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冗談か真剣か (2008年02月29日)


「アーティスト」だとも思われている
Revital Cohen が、離れた場所(たとえば病院)にある生命維持装置から流れてくるリアルタイムデータを表示する額縁(これなら芸術だと思う)を した 。この額縁を家に置いておけば愛する人の健康状態が常に分かる。

だから? 

筆者はあまり言葉に詰まることがない(首尾一貫した発言をするわけでもない)が、今回ばかりは何と言って良いやら分からない。何とも陰気ではないか。実際、これは興味深いリモート医療監視技術の可能性(筆者も以前書いたことがある)を切り開くものではあるが、監視は医師が行うものであって、キッチンにいる一般人が行うものではないという筆者の意見に変わりはない。

ところで、さらに悪いことがある。新しい情報が供給されなくなってくると、この額縁は集めたデータを反復表示する。永遠にだ。想像してみていただきたい。故人の小さい写真の横に、その故人の最後の診断データが愛らしく永遠に流れるのだ。

Revital Cohen のユーモアが一風変わっているのは確かだ(それをユーモアと呼ぶならばだが)。しかし、ポータブル/埋め込み型モニタを使ってこれに自分たちを接続すれば、家族が十分な運動をしているかなど、興味深い疑問に対する回答が得られるかもしれない。高い診療費を払ったり、次の予約日が来るまで長期間待たされることなく、不整脈や心雑音などを発生直後に検知できるかもしれない。

それとも、筆者は Revital Cohen に驚かされただけで、すべてはくだらないことなのかもしれない。でも、彼は何を考えていたのだろう? 彼が次に何を考えるのかと思うと落ち着かない。


MIT(マサチューセッツ工科大学) の Human Dynamics Lab が、直接会ってお互いに紹介し合ってから会話を始めるという、人類の歴史そのものと同じくらい古い形式のソーシャルネットワーキングに取り組んでいる。ユーザーは、お互いの距離(お互いの関係度合いを示すのに優れた指標だと思われる)を計算するバッジを装着し、会話を録音し、動きをトラッキングする。MIT の企業スポンサーと大規模な会議を開いたところ、(1日を通して知り合う人が増えたことで)ネットワークが着実に広がったことがバッジから明らかになった。なかには、人類の限界に挑戦すべく「最高人脈賞」の獲得を目指して競い合う人たちもいたほどだ。

だから? 

この調査の結果から、自己紹介の内容をmyFacebook (米国SNS)アカウントに直接フィードするデバイスの開発も考えられる。こうなると、(SNSにおける)自分の「友だち」リストが途方もなく爆発的に拡大するかもしれない。しかし、これは単に便利なだけに過ぎない。この技術によって実現しうる本当の革命は録音、筆写、そして会話の記録を後世に残すことだ(あるいは来週でもよい。妻から聞いた誕生日に欲しいプレゼントを思い出すのにも役立つ)。

技術的にも社会的にも異論はある。1)「(音声の)自動書き取り(機能)はほぼ実現不可能」だ。確かに、(現状)技術は100%の精度を出せていないが、たとえ部分的に正確な筆写でも、一生分のビデオクリップを探すには便利だ。2)「これは他人(そして自分)のプライバシーの侵害」だ。そうかもしれない。しかし、任意で、互恵的で、公のものである限り、プライバシーの問題が発生するとは思えない。3)「大切にされる西洋文化の規範に反する」。 まあ、そうかもしれない。しかし、大切にされる西洋文化の規範について言わせてもらえれば、これらは変化するものだ。

たとえば、飲酒運転は約20年前までは米国では一般的に許容されていた(笑いの種にさえなっていた)が、Mothers Against Drunk Driving (MADD)が広告や唱道活動を通じてこれを正した。また、もちろんインターネットにだって筆者に追い切れないほど新たな規範を作り出した責任がある。われわれはこれらを採用し、その後遺症として(ほとんど気付かないうちに)規範も変わった。

