現代の情報鎖国(ビデオリサーチインタラクティブコラム)
最近、いろいろな企業の友人達の話を聞くと、CSR(企業の社会的責任)やコンプライアンスの徹底のためか、社内ルールや手続きが厳格になっている。
それは、致し方がないと我慢するにしても、友人達が問題視しているのが“アク禁”(アクセス禁止)。有名な電子掲示板はともかく、現在話題のメタバース(仮想空間)、業界で有名な Blog まで会社で閲覧することができないという。「会社は、情報鎖国にしようとしている」と嘆いている。 確かに、セキュリティ重視の結果、止む得なく一律アク禁にしたことは理解できる。しかし、その結果、業務の効率や生産性を妨げているのも事実である。そして何よりも心配なのは、外からの情報や刺激がなくなることにより、対応力が遅れ、またチャレンジ精神や志といった新しいものを創るパワーが低下することである。 そのことを、別の友人に言ったところ、「外の情報を知りたがるのは、企画・開発のごく一部の人たちである。通常、会社には、定型ワークをする社員や派遣社員、また請負の作業者も多いので、一律アク禁が必ずしも間違いではない」と言われた。なるほど一理ありそうである。アク禁問題は奥が深い。 しかし、このようなスタンスで、フラット化する世界で勝てるのだろうか。例えば、ある商品が米国で発表され、有名アナリストへのインタビューが放映された。それが映像投稿サイトにアップされ、業界に大きなインパクトを与えた。 しかしながら、日本の会社員(仮に、投資会社の社員とする)は職場で、その投稿映像 をチェックすることができず、翌日の新聞で初めてインタビュー内容を知る。半日以上のタイムロスを背負うことになり、タイムリーな意思決定をすることができなくなるだろう。このようなことが日々起これば、アク禁会社は競争力を失うことは明らかである。 では、どうすればいいのか。答えのひとつは、柔軟性のあるシステムを構築することである。個人の業務内容に対応したアクセス制御が目指す姿だろう。 でも、このようなシステムは、いつできるかわからない。となるとセルフヘルプしかない。つまり、Web 情報だけに頼るのではなく、メーリングリスト、RSS リーダー(アク禁で閲覧できないサイトでも内容を読むことができる)など他のメディアを活用するのである。スマートフォンなど PC 以外の IT ツールを活用してもよい。 そして、忘れてはならないのは現場に行き、自分の皮膚感覚で時代の風を感じることである。これらのことを実行すれば、仮にアク禁でも最新の情報ネタをウォッチでき、かつ多様な捉え方をすることが可能である。 「結局は、セルフヘルプだよ」と、情報鎖国を嘆く友人達に伝えることにしよう。 (執筆:仲西裕) 記事提供:株式会社ビデオリサーチインタラクティブ ![]() 関連記事 最新トップニュース
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