エドガー・オンライン、XBRL の企業データを商品化(ビデオリサーチインタラクティブコラム)年次報告書(10−k)や四半期報告書(10−Q)から株主総会の議決権行使文書まで、米証券取引委員会(SEC)に対する米国企業のさまざまな届出文書は、SEC のホームページに掲載されているエドガーを見れば、一目瞭然だ。外国企業やミューチュアルファンドの関連文書も同じだ。エドガーは、無料で24時間アクセスが可能な「企業情報のデータバンク」となり、今では世界最大の企業情報サイトとなった。
しかし、この膨大な企業データにアクセスするのは、閉架式の図書館に収められた蔵書をカードで引き出す行為に等しい。そこで、SEC のエドガーにファイルされた「届出書類」を投資家向けのイージーサイトに書き換えるビジネスが次々と生まれ、その中には NASDAQ 上場の会社も登場した。1995年創業の「エドガー・オンライン」だ。ユーザー向けに、SEC のファイルデータから必要な情報を抽出し、ダウンロードする。顧客の求める25社リストでデータ検索が可能な「エドガー・アクセス」を一般向きに開発し、市場のプロ向きには「エドガー・プロ」を用意した。 ひとくちに SEC の Web サイトからデータをダウンロードするというが、実際は、それほど簡単ではない。昨年6月だったか、SEC 委員長の Christopher Cox 氏が、ある講演で明らかにした調査によると、正確にダウンロードできるのは72%にとどまるという。残りの28%を補ってデータの正確を期するのは当然だ。そのために、各社の財務諸表の数百に及ぶ項目のひとつひとつを人の手でチェックしなければならない。時間のかかる業務だ。入力は人の指先によるから、エラーもある。こうした作業の後でも、エラーの割合は5%〜20%もあるそうだ。エラーの比率は容認できないほど高い。 ダウンロードで発生するエラーの解消は、エドガー・オンラインのような業務にとって最大の課題だ。そのため、エドガー・オンラインは双方向データ(XBRL=eXtensible Business Reporting Language 各種財務報告用の情報を作成・流通・利用できるように標準化された XML ベースの言語)に本格的に取り組んで、1万社を超す企業の財務諸表――すべての「10−k」「10−Q」を含む――のタグ化を始めた。そして、XBRL によって99%を超える正確度を獲得するに至った。 XBRL を利用した数値は、これまでより格段に正確だ。これなら、アナリストや投資のプロが利用する数字が直接 SEC のファイルにもとづいているという信頼を崩すことはない。これが、2005年6月、XBRL によるデータと映像処理を統合した「I−メトリックス」の発表につながる。すでに1万3,000社に上る米国や中国の企業データが XBRL で処理され、100社を超す顧客からアクセス可能となるまでになった。 エドガー・オンラインの顧客は金融機関や大企業、情報ベンダーだ。Morgan Stanley、Citigroup、Bank of America をはじめ、Standard & Poor’s(S&P)、Moody’s といった格付機関、そしてニューヨーク証券取引所(NYSE)、NASDAQ。また PricewaterhouseCoopers、Ernst & Young、Deloitte などの大手会計事務所、そして Boeing など有力顧客がリストに名を連ねる。2月6日に発表した2006年度決算によると、売上1,620万ドル(約19億5,000万円、1ドル=約120円)だった。 XBRL はアナリストリポートなど情報データの信頼を高め、分析の対象範囲を拡大する。数値はさらに正確になり、リポートに要する時間も格段に短縮される。それは、市場参加者の間に生まれる情報ギャップを埋めるのに大いに役立つ。これからも、エドガー・オンラインの動きから目を離せない。 (執筆:米山徹幸/大和インベスタ−・リレーションズ理事) 記事提供:株式会社ビデオリサーチインタラクティブ ![]() 関連記事 関連テーマ 最新トップニュース
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