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2009年7月2日 11:20

『iPhone 3G S』を巡る好材料と悪材料

著者Andy Patrizioオリジナル版を読む海外海外発
Apple の『iPhone 3G S』は、発売から1か月も経たないうちに早くも難局を迎えたようだ。これはまさに、2008年に『iPhone 3G』が辿った展開を彷彿とさせる。

iPhone 3G の場合はネットワークの接続性が問題となったが、今回 iPhone 3G S では、同端末の温度が上がりすぎて操作できなくなるという指摘が一部のユーザーから出始めている。また生産数が十分でないためか、一部店舗では入手難の状態にあるとの報告も上がっている。

しかし好材料もある。Apple は『iPhone OS』の次期版『iPhone OS 3.1』と同バージョン用ソフトウェア開発キット (SDK) について、ベータ版を開発者向けにリリースした。これは、現行の『iPhone OS 3.0』の正式版リリースが2週間前だったことを考えると、素早いペースの更新と言える。iPhone OS 3.1 は、多くの改良を施したほか、現行版にはない新機能も各種備える。

iPhone 3G S の過熱に関する報告は、あるフランスの Blog が発端となり、瞬く間に Blog コミュニティ全体に広がった。

Apple によれば、iPhone は端末内部の温度が華氏113度 (摂氏約45度) を超えると警告を表示し、ユーザーに端末を冷却してから利用するよう促すという。また、端末の温度が下がるまでは、緊急通報を除くほとんどの機能が利用できなくなる仕組みだという。なお Apple は、端末の過熱に関する情報ページを設けている。

しかし、周辺温度に関係なく発熱する報告について、Apple は今のところ沈黙を貫いている。同社に対してこの問題に関するコメントを求めたが、回答は得られなかった。

しかし業界観測筋は、問題の原因が分かったと捉えているようだ。

iPhone 3G S は高速性が謳い文句だが、結論から言えば、同端末が利用している従来よりも高速な ARM 製プロセッサが過熱の原因ではないかもしれないという。

iPhone 3G S の「S」は「スピード」(Speed) を表わしたもので、Apple は旧型に比べて2倍の速さを実現すると謳っている。しかし、複数のサイトが iPhone 3G S を解体して内部構造を調べた結果、同端末のプロセッサは定格値よりも低いクロック周波数で動作していることが判明した。つまり、同プロセッサは、可能な速度よりも遅く動いていたということだ。

そのため、iPhone 3G S 過熱問題の原因はおそらく CPU ではないだろう。調査会社 In-Stat のワイヤレス技術担当主席アナリストを務める Allen Nogee 氏は、同端末におけるネットワーク性能の高速化が原因ではないかと指摘している。

iPhone 3G S は、速度7.2Mbps の HSDPA 方式に対応している。HSDPA とは、W-CDMA の高速版とも言えるパケット通信方式だ。ガジェット愛好家向け Blog の『Engadget』が同端末の内部を調べたところ、3個の HSDPA プロセッサに加え、1個のトランシーバを備えていることが分かった。そして高速通信時に、これらのデバイスがすべて高熱を発するという。

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