化粧品、石鹸などの基礎研究から、応用開発、製造までを一貫して手掛ける株式会社サティス製薬の代表取締役 山崎 智士氏にインタビューしてきました。(取材日:2007/11/16/聞き手:PDB吉岡)


--現在の事業内容をお教えください。


弊社の事業の基本の柱は化粧品の研究開発及び受託製造です。各化粧品メーカーに対して、当社で研究開発をした新たな素材の企画提案を行い、開発から製造まで一貫した流れで提供しています。化粧水や乳液、石鹸といったものを製造しています。

製造メーカーは全国に登録上では6000社くらいありますが、その中で実際に自社工場を使って、原料を加工し製品として仕上げている製造会社は、その中で2〜300社ではないかと言われています。研究開発を含めてすべてを実行可能な企業はさらに、その中の一割程度、2?30社しか存在しません。

さらに言えば、その2?30社がやっているのも基本的には開発です。「研究開発」は研究と開発に分けられ、研究というのは基礎となる機能・効能を発見していく作業、そして研究成果から新製品を作っていくのが開発です。皆さんが名前を知っているような大手化粧品メーカーも、自社で研究開発から製造販売まで行っていますが、製造会社の中で「研究」段階を手掛けている企業はほぼ皆無です。当社であれば、依頼から各素材を追いかけ、オリジナルの素材を作る、特別な成分を抽出するという事も可能なのです。

 こうした当社の研究成果を認めていただき、年間に新規で30社程度ご契約いただいており、工場の稼働率も100%を上回る状況です。クライアントは大手、中小の化粧品メーカーであったり通販会社であったり様々です。化粧品業界とは何の関係も無かった異業種の企業様が新たな事業として化粧品事業を立ち上げることが多くあることです。こういったニーズが新規の約70%を占めております。

--今注目されている研究対象を教えていただけますか?


難しい話になってしまいますが、一つ追いかけているのはタンパク質です。ありとあらゆるアミノ酸の組み合わせを作り、使えるものと使えないものとをスクリーニングし実用性の高いタンパク質を突き詰めています。最近では、例えばシワの改善に大変効果のあるものが見つかり、ある大手製薬メーカーで採用されています。

あとは微生物の分野での研究開発です。世の中に存在している微生物の中で微生物辞典に載っているのはわずか1%だけしかありません。残りの99%の微生物を探し出して、その中から有効な成分を取り出すことで発見できる医薬成分はまだまだ無限にあります。微生物の研究は難しい反面、大手と肩を並べてやっていく事が出来る非常に楽しい研究分野でもあります。

-- 起業に至った経緯は?


以前に勤めていた会社で、上司が新しく会社を作ろうと言い出し、声をかけられたのが始まりです。六人で会社を始める予定が最終的に私とリーダーだけとなり、会社設立の準備が整った段階で、リーダーまでヘッドハントされ、一人になってしまいました。準備をしてしまったのと、既に資金も投下していましたので、投げ出さずにちょっとやってみようかなと思い一人での起業となりました。

始めの頃は国立大学の医学部の研究室で、研究開発において研究開発とともに事務の申請代行事業などを並行して行いやり繰りをしていました。申請代行等をやりながら研究で成果をだし、オリジナルの技術で特許も取っています。成果が積み重なるにつれて特許取得前の情報の管理の問題もあり、約五年前に自社の工場を作り委託製造を止めて自分達で製造を始めるようになりました。

--今後どのような成長戦略を考えていらっしゃいますか?


会社全体のスローガンとして「技術日本一」を掲げています。まずは日本の中でサティス製薬には敵わないという認識をしっかりと確立し、世界に目を向けていきたいと考えています。

さらに2008年の1月か2月には自社のオリジナルブランドのスタートが切れる予定で、積極的にやっていく方針です。働く女性をコンセプトにブランディングしていく予定です。

製造メーカーが自社ブランドを持ち、自社名で展開する事はタブーですが、敢えてサティス製薬ブランドを世に送り出していきたいと考えました。商品に絶対的な自信を持っている事と、今後はサティス製薬のファンを作っていきたいと思っています。

例えば現行の制度において「シワに効く」としている商品の効能に、科学的実証がないと販売してはいけないかというとそうではなく、規制がありません。当社であればそういったデータもしっかり見せられる反面、その分のコストが必要となります。我々がタイアップしていくお客様の商品パッケージにサティス製薬の名前を入れていただく事で、科学的実証のある本物志向の販売者であることを証明することができるように、会社のブランティングをこれからやっていきたいと思っています。

また、こうした自社ブランドの企画などには、普段、研究開発を行っているメンバーが中心となって関わってくれています。消費者と向かい合って商品の受け渡しをする=通信販売での展開というのが我々のブランドに唯一ついている条件です。消費者とコミュニケーションを通じて商品企画まで意識した研究開発が行えるようになれば、研究開発チームの視野も広がるのではないかと派生効果にも期待しています。

本業の受託開発・製造事業においても、これまで行ってきた化粧品業界へのプロモーションからさらに、潜在的な需要をもっと掘り起こすべく、様々な異業種から化粧品業界への参入支援を活性化させられるよう幅広くプロモーションを行っていきたいと思います。これは出来れば業界全体を巻き込んで大々的なものにしていきたいと思っています。

■株式会社サティス製薬の企業概要

社名:株式会社サティス製薬
代表者:山崎 智士
設立:1999年12月
資本金:5100万円
住所:〒342-0056 埼玉県吉川市平沼1680
TEL:048-984-6433
FAX:048-984-6430
URL:http://www.saticine-md.co.jp/

事業内容:
1.化粧品、医薬部外品の企画、処方開発及び受託(OEM)製造
2.各種石けんの企画、処方開発及び受託(OEM)製造
3.医科向け外用剤の処方開発及び受託(OEM)製造
4.製剤試験の受託
5.基礎研究
6.化粧品・医薬部外品の輸入代行及び検査業務

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