したがって、(インターネット同様に)個人をうまく監視するのに必要な規範は、おそらく技術自体の可用性によって流れが決まっていくだろう。超小型カメラや極小メモリパッケージのようなハードウェアは、お決まりのムーアの法則の速度で改良が進んでいる。何年かすれば、襟に付ける飾りピンでも自分に起こるすべてのことを何週間分も録音できるようになる。センスのいい外観(この部分は何にでも「i」を付けるのが得意な Steve Jobs 氏におまかせする)を持たせ、優れた広告キャンペーンを展開すれば、このようなデバイスは飛ぶように売れるだろう。そして、われわれはそれに応じて、大切にしている文化規範を何も考えずに変えることだろう。いつもそうしているように。



アクセンチュア・テクノロジー・ラボの「Enterprise Knowledge Retention EKR)」ツールは、オフィスワーカー間の知識の伝達を容易にすべくデザインされた統合アプリケーション・スイートだ。当初はアウトソーシング業務(「Rapid Transition Suite」の名前で大成功を収めた)用にデザインされたが、最近では M&A や定年退職者の急増に対処する知識伝達促進に一役買っている(海外市場進出の促進に活用する議論も出ている)。 

だから?

団塊の世代が定年を迎え始め、若い世代では頻繁な転職が一般化するなか、個人の枠を超えて組織の知識を管理することが重大な課題となりつつある(若い世代が頻繁に転職を繰り返すのは、人生を謳歌するためでも、不満があるためでも、無責任であるためでもない。常に「不足している」リソースであり、需要が絶えないからだ。つまり、断り切れないオファーが増えているのだ)。オフィスワーカーの自然減が進むと、企業はスキルのあるオフィスワーカーの不足が原因で衰弱しないよう、新しいツールや新しいソリューションを求めるようになる。そのようなツールの1つとなりえるのが、Enterprise Knowledge Retention だ。 

実は、Enterprise Knowledge Retention EKR)はツールでもあり、方法論でもある。この方法論は、伝達する役割、責任、そしてスキルをどう判断するかなど、その伝達プロセスをどう管理するかについても規定している。このツールは、実際はスイート製品となっており、音声による注釈付きの画面録画機能(スキルの実例を取得する)、インスタントメッセージや電子メールのアーカイブ(準公式のこれらのチャネルには暗黙の情報も多数含まれている)、掲示板のスレッド(こちらもアーカイブして検索できる)、そして作業用のドキュメントや成果物の統合レポジトリなどで構成される。 

公平な立場のオブザーバーとして言わせていただくと、EKR は知識移動の問題に非常に多くの角度から取り組んでおり、魅力的だと言える(個人的にもそのような感じかと思う)。これに関する詳細な情報は、この分野のトップを務めるアクセンチュア・テクノロジー・ラボの
Mary Hamiltonまでお問い合わせいただきたい。


主治医と一緒の生活 (2008年02月19日)


Aerotel が「GeoSkeeper」を発表した。これは、GPS 対応のリストバンド型装置で、緊急ボタンを押すとコールセンターに警告の通知が行われる。コールセンターは利用者の現在位置をトラッキングすることもでき、あらかじめ設定された範囲(学校など)の外に出ると警告される。Aerotel では、この GeoSkeeper (変な構成の名前で筆者には意味が理解できない)に加え、「移動の多い患者」に適した各種無線対応医療監視デバイスを製造している。これらの製品はどれも理論上、組み合わせることで現在地/診断用の「スーパーデバイス」になる。 

だから?  

