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【Internet World 2000: Internet セミナー】

谷本 真由美 ニューヨーク特派員
 
 
イベントの中心はネットワーキング? 月曜日から金曜日までは、連日さまざまなネットビジネスフォーラムが開催された。月曜から火曜は「E-コマース戦 略」に焦点を当てたフォーラムが中心。水曜日から金曜日は、業界の注目を浴びる「ワイヤレスインターネット」、 「ネット企業への投資」、「インターネット ファイナンシャルサービス」、「One-to-One マーケティング」に関連し たフォーラムが催された。

会場を襲ったモバイル熱 参加者が会場からあふれるほど盛況だったのは,「ワイヤレス」関連のイベントであろう。ワイヤレスに関する会議は、 主に中日の水曜日に集中した。

アメリカでは、オフィスでも家庭でもネット接続が格安、デスクトップコンピュータが格安で手に入る、という事情が あり従来モバイルへの関心は低かった。しかし、今年に入ってやっとワイヤレス機器の重要性が理解されてきたよう だ。

ネットビジネスが第二世代へ その背景には、ネットビジネスが第二世代へ突入しつつある、という市場の認識がある。個人のパソコン使用率が世界 一、ネット接続比率が世界一のアメリカでも、ワイヤレスは新たなビジネスユーザー・消費者へのチャンネルである、 との認識が一般化した。また、最近不調なE-コマースの「リエンジニアリングブーム」が、ワイヤレスビジネスモデル 人気を促進しているともいえるだろう。

ハードウェアの進化 さらに、Palm に代表されるハードウェアの進化も大きい。今や、PDA はできるビジネスマンのステイタスシンボルとな りつつある。日本で一般的なのは、携帯電話のキーを起用に親指で押す学生の姿だが、マンハッタンで目立つのは PDA で詳細なビジネススケジュールを立てるさまざまな世代のビジネスマンである。1年前なら考えられなかったことだが、 PDA を使ったメールの送受信、BtoB 取引はいまや日常的に目にする光景になった。

ワイヤレスのターゲットはBtoB 水曜日午前9時からの「ワイヤレスインターネットフォーラム」には、開幕前から足を運ぶ熱心な業界関係者の姿が目立 った。

「ワイヤレスは革命の担い手」 フォーラムは、MIT Media Lab の Sandy Pentland 教授のプレゼンテーションで幕を開けた。プレゼンテーションの 冒頭で、「インターネットは、さらに今後以下4つのに大きな影響を及ぼす。その4つとは、経済システムの混乱、IT とバイオテクノロジーの関係、人間の行動様式、さらには新たなビジネスプレーヤーの台頭、である」と教授は語っ た。

教授は、「インターネットが引き起こしている経済革命は、19世紀の産業革命と同様で、ワイヤレス技術の発達は革命 をさらに進めていくだろう」、と強調した。さらに、「ワイヤレス技術は、インド・北アイルランドの企業が新たなプ レーヤーとして活躍する場を提供している」、とスライドを交えて説明した。

「日本モデルはアメリカでは通用しない」 その後の正午まで行われたフォーラムでは、パネリストの、Organic CTO、 Matthew Bernardini氏、 US Interactive CTO、 Ajit Prabhu氏、Luminant World Wide Persuasibe Computing Principle Chetan Sharma 氏、Agancy.com Global Marketing Vice President Peter Kestenbaum氏、が「M-business」(モバイルビジネ ス)について活発な議論をおこなった。

フォーラム中、パネリストが共通して指摘した点は、以下まとめられる。(1)M-ビジネスはWebビジネスとビジネスモ デルが異なる, (2)システムの信頼性に十分注意すべき、(3)コンテンツをユーザーのニーズに合わせる、(4)実際 に金銭を伴う取引を行うのか、それとも情報を提供するだけかなのかはっきりする、(5)まだ通信速度が遅いので、シ ンプルなアプリケーションを採用する、(6)地域によるユーザーの嗜好の違いを考慮する、(7)Fortune500以内の、 大企業を顧客にする。

どのパネリストも NTT DoCoMo のi-モードについて触れた点が目立った。「北米地域は、ERPや金銭取引を伴うビジネ ス目的でワイヤレスインターネット使用したい顧客が多い。そのため、日本や北欧のようにアニメをダウンロードでき るといったサービスを提供しても、ビジネスとしては成り立つ可能性が低い。」といった意見が聞かれた。

イベントの中心は? 今回のイベントの中心は、展示よりもむしろこのようなビジネスフォーラムにあったといえるだろう。イベント自体 は、一週間に過ぎない、とはいっても変化の激しいネット業界のビジネスマンにとって、その数日をいかに有効に使う かは投資分析と同様重要。わざわざ旅費と、貴重な時間を使って会場に足を運ぶ目的は、新しいMP3 プレーヤーをチェ ックする為ではない。「投資家探し」、「自らのビジネスアイディアの売りこみ」、「業界のトップとのビジネスアイ ディアの交換」にその目的がある、といえるだろう。

そのため、参加者の熱気はめいっぱい。参加者は「投資費用効果」に敏感なビジネスマンである。スピーカーもおちお ちしていられない。参加者は、満足できるプレゼンテーションではない、と見るや否やスピーカーが講演中であって も、鋭い質問を投げかけるからだ。講演を「拝聴する」という雰囲気はまったくない。

売りこみに必死 さらに、プレゼンテーションが終わる否や、かなり多くの参加者がテーブルにかけより、スピーカーにビジネスアイデ ィアを売りこむ。驚くのは、スタートアップのオーナーであろうが、インテルの部長であろうが、スピーカーがどの参 加者にも熱心に対応するということである。就職の斡旋まで頼む参加者までいるのは驚きだ。

秘訣はネットワーキング 日本からアメリカのトレードショウに参加する場合、新製品をチェックするだけではなく、このような機会を多いに利 用すべきだろう。前向きに働きかければ、外国からわざわざやってきたビジネスマンに耳を傾けてくれる企業は意外に 多いものだ。現に、インド・シンガポール・ロシア・北欧各国の参加者はブースでも、フォーラムの会場でも売りこみ に熱心であった。ポイントは、いかにフレンドリーに、さらには前向きに自分を売りこめるかであろう。さらに、イベ ントの後のネットワーキングパーティへの参加も怠らないのが、業界トップに顔を売る秘訣であろう。
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