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2007年12月10日 11:50

規制緩和に走り出すモバイルビジネス(ビデオリサーチインタラクティブコラム)

ディズニーが日本の MVNO(Mobile Virtual Network Operator)に参入するという報道がありました。MVNO とは自ら無線設備を設置しないで通信サービスを提供することです。

今回はソフトバンクモバイルの帯域を借りてコンテンツ アプリケーションレイヤーへ進出する予定のようです。ご存知のようにディズニーは本国で MVNO 事業を行い撤退しています。iPhone や Google ケータイなど米国では今ケータイの話題で持ちきりです。それにもかかわらず極東の国でリベンジをする意図はどこにあるのでしょうか。

今まで MVNO は世界でも際立った成功事例はありません。イギリスの Virgin Mobile などはありますが、大きく成功しているとはいえないでしょう。日本でも日本通信などが携帯電話帯域で積極的に働きかけています。

しかし、7月に NTT ドコモとの協議がもつれ、総務大臣裁定に持ち込んだほどです。11月に裁定案が出されましたが、なかなか難しい問題です。帯域を貸す側の論理と開放して欲しい論理、どちらにも言い分はあるでしょう。

そんな状況下でも総務省は MVNO の参入促進に本腰で取り組んでいます。その背景に何があるのでしょうか。2.5GHz 帯の免許申請条件にも MVNO を実施することが明記されています。

最大の大義名分は移動通信市場の活性化です。MVNO によってサービスが多様化し、新しいビジネスモデルの登場を期待しているとのことです。例えばゲーム会社が携帯型ゲーム機を通じて独自サービスを展開したり、レコード会社が垂直統合型のダウンロードビジネスを展開したり、金融サービスにもつかえるでしょう。

このようにいろいろな業種で通信を利用した新しい動きが活性化すると考えられています。

その他、非常に期待されているのは BtoB での利用です。法人向けサービスなどは、固定系 ISP 事業者のように地域によって数千の事業者が MVNO として登録するかもしれません。

さらに今後の FMC サービスへの布石にもなり、MVNO が普及すれば日本経済にとっても明るい兆しとなるのでしょう。

協議会も活発に動いており、MVNO に手をあげる事業者も少しずつ出てきているようです。新規参入促進による市場拡大効果も野村総合研究所の試算では、2015年には端末市場で約5,000億円、通信料と付加収入で1兆6,000億円が見込まれています。

こんなバラ色な未来があるのにどうして前に進まないのでしょうか。

MVNO の取り組みは2005年6月に事業化ガイドラインを策定し推進してきましたが、諸外国と同様に先に進んでいません。2007年2月に改定され、さらに2008年3月までに再改定される見込みです。既存の通信事業者が足かせになっているのでしょうか。私はそうとは言いきれないと思っています。  

MVNO で試算額の市場が創出できるのであれば、既存通信事業者もその市場の一部でも手をつけているはずです。どうも開放するにはニッチなサービスではないかとも考えています。いずれにしても競争環境を整えてもらい、我々ユーザーが恩恵を受けるのであればハッピーです。

しかし、いきなり舵をきることは慎重に考えなくてはならないと思います。とにかくケータイビジネスは Win-Win でなければならないのですから。

(執筆:戸口功一/メディア開発綜研主任研究員)


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