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IT 系のオフィスワーカーは、海外のオフィスワーカーとの競争をすべて忘れていい。そして、もし先ごろ流れたニュースが正しければ、一律報酬条件(これは「無昇給」をごまかす言葉だ)の不穏なうわさもすべて忘れていい。需要はあるし、望まれている。それどころか、これまでとは比べものにならないくらい必要とされているのだ。
 
要するに、あるニュースによると、IT 業界に就職してくる若者はもはや多くないのだという。大学の課程も絶滅しようとしている。つまり、人手不足が見え始めているのだ。この記事を以下に引用する。
 

カリフォルニアベースのコンサルティング/スタッフ派遣サービス、Robert Half Technology の専務取締役、Katherine Spencer Lee 氏は、「今は連鎖的な嵐が押し寄せている。これは深刻な状況だと思うし、小学校レベルから数学や科学に子ども達の関心を向けさせる必要があると思う」と語る。

数学や科学だって? 自分の iPhone をいじり回したいだけなのに、そんなのあまりに複雑過ぎる。
 

このトレンドの変化は非常に重要だ。記事には次のようにもある。「Computing Research Association が博士課程を持つ大学を対象に毎年実施している調査では、IT 専門系の学士課程修了者が2008年には2割減ったことが分かっており、この傾向が数年続いている」

なぜ若者たちが怖じ気づいてしまったか筆者には分からない。海外へのアウトソーシングを伝える見出し記事が氾濫しているからではないはずだがどうだろう? それとも、IT 分野で失職しないためには非常に複雑な新技術を繰り返し学習し続けなくてはならないという厳しい現実がそうさせるのだろうか? 

もちろん、IT 専門家が不足しても常にソリューションはある。給料を上げさえすればよいのだ...

 

「ザ・エージェント」の冒頭シーンはご記憶だろうか?  Tom Cruise がある晩突如、自身が務めるスポーツエージェントのビジネスがいかに非倫理的で道を外れているかを伝える提案書を社内向けに書いて提出する場面だ。

さて、この主人公がその後どうなったかはご存じの通りだ(本題からそれるが、この映画には残念ながら「You had me at hello(一目でやられたわ)」というセリフもあった)。

さて、話を Yahoo が2006年に悪評を買ったいわゆる「ピーナッツバター」メモに進める。このメモを書いた Yahoo 幹部も「ザ・エージェント」と同じ扱いを受けた。AllThingsD と TechCrunch の2つのブログと New York Times によると、さらに3人の幹部が辞職を決めたとの報道が6月19日にあったという。報道は、この件に詳しい匿名の情報源の話に基づいたものだった。

3人のなかで最も有名なシニアバイスプレジデントの Brad Garlinghouse 氏は、Yahoo は失敗を犯し、大規模な事業の再編成が必要だ、とする痛烈なメモを2006年に書いた。このいわゆるマニフェストは、「ピーナッツバター」メモと呼ばれるようになった。

Garlinghouse 氏の退社は低迷する検索大手にとって最も新しい損失だ。カリフォルニア州サニーベールの同社は、ここ1週間で4人の著名なリーダーを失っており、この集団流出は不安定な Yahoo の状態をさらに悪化させる可能性がある。

会社のメモと言えば、Datamation.com の Mike Elgan も、自身のコラムのなかでプライベートな電子メールと職務上のビジネスコミュニケーションとの間の混乱からオフィスワーカーの権利が無視されている、と書いている。社内メモの復活はこの問題をはっきりさせるかもしれない。

Elgan は次のように書いている。


連邦控訴裁判所は、社員もしくはその雇用者が社外のサービスプロバイダーを利用している場合、企業は許可なく社員の電子メールやインスタントメッセージを読むことができない、との判決を下した。

たとえば、これは Gmail 経由で送信された電子メールや、AIM 経由でのチャットもカバーされる。しかも、雇用者が電子メールやチャットをアウトソースし、PC、ノート PC、携帯電話、あるいはポケットベルを提供している場合もカバーされる。今回の判決の一環として、同裁判所は顧客企業の依頼があっても契約会社が電子メールや IM のログを提供することを禁じた。

... ユーザーにとって、個人的な電子メール(社内ネットワークや電子メールサーバ経由であっても)やその場限りのチャットは、成り行き任せの気軽な会話(したがってプライバシーが保護されるべき)だ。だからみな電子メールやチャットでは「気を緩めて」しまい、準備もせず即興でいいかげんなコメントをしてしまう。彼らは感情を出し、言うつもりのないことを言ったり、友人とのプライベートな会話では許されても、仕事上のやりとりでは許されない言い方をする。


Elgan のコラムをお読みいただき、今晩はミスター・ピーナッツバターの Brad Garlinghouse 氏に乾杯しようではないか。


約束通り、われわれのSemantic Webサイトでは、ビジネスや投資のコミュニティーでセマンティックウェブ(同サイトのことではなくコンセプトの方)が直面する信頼性の問題を Dan Grigorovici が詳細(そして端的に言えば理解できるよう)に分析した記事のパート2が公開された。

Dan が言いたいことを抜き出してここに書くこともできるが、それは趣旨にそぐわない。彼の分析は本当に読む価値のあるものだ。筆者が昨日「マニア専用居住地区」と呼んだ範囲からセマンティックウェブが抜け出せていないことにいら立つ同技術コミュニティーの一員にとっては特にそうだ。

