あらゆる電子製品に必要な部品である「プリント基板」のECサイトを運営されている株式会社インフロー、代表取締役 田坂氏にインタビューをしました。(取材日:2007/10/31/聞き手:PDB吉岡勇紀)
--初めに事業概要を教えていただけますか?
" 当社では、プリント基板のインターネット販売サイト「P板.com(ピーバンドットコム)」の運営をメインに行っています。プリント基板というのはパソコンの中などに入っている緑色の板で電子部品と電子部品をつなぐケーブルのようなものです。電気で動かしている製品にはほぼ100%利用されています。
2002年4月に会社を立ち上げ、2003年4月にサービスを始めたのですが、ユーザー登録数は12,000名弱、取引社は5000社以上になりました。大口のお客様より小口のお客様とたくさん取引をしています。当社ではこのプリント基板を大手のメーカーが試作品を作成されたり、中小のメーカーが医療機器や検査機器などを作られたりする際に購入していただいています。
ビジネスの流れは、自社では工場を持たずファブレス形態で、お客様から設計データを受け取り、お客様の要望に基づき、国内外の最適な工場で製造するという形を取っています。設計、実装、製造という流れの中の設計と実装は日本で行い、製造は日本、韓国、台湾、中国で行う仕組みです。小ロットのオーダーメイド方式で対応できるのが当社の強みです。
他にも、「@ele(アットマークエレ)」という電子・電気のエンジニアに特化したSNSサイトを4月に開設しました。エンジニアの皆さんは、新しいプリント基板を作るときに、実現したい機能を考えて回路図というものを設計します。回路図は実際に試してみないとわからないところがあるので稼動実績のある回路図を専門書、専門誌などを参照して勉強するというのが一般的です。ブログなどで公開している方もいるのですが、網羅的に情報が整理されていませんでしたので、データベース化を意識してこのサイトを作りました。回路図は機密情報と関連している部分も多くありますので、大企業というよりは、個人や個人事業主の方を現在はターゲットにしています。" |
--起業のきっかけは?
私は、以前ミスミという専門商社で働いていました。会社が半導体EC事業から撤退するということに伴い、半導体EC事業の執行役員から声をかけられたことがきっかけで事業を立ち上げました。プリント基板は国内と国外での価格差が大きく、設計データを顧客からもらってから作り始めるので在庫をもつ必要がない、当時は競合がいなかったという理由から総合的にリスクが低く早く立ち上がると判断し決心しました。 |
--今後の成長戦略は?
P板.comは、今まで小ロット、低機能の基板に限っていたのですが、最近では量産品への対応も開始しました。お客様の増加に伴い高機能なものに対する需要も増えてきており、実際既に高機能なものの取り扱いもテスト的に行っています。当社の取り扱い可能な製品の幅を広げていくことで、今後はプリント基板全体のワンストップショッピングを進めていきたいと考えています。
@eleもニッチなSNSですが、会員も増えてきて現在1200名ほどのコミュニティーに育ってきています。ブラウザ上で回路図を描けるお絵かきCADというものも作り、会員がブラウザ上で回路図を描きながら情報交換ができるようにしています。エンジニアの方々のアイデア、意見交換が活発となることで、当社にとっても重要なデータベースとなってくると思っております。
アイデアを登録するとネットマイルが貯まるようにするなど、情報交換が活発になるような仕掛けをこれからも提供していきます。
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--具体的な目標は?
今後、P板.comに関しては海外での展開を考えています。最初は海外の日本法人に発送するという形で始めていきたいと思っています。 @eleを専門性の高いコミュニティーとして活性化させ、会員の方々が作った作品・製品を公開し販売にまで繋がるようにしていきたいと思っています。そうすることで、設計者の方が設計に注力できる環境を提供し、ビジネスを生み出して利益を得るようなモデルまで育てていきたいと思います。
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--事業への思いは?
日本は化石燃料といった資源がないので、輸入した原材料を加工して付加価値を付け売っていかなければならないと思っています。当社では電気や電子のエンジニアが付加価値を付けていく部分を支援するサービスを提供していきたいと思っています。
ただ、既存のサービスの延長のような取り組みではなく、インターネットを使うことでしか提供することができない、今まででは考えられないようなサービスを提供し事業を展開していきたいと思っています。お陰様で、昨年は売上も6.5億、今期は10億円という大台に乗ることを目指しています。これからも組織の一人一人を成長させ、皆様にわくわくしていただける、新しい価値を提供し続けたいと思います。
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