Help BitTorrent を更生させるカナダ人 (2008年03月21日)
つい2年ほど前までは映画や音楽を(たいていは不法に) ダウンロードした人の間だけでこっそりと話題にされていた BitTorrent が、ついに太陽の下を歩き始めようとしている。
名前を聞いたことのない方のために説明すると、BitTorrent はピアツーピア(PtoP)ネットワークを利用する人気の高いファイル共有手法で、P2P ネットワークに接続された多数の異なるコンピュータから巨大なファイルを少しずつダウンロードする。この方がファイルをはるかに短時間でダウンロードできるからだ。
最初に登場した Napster の時代に育ったわれわれにとって、BitTorrent を最初に使ったときは大発見をしたようだった。巨大な動画がかなりの速度でダウンロードできるようになった。多数の人々がネットワークにアップしている人気作品だと特にそうだ。「なぜもっと早く考え出さなかったのだろう」という技術の1つだ。
BitTorrent は、エンターテイメント業界に非常に大きな影響を与えるかもしれないタイプの技術だ。今のところはまだ大半の人が巨大な動画ファイルを自分のコンピュータにダウンロードするようになるにはまだ不便で複雑だ。Netflix から郵送で映画を借りる簡便性と比べると特にそうだ。映画のダウンロードをマニア以外にも魅力的なものにするには、BitTorrent のような技術を主流にする必要がある。
そして、その動きが CNET News.com reported 今起ころうとしている。
ノルウェーに続き、カナダの公共放送サービスが主要なゴールデンアワー番組の DRM フリーでの BitTorrent 配信の導入を進めている。
CBC は3月24日、 BitTorrent を使って 2008年の「Canada’s Next Great Prime Minister」の放送を配信する。これによりカナダは、人気の高い P2P ファイル共有技術を使ってゴールデンアワー番組の高品質 DRM フリー版をリリースする北米で最初の国となる。
この記事の後半には、デジタル著作権管理の興味深い未来も説明されている。
多数の TV 局が番組をオンラインで無償配信する実験を行っているが、そのなかで最も興味深いのが CBC による DRM フリー BitTorrent を使ったダウンロードだ。同番組のインタラクティブ担当プロデューサーの1人である Guinevere Orvis 氏は、これを選んだ理由の1つが、「この番組をできるだけ簡単に見られるようにし、好きなフォーマットでできるだけ多くのカナダ人に見せたい」という願望だったことを明かした。DRM に関して、同氏は「多くの放送局が認識していないようだが、わたしは DRM はもう死んだと思っている。消費者にとって悪いことは会社にとっても悪いことだ」と語っている。
著作権の神様で、オタワ州立大学法学部の Michael Geist 教授は、CBC の動きを称賛し 、自身のブログに「この展開は、カナダの公共放送が配信の新しい選択肢を実験することに次第に前向きになりつつあるからということだけでなく、カナダにおけるネットの中立問題を明確にする意味でも重要だ」と書いている。
ハリウッドや米国のテレビネットワーク各局が BitTorrent とデジタル著作権管理の事情を理解するかどうかお楽しみにされたい。
