XBRL に集まる熱い視線(ビデオリサーチインタラクティブコラム)財務情報を電子データ化するコンピュータ言語「XBRL」(eXtensible Business Reporting Language:拡張可能なビジネス報告言語)が、
市場関係者から注目を集めている。
財務数字の場合、多くの文書で、 自社はもちろん同業他社や業界の数値や指標が引用されている。 その際、類似の数値を整え更新する作業はじつに煩わしい。 社内を見ても、上司への報告、監査報告、財務情報の公開、 社外向けでも、税務申告書、監督官庁への届出書など、 類似の数値の引用は多く整理がつかない。 これはアナリストレポートも同じだ。 これまで、 提出先の形式や形態(紙、表、電子メールなど)に合わせて財務データを加工し、 膨大な時間とコストを費やしてきた。 手作業によるデータ作成は、 決算のデータ収集や再加工に多くの時間を必要とし、 人為的な操作を多く求める。 データ形式は標準化されず、 開示された財務情報を利用する側の再利用も容易ではなかった。 ここに、財務情報のタグ化を行う XBRL が登場する。 XBRL は電子データとしてインターネットを流通し、 各種財務情報の作成やデータの加工分析が容易とする。 財務会計情報の処理をかつてなく効率化する新たなコンピュータ言語、 それが XBRL だ。 XBRL は有価証券報告書の完全デジタル化で、 財務情報のサプライチェーンを実現可能にする。 XBRL の採用でスピーディで正確な数値の転用が可能になる。 2度3度の手作業によるデータ加工が不要となる。 データの作成者も利用者も、 容易に、迅速に、企業の財務情報を入手できるわけだ。 では、 XBRL を生み出した米国はどこまで進んだのか。 2005年11月17日付けの日経金融新聞が報じた。 1) SEC に提出する財務諸表を XBRL で財務データを提出する企業が増加中、 2) 米連邦預金保険公社(FDIC)など監督機関での採用も始まっている (XBRL International 会長 Ramin 氏)。 「FDIC は、 米連邦準備理事会(FRB)などと共同で CDR と呼ばれるデータシステムを持っているが、そこで XBRL を採用した。 米国の約8,000の銀行は、 我々に四半期ごとに損益計算書や貸借対照表を提出しなければならない。 10月1日にスタートしており、 第3四半期の報告からXBRLによる財務情報を受け取る」 (FDIC のシステム責任者 Martin Henning 氏)。 米ソフトウェア大手 Oracle の担当者も語る。 「XBRL による財務情報マネージメントは、 企業の財務レポートを作成する側から投資家、アナリスト、 銀行のリスク管理担当者、監査法人、税務当局、金融監督当局など財務情報を流通、 利用する側まで、 あらゆる業務に革新をもたらします。 そして、財務情報判断の向上に寄与します。 財務情報や IR 情報の信頼性に対する抜本的な改革に貢献し、 資本市場に極めて大きなインパクトをもたらすのが XBRL です」 すでに IR 担当者が使う XBRL 向けのソフトも売り出された。 昨年6月、 マイアミ(フロリダ州)で開催された全米 IR 協会年次大会の IR 支援業者のブースに出品され、 いつも人だかりがしていた。 日本はどうか――。 すでに国税庁が採用し、金融庁もエディネット(有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム)に XBRL を導入する。 日銀も大手行から地方銀行、 信用金庫まで取引のある約560の金融機関などから、 財務データの授受を XBRL で行うことを決めた。 2006年3月末には、 XBRL の月次のバランスシートデータが実現するという。 「XBRL の採用で、IR サイトの作成は、じつにスムーズにやり遂げた」という上場企業もある。思いのほか、現実は進んでいるのだ。 そういえば、昨年10月、東京で開催された「XBRL 国際会議」の大会スローガンは、 「ビジネスレポーティング革命〜XBRL がビジネスを変える〜 」だった。 本当に「ビジネスが変る」――。 Web 2.0を迎えて、XBRL が熱い視線を浴びるのも当然だ。 (執筆:米山 徹幸/大和インベスタ−・リレーションズ株式会社理事・業務推進担当) 関連記事 最新トップニュース
|
|