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模倣中心のベンチマーク指向 (2008年05月12日)

はじめに

本ブログは、アクセンチュア・テクノロジー・ソリューションズのテクニカルスペシャリストの林田と鉾之原が、技術的に難易度の高いプロジェクトに携わる現場のエンジニアという立場からの生の声を書いていきます。
連載は林田・鉾之原が交互に書いていく方式とし、第一回である今回は林田が担当します。
技術専門のエンジニアからの声ですので、何かのお役に立てれば幸いです。 

林田・鉾之原


模倣中心のベンチマーク指向

Web 2.0という言葉をGoogleの日本語サイト検索で行うと、90万件以上がヒットする。
イメージがわきづらいかもしれないが、例えば"Java"や"マイクロソフト"を検索するのと大体同じくらいというとイメージつきやすいだろうか。

そのくらいWeb 2.0という言葉が日本に根付いたといえる。しかし、検索にヒットしたサイトを見てみると、Web2.0を解説し導入方法について記載したWeb2.0企業を目指そうといった趣旨のサイトや、現在のWeb2.0企業の動向といったまるでトレンドを扱うようなサイトが多く目に付く。

中でも面白いのは、Web2.0という名前の会社や(将来Web3.0や4.0というのが出たらどうするのだろうか?)、Web2.0を何かのソフトウェアのように勘違いし”インストール方法”について質問したQAが記載されたサイトだ。

何が問題なのか?

そもそもWeb2.0は、先進的な企業がWebが持つ特性を上手く利用してきた結果、新しい発想で使い始めたことをバージョンアップになぞらえたものに過ぎないので、正確な定義をつけること自体にあまり意義はないし、名称自体にも大きな意味はないはずだ。

しかし、日本は今まで何かを模倣することによって成長してきた背景もあり、常にベンチマークとなるべき具象化された何かを必要とし、模倣しようとする。
あまり意義の無いことであったとしても、目指すべきモノ自体に意味を持たせようとする傾向が強い。だから、思想色が強く、抽象的な概念を持ったWeb2.0のような技術的なトピックに対しても、その言葉自体に意味を持たせようとする。

その結果・・・「Web2.0を導入したい」という曖昧な要件が発生し、エンジニアは「Web2.0とは何だ?」という定義づけから行わなければならないという事態が発生し現場は混乱する。

どうすればいいのか?

模倣を目的としたベンチマーク的な考え方は、モノ自体の進化を生み出す事もあるので悪いことだとは思わないし、非難するつもりもない。
しかし、模倣を中心にベンチマークを考えすぎてしまうと、本来考えなければいけないことを無視した本末転倒な結果を生み出してしまう。

例えば前述の「Web2.0を導入したい」というケースでは、本来企業としての目標とそれを達成するためのベンチマークがあるはずで、それに対してエンジニアはそのベンチマークをクリアする為の手段としてWeb2.0的な思想を導入するという姿になるはずが、手段であるはずのWeb2.0が目標になってしまっているために現場は混乱してしまう。

それを回避するためには、ベンチマークを何かから見つけ出すという模倣中心の考え方だけではなく、ベンチマークを自分たちで創造するというよう考え方も持たなければならない。
そうならなければ、現場のエンジニアはいつまでも混乱から解放されない。


林田 宏介


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