カメラ内蔵の標識 (2008年05月20日)


The Register
(イギリスのIT系ポータルサイト) によると、英国では交通指導員に対する嫌がらせ行為の報告が、2007年の一年間で1400件にも上ったとされる。例えば路上にいるときに至近距離を通過する、エンジンをふかす、暴言を吐くなどである。さらに、車にはねられた交通指導員(棒付きキャンディーのような形状の標識を持ち、その大半が女性であると思われることから、彼女たちは「ロリポップレディー(日本でいう『緑のおばさん』)」と呼ばれている)は数十人に上る。 

地方自治体では対策として、
1)指導研修や 2)「Routesafe Monitor」(指導員が持つ停止標識に装着された二方向ビデオカメラ)で対応している。このカメラは標識を持ち上げたときに作動し、前後の状況を監視する。標識が立っているときに違反行為を犯した人物はもれなく録画され、(おそらく)探し出されて注意を受けるだろう。

 

だから?  



英国では、捜査当局が多数のカメラを設置している。ある試算によると、ロンドン市民は
1300回以上撮影もしくは録画されているという。だれがこれだけのデータを見るのだろうか? よい質問だがそういう仕組みではない。(大半の場合)カメラは事後対応のために利用される。犯罪の発生が報告されたときに、警察が関連性のある場面をあとから取り出すのだ。

なにしろ
300回だ。あと数台カメラが増えてもたいして変わらないのではないか? いや、実は大きな変化がある。今回初めて、捜査当局が半民間の個人にビデオカメラを持たせているのだ。つまり、犯罪を巡るビデオ戦争に市民が正式にかり出されつつあるのだ(しかも、これらのカメラは交差点だけに限定する必要はない。筆者なら、交通指導員が帰宅途中に路上強盗相手に、十字架で吸血鬼を撃退するかのように停止標識を振って撮影した映像を見てみたい)。 

このアプローチは、撮影したものが市民の所有であり、要請(もしくは召喚状)がなくては入手できない個人所有のビデオカメラとは異なる。この制度では、自分の生活のすべて(もしくは一部)を撮影したデータを直接警察のデータベースに渡すことになる。これはちょっと変わった
Twitter フィードのようなもので、面白いものもあれば、そうでないものもあるだろう。ただ、警察本部の担当者があなたのストリームをじろじろ見るわけではもちろんない。

筆者には、義憤と、録画による有罪判決の報奨金が目当てで集まった監視部隊が、本部と無線でつながったビデオカメラを各自装着し、正式に認可された自警団として登場してくる姿が想像できる。彼らが摘発する行為の多くは駐車違反、物乞い、違法な道路横断だが、法律は法律だ。


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