すべてのものに IP を (2008年04月11日)


先日、ハーバード大学の研究員が無線送信機を使ってペースメーカーのプログラムを書き換え、これを
停止させることに成功した。つまり、彼らはペースメーカーの装置本体に触れずに離れた場所からこれを停止させたのだ。幸い(好運とはまさにこのようなことを指す)、このペースメーカーは実験時には人体に埋め込まれていなかったのだが。

だから? 

Internet Protocol」(IP)は、インターネットが通信するときに使う言語だ。この言語に対応するデバイスは日に日に増えている。予測では、いずれオーブン、電球、自動車など、電気を使うものすべてが IP を実装し、ネットワーク経由で会話するようになるという。これは、良く耳にする「IP on Everything」(すべてのものに IP を)という動きだ(ウソじゃない。そのキャッチフレーズが書かれたT シャツだって売っている)。

ペースメーカーが IP 対応になり、インターネットにワイヤレス接続されるようになるのは必然だろう。なぜそうなるのだろう?  リモートからデータを取り出して分析したり、その分析に基づいて医師(もしくは自動化システム)がペースメーカーを調整するのが目的だ。ペースメーカーは、ノート PC や(ゆくゆくは)電球などと同じように私たちの身近な存在となり、インターネット上に言わば「市民権」を確立していく。

そうなれば、ペースメーカーも飛躍的に安全性が高まるだろう。通信は暗号化され、コンソールへのアクセスはパスワードで保護される。さらに、これらのパスワードも厳重に保管される、といった具合だ。

まあ当然だろう。だが、ここ何年も繰り返されたように、厳重に保護されたデータでも悪人の手に落ちる可能性はある。そして、もしパスワードが漏れ、悪意を持つハッカーが世界中のペースメーカーを自由にできるようになったら冗談では済まなくなる。それだけは絶対に考えたくない。


コメントする