筆者は先ごろ、Ziff Davis Enterprise には広報とビジネスに問題があると指摘した。Ziff Davis Media (3社ある Ziff Davis ブランドのメディア企業の1つ)が先週破産申請を行った。かつてその名をとどろかせたこの ZD の名前が、ZD の3つのビジネスすべてに当分泥を塗る事態となっている。非公開投資会社 Insight 傘下となっている ZD Enterprise の名前も汚されてしまった。現在、平均的な広告代理店やベンダーは、「Ziff Davis ですか? 倒産されませんでしたっけ? 」というお決まりの反応を示すようになっている。

先日 Ziff Davis Enterprise の最高経営責任者(CEO)に任命された Steve Weitzner 氏は3月7日、ZD の経営悪化や破産の「うわさ」の火消しに 奔走 した。だが、同氏の書簡や請願は、おそらくなかなか人々には伝わらないだろう。一度汚された名前やブランドを元通りのきれいな状態に戻すのは難しいのだ。

このジレンマに Ziff Davis Enterprise がどのように対処するかはかなりの見ものになるだろう。



Ziff Davis (ZD)は、1990年代における BtoB メディアの力の象徴だった。3月6日、その ZD が破産を申請した。この混乱に至るまでには紆余(うよ)曲折があった。多くの過ちが犯されただ。だが、1994年に同社を非公開投資会社の Forstmann-Little に売却した Ziff 一族が犯したものは1つもなかった。Forstmann は買収の約1年後に10億ドルの利益を出して同社をソフトバンクに売却した。そして、ソフトバンクが偉大な会社を組織的に破壊していった。

筆者は、ソフトバンクが ZD に破滅への道を歩ませるために行った異様でバカげたことをすべてここで並べ立てるようなことはしないが、一点だけ明らかにしたい。1990年代後半、ソフトバンクは ZD の売却を決めた。切り売りすることにした。将来に向けておそらく最も破滅的だったのは、Cnet に Web 事業部の ZDnet.com を売却し、何と同社に ZD のオンラインブランドを使わせ続けたことだろう。ZDnet は存続しているが、その宝の山は Cnet 帝国のなかに埋もれてしまった。だが、もっと重要なのは、Ziff Davis が同社の重要なブランドはもちろん、その Web 資産をも失ってしまったことだった。

そこに登場し、(トレードショーと ZDnet 以外の) Ziff Davis の買収を申し出たのがイリノイ州シカゴの Willis Stein Partners だった。筆者は、同じく今は消えてしまった Business 2.0誌の2000年9月号に、Willis Stein が ZD を約7億8000万ドルで購入したことは大きな過ちだったと書いた(同じ記事のなかで筆者は、英国の United Business Media についても、やはり IT 業界誌を出版する CMP Media を9億2000万ドルで買収した日を後悔するだろう、と予測していた)。この結論に至った一番の理由は、インターネット関連の資産が Cnet のものとなった今、ZD にはそこでの影響力がないからだった。筆者はまた、IT 系の業界誌の出版は完全に死を迎えようとしているとも考えた。しかし、Willis Stein は消費者向けの雑誌社で財務的に大成功を収めており、ZD でも同じ結果を得られると考えたのだ。彼らは、広告が Web へと流れ出す泥沼の未来が待ち受けているとは夢にも思わなかったのだ。さらに、ZDnet を失った分が決して取り戻せないこともほとんど分かっていなかった(Willis Stein はインターネットの未来に関して無知だった)。

さらに混乱する要素がある。ZD は先ごろ、Enterprise 事業部を Insight Venture Partners に売却している。このことはつまり、現在、Ziff Davis Media (破産)、ZDnet.com (Cnet の一部)、そして ZD Enterprise (独立)と、業界に ZD のような組織が3つもあることを意味する。もしかすると、Insight は新資産の改名を検討すべきかもしれない。



余談になるが、筆者は2005年の夏、当時3億5000万ドルの負債の肩代わりを条件に Ziff Davis (Enterprise と破産した事業部も含む)の買収を Jupitermedia を通じて持ちかけた。だが、その提案は拒否されてしまった。同社は8億5000万ドルの現金と負債の肩代わりが妥当な金額だと思っていたのだ。筆者は苦笑して交渉を終えたのだった。





2001年当時の発言 (2008年03月06日)


筆者は定期的に Google を使って自分の情報をチェックをしているが、2001年のデータからこのような 記事 を見つけた。2001年というと9.11ばかりが思い出されるが、インターネット業界を中心に景気が低迷していた時期でもあった。1990年代からインターネット関連の価値が急落し、多くの悲観論者がインターネットの将来に落胆していた(ここでも再度付け加えなくてはならないのだが、J.P. Morgan Private Bank の友人は、この時インターネットの死を信じてわれわれの Internet Venture Funds を整理してしまった)。

今も、再び景気が低迷している。今回はインターネットに疑問を抱く人はいないが、多くの自称権威者は、「われわれはもうすべてを見てきた」と考えているに違いない。だが筆者は、インターネットに関して言えば「われわれはまだ何も見ていない」と言いたい。だから、筆者は2001年の前述のリンクを披露できることをうれしく思う。

歴史とビジネスを理解するカギは周期だ。すぐに身動きが取れなくなくなるようではだめだ。それよりも、過去と未来を見ながら信念を貫くことだ。物事は見かけより決して悪くも良くもないものだ。

 



TechCrunch にリンクデータとソーシャルネットワーキングに関する良い書き込みがあった。「お友達リスト」はだれのものか、というのがそのテーマだ。Web の父である Tim Berners-Lee 氏も、このトピックに熱心に参加し、お友達リストはユーザーのものであり、ソーシャルネットワーキングサイトのものではないとしている。

Jupitermedia は、その記事で今後有望なリンクデータとセマンティック Web をほかのどこよりも良くカバーしている。われわれには Semantic Web サイト、DevX の Semantic Web Zone、そして Linked Data Planet という新しいトレードショーもある(Berners-Lee 氏が初開催時の基調講演を行っている)。

リンクデータとセマンティック Web は、今後ますます耳にする機会が増えていく言葉だろう。そして、急速に発展するこの熱い分野の最新情報収集は Jupitermedia が最適だ。

つい先日の話 (2008年03月03日)


Clinton 氏と Obama 氏の選挙運動では、2月に合計8500万ドルの献金が集まった。しかも、その大半がネットから集まったものだ。1990年代半ばを振り返ると、当時はユーザーが Web でのクレジットカード使用を安全と考えるかどうかがインターネットの未来に向けた重大な懸案事項だとされていた。何とも隔世の感がある。

この過去の話題を持ちだすのはおかしな感じもするが、筆者は数週間前に出張でインドを訪れた際、典型的なインドのインターネットユーザーが今これと同じ懸念を抱いていることに気付いた。

今日、われわれの多くは数年の間に起こる出来事を当然のことのようにとらえている。そしてもちろん、インターネット上でのトランザクションは今後数年で今日の電子商取引など問題にならないほど幅広く利用されるようになるだろう。Skuair」という興味深いアプリケーションをご覧いただきたい。携帯電話上での業務活動では、こちらをはじめとする多くの企業が先頭に立っていくだろう。

携帯電話上でのコンテンツやビジネスの最新情報が知りたい場合は、この話題を網羅したわれわれのサイト、MobileContentToday および SmartPhonesToday をご覧いただきたい。