数年前に突然子どもを授かり((それによって)偏執症が何たるかを本当の意味で知り)、50歳に(光速のようなスピードで)近づくにつれ、筆者は遠隔医療監視の概念を大好きになり、ロケーションベースの遠隔監視に興味を持った。だから Aerotel の製品ラインアップには 興味をそそられる。 

この技術の背景にある概念はシンプルだ。健康状態を常時監視できるよう、診察室から診断機器を持ち出すというものだ。このアプローチには4つのメリットがある。まず第1が、医師の診察を受ける回数が減ることだ。 

第2に、医師の手元にはあなたが今日診察を受けたときの健康状態の断片的な情報ではなく、履歴が途切れず残る。断片的な健康状態チェックが不正確であるのには、(これ以外にも理由はあるが)次に書く第3のメリットが関係してくる。 

第3は、「白衣高血圧」症候群の場合、(幼少期の予防注射などがトラウマとなり)医師や看護師を目の前にすると動揺してしまう。その結果、脈や血圧が急上昇する場合がある。「普段の生活の場」で時間をかけて測った計測値の方が精度は上がるだろう。 

最後にもちろん、自分に緊急事態が発生したときの自動警告システムのメリットもあり、正確な場所も通知される。 

このウェアラブル(埋め込みも可能になるかもしれない)デジタル診断技術なら、エキサイティングな生活が送れ、診察回数が減り、診断結果が改善され、「新しもの好きの血」を鎮めることもできる。実際、最後のポイントが普及を早めるかもしれない。高齢化する団塊の世代のマニアは自分たちの健康に悩み、(どの世代のマニアも同じだが)最新ハードウェアを渇望している。 

筆者は、今すぐ手に入れて購買ラッシュを避けようと思う。


アクセンチュア・テクノロジー・ラボ(ATL)の「Digital Pen and Paper Mobile Workforce Prototype」(DPPMWP)(こんな略語を考えたのは一体全体だれだ? )は、われわれが数年前から開発してきた数多くの営業部隊自動化ツールの1つだ。これは、デジタルペン(入力)と携帯電話(通信および出力)を使って次のように機能する。

営業担当は、(ほとんど目で見えないくらい)小さな参照マークの微細パターンが印刷された紙のフォームに書き込みを行う。この紙の上をペンが移動すると、これに搭載された小型カメラが参照マークを追跡して正しい位置を把握し続け、営業担当の筆跡を正しく予測する(この技術は Anoto によるもの)。このフォームへの書き込みが終わって営業担当が「完了」のマスにチェックを入れると、ペンが筆跡を携帯電話経由でサーバに送信し、そこで(テキスト)変換と処理が行われる。その後ほどなく結果が SMS 経由で携帯電話に戻り、顧客に渡される(保険の見積もりなどが考えられる)。ここまでが流れだ。
 
だから?
 
デジタルペンは、いわれのない非難(「出力はどうするんだ?」など)を受けることがたびたびあるが、好まれる理由はいくつかある。1番目に価格が安い。ペンと携帯電話を組み合わせても、タブレット PC の購入・維持費用より大幅に安い。2番目に、(ITによる)威嚇的なところがないのでコンピュータに不慣れなユーザー層(これらが絶滅危惧種であることは認める)にとって重宝する。3つ目に、トレーニングがほとんど必要ない。4番目に、現状のフォームを使う作業手順をそのまま維持することができる(得策ではないかもしれないが、最低でもその選択肢はある)。5番目に本体が軽い。そして最後に、業界や国によっては(イメージではなく物理的な)紙での保存が規定されている。

DPPMWP は、携帯電話に SMS メッセージを送り戻すことで出力の問題を非常にうまく解決している。このテクニックは、通信を行う情報量がわずかの場合(見積もりなど)はうまく機能する。また、使いやすさも絶対に負けない。担当者と顧客の間にコンピュータが存在せず、一見、普通のペンを使って一見普通のフォームに書き込んでいるだけだ。

Accenture は、銀行や公共事業分野が有望な欧州を中心に、デジタルペンベースのシステムで大きな成功を収めてきた。PC が高価で、入力フォームが必要で、トレーニングが問題となっているような場合、DPPMWP のようなシステムは極めて魅力的となりそうだ(そして、筆者はこの略語がどんどん気になっていく)。詳細は、この分野の責任者である Gaelle Le Roux までお問い合わせいただきたい。