マッキントッシュに特化したパッケージのオンラインストレージサービス「MacServer」を展開する株式会社ねこじゃらしの代表取締役川村ミサキ氏にインタビューしました。(取材日:2007/10/18/聞き手:PDB 土屋 明子)


--■御社の事業内容について教えてください。

「MacServer」というマッキントッシュに特化したパッケージのオンラインストレージサービスを主力としています。現在利用者は2000社以上おりまして、毎月利用者は拡大しております。利用者は個人から大企業まで様々なので、幅広いユーザーに取り扱ってもらっています。
当社はマックとネットワークを専門に事業を行っていますので、社内のマックの保守や購入のコンサルティングなどのサービスのニーズも多く同時に展開しています。こちらは、現在は取引先から頼まれた時に引き受ける程度で、本格的には稼動していませんが、今後この事業が大きくなったら本格的なサービスとして提供していこうと考えています。

--■起業の経緯について教えてください。

マックは現状ウィンドウズと比べるとインターネット上のサービスが整っておらず、企業ではなかなか使いづらいというのが現状です。もともと僕は音楽や映像制作をやっていまして、当時現場はみんなマックを利用していました。実は映像や音楽などの制作している人達が一番データをやりとりする回数が多いんのですが、世の中にあるのはウインドウズのサービスばかりで「一番使いたい人が使えていない」現状に気づきました。そこを自分たちで何か改善できるのではないかと思ったのがこのサービスを始めたきっかけです。
しかも、このようなサービスは企業として検討・開発することは難しいのではと思います。恐らく、マックは現場の人達が使うことが多く、経営者はマックをどう使えばいいのか分からないので、現場の人達の提案は上に行きづらいのではないでしょうか。後はマック、そしてネットワークにも詳しくなければこのビジネスは出来ないというのも壁になるでしょう。そうすると、このサービスの必要性に気付いたとしても実際に行動に移すことが難しくなってしまうという現状があります。
私はその点、自分の欲しいものを作りたいという想いがありまして、最初の頃は自分と身の周りの人が使えればいいと思っていました。ただ実際に友人に利用してもらうと評判が良く、「これなら一般化した方がいいよ」「サービス化したほうがいいよ」と言われるようになり、その声に押されて事業を始めました。


--■今後どのような成長戦略をお考えでしょうか。

当初は私1人でやっていたので、開発から運用まで全部1人でやらなければならず営業をする時間がありませんでした。しかし今は専門の方にも来て頂き分業が進んできたので今後は、私はサービスの拡大に力を入れていきたいと考えています。
当初は、個人クリエイター対象のサービスだったのですが、一般企業が利用しづらいということで、企業向けのサービスも始めました。そうすると「Mac Server Pro」でも消化しきれない程の大企業に契約して頂いたり、1つのサーバを様々な会社で共有して利用して頂くことになるため、セキュリティー面での問題をクリアするためにも、今後は「1社専用のシステム」を提供していく予定です。
今後もマックに特化して展開していくと思いますが、私としてはそこだけにこだわっているわけではありません。「クリエイターにとって最適なものを提供したい」という想いが強いので、今は多くのクリエイターがマックを使っているからマックに特化させているのです。お客様からの要望も、絶対に無理なもの以外はできるだけ全て取り入れ改良しています。現在自社のサービスの特徴の1つでもあるのが、「取引先ごとにパスワードを発行し、制限したフォルダでデータのやりとりができる」という機能があります。これは、例えば取引先が10社あれば、10個アカウントが作れる機能なのですが、そういった機能もお客様の要望から生まれたサービスです。この点でアップルと比較すると弊社は、小回りが利いてすぐにサービスを改良できますし、日本の現場に合ったものを作ることができる、そこが強みですね。
今までやってきて分かったのですが、やはりビジネス的にみてニッチ事業は強いです。その証拠に、弊社では解約する人がほとんどいないということが挙げられます。しっかりと現場が理解していればニッチ事業はすごく安定していることが分かって頂けるでしょう。今後は、サービスを拡大し、販売と絡めて保守サービスなども展開していきたいですね。
また、今はデータの監守が厳しくなり、ハードディスクの破損でデータの消滅などの危険性も高まっており、今後バックアップやセキュリティーサービスの需要が更に高まってくるでしょう。以前はバックアップなどコストが高かったものも、今は安価になりつつあるので扱いやすくなりました。ただ現実は、モノがあってもユーザー側に使うスキルがないという場合もあります。例えば、今や音楽映像をテープに保存しておくことはなく、全部デジタルのファイルに保存することでデータの重要性はどんどん高くなってきていますが、一方でクラッシュしたら一瞬でデータを失う可能性がでてきます。このようなデータの保護の部分で弊社が全面的にコンサルし、「弊社のサーバに定期的にネットワークで転送します」と一度設定さえすれば、サーバを稼働させておくだけで保守料金を頂くようなサービスも作ることができます。このようにクリエイターのデータの保護もからめて、今後は更にサービス内容も広げていく予定です。

--■最後に、今後の御社の展望、そして川村社長ご自身の夢についてお聞かせください。

5年内にIPOを目指します。そのためにはまず弊社の人材育成が1つキーポイントになりますね。また、このままでは市場が狭いので上場しても投資家の方たちには評価して頂けないでしょう。ですので、上場するにあたってはMacのストレージサービスから、よりマーケット規模の大きなサービスを提供していく必要があります。iPod、 iTuneなどは市場規模が大きいので、そこでも新に取り組みたいと将来的に考えています。また、世界を見ても弊社のようなサービスを扱っている企業がほとんど存在しませんので、人材とノウハウが蓄積されれば世界進出も夢ではないと思います。
私も元は製作者側にいた者なので、クリエイターにとっての道具のひとつとして「意識せず」、「手足のように」使って頂けるサービスを提供していきたいと思っています。
また、弊社のサービスが「ウェブサービスのAdobe」であり「クリエイターサービスとしてのグーグル」でありたいです。クリエイターならば誰でも当たり前に使うツールを目指していきたいですね。

■株式会社ねこじゃらしの企業概要

社名:株式会社ねこじゃらし
代表者:川村ミサキ
資本金:1725万円
住所:〒113-0033  東京都文京区本郷1-7-10 AK2ビル4F
TEL:03-5844-4600
FAX:03-5844-4601
URL:http://www.nekojarashi.com/
事業内容
1、「Mac Server」の開発、販売
2、Macシステムインテグレーション
3、Macシステムインテグレーション
4、Webマーケティング

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