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Amazon の新しい電子ブックリーダ「Kindle」が各方面で大きな話題になっている。したがって、ここに書き込む Kindle の論評は、Amazon による素晴らしいデバイスであり戦略だと思う、とだけにとどめておく。

そして代わりに、ここでは電子ブックの進化の歴史における Kindle の位置づけについて書きたい。筆者が出版業界に足を踏み入れたのは1971年だった。マイクロフィルムは既に登場してしばらくたっており、当時はマイクロフィッシュが新しかった。印刷された素材は1本のフィルムの代わりに「フィルムカード」に複製され、そこには96ページ分の印刷物が収まった。そして、1971年には「超マイクロフィッシュ」が発明された。超マイクロフィッシュは、微小フォーマットに約3500ページ分の印刷物が収まるマイクロフィッシュで、その発明は、The New York Times 紙の一面で報じられた。そして、ニューヨーク公立図書館が靴箱数箱分の超マイクロフィッシュに収まってしまう日が来る、といった予測も飛び交っていた。1970年代には、ポータブルリーダを使って超マイクロフィッシュを読み取れるポータブルデバイスも開発された。筆者は当時、出版社を創業し、学術図書館向けにマイクロフィルムやマイクロフィッシュのコレクションを論評する「Microform Review」という雑誌を出版していた。筆者はマイクロ出版の専門家になったのだ。また、筆者の博士論文のタイトルが「Scholarly Micropublishing in America: 1900-1980」であったことも付け加えておく。 この論文は、後にコネチカット州ウェストポートの Greenwood Press から出版された。

このような経歴がきっかけとなり、筆者は「情報配信」の各種形態に関してコメントしたり、報道する道へと進んでいった。1980年代はビデオディスク、光ディスク、そして革命的な CD-ROM の報道をしたり、トレードショー主催していた。1990年代前半には、「Electronic Books」というトレードショーを主催するようにもなった。このショーの主役が Apple から新しく出た「Newton」だった。これは、書籍を電子的に配布するための初めての試みだった。そして、ソニーをはじめとする各社から新たな試みが見られるようになっていった。

そこに登場してきたのが Kindle だ。筆者は、Amazon が決定版を出すまでに各方面から続々登場してくる多数の製品の原型になるのが Kindle だと思っている。