Ziff Davis による破産申請の悲話 (2008年03月07日)
Ziff Davis (ZD)は、1990年代における BtoB メディアの力の象徴だった。3月6日、その ZD が破産を申請した。この混乱に至るまでには紆余(うよ)曲折があった。多くの過ちが犯されただ。だが、1994年に同社を非公開投資会社の Forstmann-Little に売却した Ziff 一族が犯したものは1つもなかった。Forstmann は買収の約1年後に10億ドルの利益を出して同社をソフトバンクに売却した。そして、ソフトバンクが偉大な会社を組織的に破壊していった。
筆者は、ソフトバンクが ZD に破滅への道を歩ませるために行った異様でバカげたことをすべてここで並べ立てるようなことはしないが、一点だけ明らかにしたい。1990年代後半、ソフトバンクは ZD の売却を決めた。切り売りすることにした。将来に向けておそらく最も破滅的だったのは、Cnet に Web 事業部の ZDnet.com を売却し、何と同社に ZD のオンラインブランドを使わせ続けたことだろう。ZDnet は存続しているが、その宝の山は Cnet 帝国のなかに埋もれてしまった。だが、もっと重要なのは、Ziff Davis が同社の重要なブランドはもちろん、その Web 資産をも失ってしまったことだった。
そこに登場し、(トレードショーと ZDnet 以外の) Ziff Davis の買収を申し出たのがイリノイ州シカゴの Willis Stein Partners だった。筆者は、同じく今は消えてしまった Business 2.0誌の2000年9月号に、Willis Stein が ZD を約7億8000万ドルで購入したことは大きな過ちだったと書いた(同じ記事のなかで筆者は、英国の United Business Media についても、やはり IT 業界誌を出版する CMP Media を9億2000万ドルで買収した日を後悔するだろう、と予測していた)。この結論に至った一番の理由は、インターネット関連の資産が Cnet のものとなった今、ZD にはそこでの影響力がないからだった。筆者はまた、IT 系の業界誌の出版は完全に死を迎えようとしているとも考えた。しかし、Willis Stein は消費者向けの雑誌社で財務的に大成功を収めており、ZD でも同じ結果を得られると考えたのだ。彼らは、広告が Web へと流れ出す泥沼の未来が待ち受けているとは夢にも思わなかったのだ。さらに、ZDnet を失った分が決して取り戻せないこともほとんど分かっていなかった(Willis Stein はインターネットの未来に関して無知だった)。
さらに混乱する要素がある。ZD は先ごろ、Enterprise 事業部を Insight Venture Partners に売却している。このことはつまり、現在、Ziff Davis Media (破産)、ZDnet.com (Cnet の一部)、そして ZD Enterprise (独立)と、業界に ZD のような組織が3つもあることを意味する。もしかすると、Insight は新資産の改名を検討すべきかもしれない。
余談になるが、筆者は2005年の夏、当時3億5000万ドルの負債の肩代わりを条件に Ziff Davis (Enterprise と破産した事業部も含む)の買収を Jupitermedia を通じて持ちかけた。だが、その提案は拒否されてしまった。同社は8億5000万ドルの現金と負債の肩代わりが妥当な金額だと思っていたのだ。筆者は苦笑して交渉を終えたのだった。