いいだろうか。科学技術者が技術の話が大好きなことに疑問の余地はない。彼らはそれに情熱を傾けているのだし、それは非常に良く理解できる。しかし、彼らは自分たちの間だけで話をすることに慣れすぎていて、問題となっている技術の「バリュープロポジション(価値の提案)」を外の世界に効果的に伝えることには失敗することが多い。実際、科学技術者は「バリュープロポジション」や「エレベーターピッチ(エレベーターでの移動中に終わるほど要を得た簡潔な説明)」といった言葉にいら立ちを見せるケースが多い。

要するに、セマンティックウェブが巨大で変化力のあるバリュープロポジションであることは疑いない。欠けているのは、魅力的なエレベーターピッチ(もちろん、連鎖的に動力伝達装置や発電装置が故障してエレベーターが8時間ほど止まれば別だが)なのだ。しかし、そのような奇怪な出来事だけでビジネスプランを構築することはできない。それに、熱く短気な VC からは初期資金はおろか一銭ももらえないだろう。

現在エレベーターに閉じこめられていない方は、Dan による分析のパート2をこちらでお読みいただきたい。


もしあなたが現在セマンティックウェブに関与している科学技術者か、あるいは関与していなくてもセマンティックウェブ(リンクデータ)の

1)大企業による社内利用、2)ビジネスへの価値提供、あるいは3)消費者による利用に興味があるなら、

われわれのセマンティックウェブサイトで Dan Grigorovici 氏が書いているこちらの記事をぜひお読みいただきたい。 

自称「データマニア」の Dan は、AOLの一事業部で、行動分析広告ネットワークを運営するTacodaのデータ戦略/分析担当バイスプレジデントだ。同氏によると、セマンティックウェブのコミュニティーは、首尾一貫した理解できる業務事例の作成に失敗し、同技術の商用利用を台無しにしているという。
セマンティックウェブのキラーアプリが登場する兆候が少しも見えてこないのは、その根底にビジネス上の焦点とシンプルな質問に答える基本的能力の欠如があるためだ。

Dan は以前からこの点を問題視しており、何らかの変な理由で存在論よりむしろあらゆる技術の事業案を頑固に重視し続ける多数のベンチャー事業投資家と先ごろ交わした会話からその推測が確認できたとしている。
7年以上前から救出を期待されてきたセマンティックウェブだが、われわれはまだこの簡単なことが分かっていない。われわれはユーザー、出資者、あるいはコミュニティーの外側に向けて、何を構築しているのか、そして(ますます大衆に受けてはいるが)「間抜け」で新聞のような現在の Web と比べてどこが優れているのかを説明できずにいるのだ。

筆者はLinkedData Planet カンファレンスに2日間出席して多数の講演を聞いたが、彼らには完全に同意する。参加している科学技術者らは自分たちの言葉で話しをしていて、セマンティックウェブを企業での利用、情報管理、そして事業価値と関連づけようとするときも、大半は、まるで外国語でも使っているかのようにビジネスの話ができていない。本当に価値があることは確かなのだが、筆者には、聴衆のなかのベンチャー事業投資家や最高経営責任者(CEO)が参加する気持ちになって会場をあとにしたのかどうか確信が持てない。

Dan の記事は、セマンティックウェブの科学技術者や起業家が外部に向けた売り込み方法を改善するのに役立つアイデアをいくつか提供しているが、同氏が本当に目指しているのは、「ビジネス分野から出てくる課題に向かい合い、これに対処する」ためにセマンティックウェブコミュニティーの内部で対話(いうなればコラボレーションだ)を始めることだ。

この記事はパート2が近々公開予定で、Dan もこの重要な問題について定期的に記事を書くことを約束している。今後にご期待いただきたい。

Berners-Lee 卿が見る Web の未来 (2008年06月18日)


LinkedData Planet に Tim Berners-Lee 卿が来ている。同卿は記者会見を終えたばかりだが、非常に早口だっため筆者の頭はまだ混乱している。しかも、同卿は頭脳明晰だ。今は「Web of Data」(Web のデータ網) という特別基調講演を行っているところだ。会場の Grand Ballroom は満員である。

およそ20年前に World Wide Web を創り出した同卿は現在、「Linked Open Data Movement」(リンクされたオープンなデータ)と呼ぶものに活動のターゲットを移している。現在のデータアクセス手法はこれから登場するものに比べて幼稚だ、というのが同卿の基本前提だ。これは、セマンティックウェブ(あるいは Web 2.0、あるいはリンクされたオープンなデータ)を使うことで、コンテクストを加味して情報にアクセスできるようになるためだ。さらに、同卿は具体的に次のように述べている。
ユーザーは、Web上のリンクされたデータを調査し、新しいデータソースを見つけられるようになる。
ユーザーは、興味深いパターンを見つけられるようになる。
マシンは、存在するデータのなかからマッチするパターンを見つけられるようになる
ユーザーは、これまで結びついていなかった情報源をまたいで問い合わせができるようになる。
ユーザーは、スプレッドシートで結果を分析できるようになる。
ユーザーは、タイムラインとマップの視点でデータを見ることができる。

筆者に言わせれば、よく利用する質の悪い Google 検索よりはるかに優れているように思う。

Berners-Lee 卿は、データのコンテクスト化が進むことによるセキュリティの問題にも言及した。具体的に、企業や組織は「リンクされたオープンなデータ」が発展すると独自情報が無防備になることを懸念している。同卿は、企業や組織が望まなければそのようなことは起こらないという。セマンティックウェブ技術が出現しても突破できないファイアウォールなどの各種セキュリティ対策はある(筆者はかなり省略しているが、同卿の話について行くのはとにかく難しい)。

だがありがたいことに、同卿は「説明するのは難しい。これはパラダイムシフトであり、当てはまる言葉はまだない」とも述べている。