中毒になりそうなインターネット中毒論争 (2008年03月26日)
インターネット中毒などない、と思うふりをするのはそろそろ愚かに思えてきた。コンピュータや携帯端末に極めて長時間ログオンしたままの人がいて、それが有害で、生活に悪影響を与えることは周知の事実だ。
もちろん、自分たちは決してそのようなことをしない。自分たちが連続何時間もネットを使うのは、お気に入りのWeb サイトを(何度も何度も)訪問したり、(その9割はスパムである)電子メールをチェックしたり、(更新頻度がどんどん少なくなる)好きなブログをチェックしたり、(間違いなく何も書くことはないのに)自分たち自身のブログを更新するといった重要な作業だけが目的だ。
問題は、インターネット中毒は存在するという一般的所見を述べるのは簡単だということだ。これを定義する方ははるかに難しい。しかし、American Journal of Psychiatry がこれに積極的に取り組んでいる。Ottawa Citizen には以下のようにある。
電子メール・テキストメッセージング強迫神経症は、もうすぐ正式に脳疾患に分類される可能性がある。
American Journal of Psychiatry3月号の論説によると、「ゲームの過剰プレー、性的執着、電子メール/テキストメッセージング」を含むインターネット中毒は、精神医学会の精神障害公式ガイドブックへの追加が必要な一般的脅迫・衝動疾患の1つだという。
オレゴン健康科学大学ポートランド校の精神科医、Jerald Block 博士によると、ほかの中毒疾患と同様に、インターネットのユーザーは強い欲求、強い衝動、禁断症状、環境耐性、さらに優れた多くの機器やソフトウェアに対する欲求、ネット接続時間の増加などの症状を経験するという。Block 博士は、精神医学会が精神障害を正式にまとめている Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders (DSMMD:精神疾患の分類と診断の手引)に「インターネット中毒」を組み入れるようロビー活動を展開している。DSMMD の最新版は2012年にリリースされる予定だが、一般からコメントを集める目的のドラフトは2009年に公開される。
筆者はこの一連の問題を何度も取り上げた。この書き込みの先頭でも書いたように、何らかの形でインターネット「中毒」になってる人がいることを否定するのは無駄な主張だ。しかし、これを詳しく見ていった場合、それをどう定義すればよいのだろうか? たとえば、筆者は情報狂だ。インターネットが普及する前は、新聞を読むことから毎日が始まっていた。たまにそれができない日があると、何か物足りなさを感じていた。筆者が新聞を読む習慣は「中毒」なのだろうか? これを読めないときの筆者は「禁断症状」を起こしていたのだろうか?
また、インターネットで使う目的から、さらに優れた機器やソフトウェアを次々に要求するのも中毒の一種だという Block 博士の主張はどうだろう? 実際のところ、これは高いパフォーマンスを求めているだけではないのだろうか? (もしそうでないなら、ダイヤルアップが中毒症状への入り口だったのか? )
「時間を忘れたり、食事や睡眠(あるいは家族や仕事)といった『基本的活動』を怠る」人を見ると Block 博士に同意する。これは確かに良いことではない。しかし、睡眠のパターンを害するまでネットサーフィンで夜更かしをしたことのない人などいるだろうか? このような行動が健康に害を及ぼす、あるいは中毒になる線引きはどこなのだろうか? そして、話題はもうインターネット中毒の規模に移っているのだろうか?
DSMMD の正式出版が2012年以降であるのは以下の2つの理由からうれしい限りだ。
1)この問題が意見の一致を見るにはまだかなりの時間がかかる。
2)この活発な国民的議論は間違いなく中毒になりそうだ。
