モバイルサイトの新しい潮流(ビデオリサーチインタラクティブコラム)モバイルサイトでビジネスとして成立しているのは公式サイトだった。コンテンツプロバイダー(CP)はキャリアの公式サイトに登録するために、キャリアに日参したり、大手 CP にコンサルティングを依頼したりと、絶え間ない努力の結果、サービスインに漕ぎ着けていた。それもこれも課金収入で成功すれば、ある程度利益率の高いビジネスであったからだ。しかし、ここにきて CP にも変化の兆しが現れてきている。それは公式サイトでのビジネスが変化してきていることに起因している。
今までキャリアはあくまでもプラットフォーマーに徹していたが、定額制の普及、検索機能の強化など、携帯電話を取り巻く環境の変化の中で、自らコンテンツにも係わるようになってきている。例えばニュース、天気などの情報系コンテンツでは無料でユーザーに提供を始めたり、音楽系コンテンツでは資本を入れたり、間接的な係わりを強めている。また検索機能については、トップメニューやそれに近い位置に配置しているキャリアが多いため、従来のカテゴリーから入る導線よりも、PC のように検索機能を活用してダイレクトにサイトにアクセスするケースが増えている。それら諸々の煽りを受ける形で CP は、膨大な公式サイトの中に埋もれつつある。 キャリア以外の側面では、コンテンツ自体の仕組みが変化してきている。よく例えられる代表的な例は、着信音系ビジネスの変化である。着メロの時代は、粗利率もよく CP が大変儲かっていた。しかし着うた、着うたフルの時代になり、粗利はもちろんのこと、他のサイトとクオリティの観点で差別化ができなくなっており、非常に CP にとって厳しいビジネスとなってしまった。 公式サイトの課金ビジネスに地殻変動が起きている状況の中で、一般サイトの活用が注目を浴びている。一般サイトといえば、出会い系やコミュニティサイトやキャンペーンサイトで利用されるケースが大半であったが、最近の潮流として広告モデルプラスαで収益を上げる CP が登場してきている。 最近注目されているのが DeNA 運営の「モバゲータウン」である。無料ゲームに SNS などを付加したコミュニティサイトで、サービス開始1年で373万会員を獲得している。また月間ページビューも67億を突破している。すでに広告収入として四半期で10億円に近い売上を上げている。さらにモバゴールドといったポイントを導入し、アバター販売収入につなげている。オンラインゲームのアイテム課金、SNS、アフェリエイトなどなど、PC サイトで成功しているいいところを全部モバイルサイトに取り入れ成功を収めている。 もうひとつは、「魔法のiらんど」である。若年層対象の無料サイト作成サービスを核にしたコミュニティサイトである。ここはケータイ小説で注目されている。ユーザーが書き込む小説をリアル小説として出版させ、数多くのベストセラーを生み出している。500万の閲読者のボリュームが広告収入につながり、さらにケータイ小説で稼ぐといったビジネスモデルとなっている。無料で読めるものをわざわざ書籍で購入するというのは理解できないが、若者の情報行動パターンは大きく変化しているようである。 以上、一般サイトを成功させる傾向として、広告収入はもちろんのこと、さらにもう一本副次的な収入があることがポイントといえる。ビジネスの面からみても、すでに公式サイトと一般サイトの垣根は低くなってきている。 (執筆:戸口功一/メディア開発綜研主任研究員) 記事提供:株式会社ビデオリサーチインタラクティブ ![]() 関連記事 最新トップニュース
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