが、決定的に違う点は、このユーザーは仕事をしている時間帯にこのようなケータイの使い方をしているということである。 株取引は情報の即時性、売買の迅速性が命であり、証券会社やディトレーダー専業以外の副業で株取引をしているビジネスマンはケータイの活用が大きな比重を占めている。 ほかには主婦における料理レシピコンテンツ利用や掲示板の閲覧、書き込みといったことも挙げられる。年代としては、20代後半から30代の主婦が多い。このユーザーは、子育てや教育にどの話題や、関連サイトの利用には PC を使ってじっくり時間をかけることも多いが、子供の世話や家事に時間をとられるときには、時間のかからないケータイを利用する、といった傾向が強い。 また、20代から40代前半にかけて、「デコメ」「着メロ・着うた」といった PC で利用できないケータイのみのコンテンツを利用するユーザーや、時間つぶしツールとしてのケータイゲーム、ケータイ小説といった限られたコンテンツのみケータイで利用する一部分の人もこのユーザー層を形成している。 このように、ケータイユーザーといっても一括りにできるわけではなく、利用の仕方、目的によっていくつかの分類ができる。ケータイビジネスを展開する事業者で、ユーザーをきちんと分類できているところはほとんどないだろう。逆に今まではケータイユーザーを明確に把握できていなくてもビジネスが成り立つほど市場は成長してきたといえる。 ただ、ユーザーを把握できていないほころびというか、つけの部分が最近の市場で垣間見えてきている。これからのケータイビジネス、さらに発展したケータイ Web2.0ビジネスを成功するには、ケータイユーザーの特性や利用するスタイルの分析が必要不可欠となってくる。 (執筆:ネットエイジア株式会社 マーケティング事業本部 R&D室 室長 境野智樹) 記事提供:ネットエイジア株式会社
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