「モーターボーグ」の造語を巧妙に作り出し、ブロガーを嫉妬させるWSJ (2008年04月28日)
先ごろ、Microsoft からスピンオフし、ワシントン州カークランドに本社を置く Inrix, Inc のことが Wall Street Journal に取り上げられていた。同社は、GPS を搭載した車の列、料金所、路上センサー、そして人々の携帯端末から取得したデータを用いて、米国の総延長10万マイルにもおよぶハイウェイ上の交通状況を観測している。このデータはさまざまな企業(MapQuest、Dash、および Garmin など)に販売され、各社がこのデータを基に消費者にトラフィック監視サービスを提供している。
そのなかで最も興味深いのが Dash の企画かもしれない。同社の双方向ナビゲーションデバイスを購入して毎月の利用料を支払うと、自分の位置や速度が Dash に通知され、それに別のユーザーの位置や速度が集約され、最新トラフィック情報として返ってくる。
だから?
これは大規模なクラウドソーシング(訳者注:自社の業務や問題解決を不特定多数の“群集”(クラウド)にアウトソーシングすること)だ。そして、システムが参加者の増加に伴って良くなる(皮肉なことに混めば混むほど不快なハイウェイとは逆である)、というネットワーク効果を完ぺきに表す例でもある。1878年、Alexander Graham Bell は Victoria 女王に電話機を献上した。当時、それは(献上物の条件である)非常に珍しいものであり、女王への贈り物として適していた。ただもちろん、あまりに珍しくて役には立たなかった。その後、下院議員全員にも電話機が普及すると、そこで初めて女王の電話機の価値も成立したのだ(テーブルマナーに関する難問奇問を聞いてくる下院議員もいたようだ)。
交通も確かに重要だが、混雑を避けたい状況はほかにもある。レストランや美術館は混雑していない方が魅力的だし、フェスティバルやフェアーなども(ある程度)同じだ。Dash のサービスは簡単に拡張することができ、このような歩行者の交通情報も提供できるだろう。
いずれにせよ、人々をモバイル GPS センサーの巨大な集合体として取り扱うのは、賢いし、強力な利用方法だ。筆者はまだ参加していないが、いずれ参加するのは確実だろう。筆者はボーグの仲間入りをすることで得られる心温まる一体感に期待している。

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