![]() ![]() ![]() ![]() なぜ日本の商習慣はスタンダードになれないのか?(ビデオリサーチインタラクティブコラム)この記事のURLhttp://japan.internet.com/atlas/20060718/1.html
著者:戸口功一
国内internet.com発の記事
今回は日本人気質についてみていきたいと思う。私は仕事柄ケータイの機種変
更をよくする。季節ごとに新しい機能がついたケータイが売り出されている。夏
モデルは、防水とミュージックがキーワードとなっている。ドコモはようやく着
うたフルのサービスを開始。au はウォークマンケータイ、ソフトバンクは
ワンセグと機能満載型を売りにしている。日本のケータイ端末は世界でも最先端
にあるといわれ、カメラ、ミュージックプレイヤー、電子マネー、クレジット、
GPS、ワンセグ等々、とにかく多機能である。先日、米国人が日本のケータイの
機能説明を聞いて waoh!と驚いていた。
日本のケータイヘビーユーザー的には、値段がそれほど変わらなければ、多機能に 手が出るのは必然となっているようで、メーカー(技術者)的にもこんな機能を こんな小さくできたことに達成感があるという、いい意味でどちらも WIN、WIN が 成立している。しかしこの関係はどうやら日本だからこそ成り立つものらしい。 ご存知のとおり、日本のケータイ端末流通はキャリア買取型という世界でも特 殊な市場であり、メーカーはキャリアが端末を買い取ってくれるからこそ、新機 能、サービスに向けたトライアルが可能となっている。本来は十万円以上する新 機種端末を2万円前後で生活者が購入できるのは、販売店へのインセンティブ、 契約者の月額料金に埋没しているからである。キャリアの営業費用のほとんどが 端末買取費用と販売店へのインセンティブとなっている。このビジネスモデルが なぜ、世界で通用しないのだろうか? 日本市場は格差社会へ移行しているといわれているが、まだ世界のそれと比較 すれば生活水準がほぼ均等化しているといえる。また信用という意味で多くの人 が銀行口座を持ち、クレジットを有している。日本式のキャリアビジネスは、そ うした土壌の上において成立し、成功したドメスティックモデルといえるだろう。 電話に対する必要性は各国で異なる。世界のビッグ端末メーカーは世界中の生 活者をターゲットにしているので、単純なケータイ機能(ローコスト)で大量生 産し廉価で売り切りたい。数の論理である。まだ高機能を求める消費者層は一部 とみているのだ。また先進国(欧州)であっても、プリペイド式での料金徴収シス テムがほとんどとなっている。これは信用という概念と文化、慣習の違いと、ビ ジネスの側面(スリム化)から来るものなどさまざまである。着信音、ゲーム などに代表されるモバイルコンテンツの消費に関しても、若干異なる進化をみせ ている。リングバックトーンなどは世界で流行っているが、日本ではさっぱりであ る。 ケータイビジネスに限らず、日本のビジネスモデルはなかなか海外へ進出でき ないといわれている。私見であるが、基本的に物価も高く、国内マーケットで採 算が取れる構造になっている(自然と…)こと自体が主因と考えられる。最近で は「決定力不足」という言葉が飛び交っているが、シュートをしなくてボールを 支配していれば食べていける市場っていいですよね。 (執筆:戸口功一/株式会社メディア開発綜研主任研究員) |