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罪な女性 (2007年10月09日)

米国時間10月4日に下された 連邦陪審員による評決 がブログの世界を騒がせている。その内容は、著作権で保護された楽曲を不法にダウンロードしてネットに公開したミネソタ州ミネアポリス在住の女性に対して22万ドルの罰金を科すというものだった。

無理もない。著作権で保護された楽曲をピアツーピア(PtoP)ネットワーキング経由で無償共有する問題を巡っては、常にさまざまな意見や感想が出てきた。シングルマザーに22万ドルという高額の罰金を科すことは、火に油を注ぐことにしかならない。

大方の意見と同様、筆者も今回の罰金はばかげていると思う。また、被告の Jammie Thomas がこの数字に近い金額を払わされる可能性も低いと思っている。おそらくは上告することになり、今回の評決を勝ち取った6社の音楽関連企業はこれより少額で和解するか、Thomas が破産を申し立てることになると思う。

以下にブロガーや読者のコメントをいくつか紹介する。
「私が法律の世界でこれまで目にしてきたなかで最も不合理なことの1つだ」 -- ニューヨーク州の弁護士、Ray Beckerman 氏

「もちろん、レコード会社にも自分たちの利益を守る権利はあるが、女手一つで子どもを育てている女性に年収の5倍以上の罰金を科すのは悪意に満ちあふれた判決だ.」 -- flyingsquid による Slashdot への書き込み

「RIAA はこれで、そろそろ異なるモデルを試すべきだと認識する代わりに、『ファンを訴える』戦略が有効だと考えるようになる」 -- Techdirt の Mike Masnick 氏

「ファイル共有による窃盗行為は、曲の制作者たちに対する窃盗行為だ。弁解し、正当化し、レーベルを憎んでも何も変わらない」 -- CNET.com 読者の gearpig
。もちろん、ほかにもかなり強い口調の反応はあったが、これでだいたいの状況はお分かりになると思う。

今回の件について、筆者には複雑な感情がある。それは以下のような理由によるものだ。
基本的に、音楽業界はアーティストやファンを食い物にする泥棒の集まりだ。

楽曲は無償であるべきだとの概念は、実は自分本位の正当化だ。ミュージシャンはオフィスワーカーであり、自分たちが作り出したものに対する報酬を受け取るべきだ。ブロガーとは実際には違うのだ。

レコーディングを行うアーティストが制作したものの多くは法外な値の付けられたゴミだ。だが、貪欲なレコード会社が定める契約要求事項の履行を余儀なくされていることがその一因だ。

彼らは、あたかも Jammie Thomas の悪事の証拠を握っているようだ。Thomas は無罪を主張しているが、Kazaa のユーザー名が彼女の電子メールアドレスの1つと一致しているのだ。

RIAA は、ダウンロードサービス利用者の提訴は最後の手段だとの主張だ。ところが、彼らは「わずか」2万6000件しか提訴をしていない。
ただ、幸いにも明るい希望はある。これらのレコード会社は、罰金の22万ドル(もしくは最終的な受取額)を所属アーティストと分配することを強く希望している。

あと もう1つ あった。
RIAA が個人を訴えることになった場合、その和解や判決による受取金は同団体の著作権侵害対策プログラムに広範囲に再投資する、と RIAA の広報担当、Jonathan Lamy 氏は語っている。


Talking Heads が歌うように「昔から変わらない」のだ。

サイバー中傷行為への対応 (2007年10月05日)

当然わかりきったことだが、インターネットは世界中の文化と商取引に劇的変化をもたらした。これらの変化の大半が建設的なものであることに議論の余地はない。「ネット」は国際商取引を実現し、新しい業界を作り出した。過去に全く例のない量のアダルト情報を、史上最大の数の人々が利用できるようにしたのだ。

しかし、アイデア、見識、および意見を多くの聴衆に伝えられる強力な街頭演説の場を普通の人に電子的に提供したことこそ、インターネットがもたらした最大の変化だと思う。

だが、ネットの掲示板に挑戦したことのある人ならだれもが知っているように、サイバースペースの住人に手当たり次第に仮想メガホンを渡すことは両刃の剣となりえる。そこは、狂人、奇人、不平分子であふれているのだ。

このようなことから書かれたのが、否定的発言、不快な暴言、 および会社の背信行為を書き込んで決算に打撃を与えるオンライン評論家対策に企業がどのように取り組んでいるかを扱った New York Times 紙の興味深い 記事 だ。

もちろん、酷評されるに値する会社も多い(Home Depot をお忘れなく)。だが、Times 紙の記事にあるように、オンラインビジネスに失敗して不満を抱く顧客が’すべてでもない。
インターネットの力が強まるにつれ、オンラインで不満を発散させるのにうってつけの場所を探し求める幻滅した社員、サプライヤー、競合各社によって、大小ざまざまな企業が混乱させられるようになってきた。

これらの中傷者たちは、ネットの回線とキーボードしか持っていないにもかかわらず、痛烈な批評による嫌がらせから、掲示板を使った企業機密の暴露、そして非倫理的行動のうわさを流して業務に深刻な問題を引き起こすことまで何でもやる。場合によっては、苦情サイトを立ち上げたり、攻撃対象の名前で Web のアドレスを登録することまでしてしまう。


幸いにも、Times 紙はこのような苛立たしい状況に対処する絶対確実な手段を紹介している。

だが実際、読み直してみるとそうでもないようだ。この記事は特定の状況においてうまくいくかどうかは分からない対処方法を列挙しているだけだ。

・オンラインでの苦情/攻撃は無視する。
・匿名でブログに書き込むもしくは返答する。
・会社名で返答する。
・メーリングリストや掲示板の管理者に不愉快な書き込みの削除を申請する。
・問題の書き込みを SEO (サーチエンジン最適化)対策用の巧妙なトリックを使って葬る。
そして、いつの時代も企業が最も好むのは次の対応だ。

・訴訟をにおわせる。


ただ、この忠告リストから漏れていて何とも解せないのが次だ。

・苦情が真実かどうかを見極め、もしそうであればその問題を修正する。


世の中狂っている。