隠れていたキーワードわれわれが普段使っている日本語には、ひらがな、カタカナ、漢字と、
表記上幾つかの種類が存在し、
同じ単語でも、その表記の違いによって、
一見した際に受ける印象がかなり違うのはよくあることだ。
それぞれの単語には各々スタンダードな表記が存在するはずであるが、 それをあえてイレギュラーな表記にすることで、 やわらかい印象を与えたり、逆に硬い印象を与えたりすることができる。 表記の違いによってインパクトを与えるレトリックは、 広告などでよく使われる手法であるが、 Web サイトも同じく、各々のサイトのイメージに合わせて使用する表記を変えているケースがしばしば見受けられる。 例えば、ペットに関する情報を扱う Web サイトの場合、 「ペット=かわいい、癒される」といったイメージからか、 暖かい色使いの可愛らしいデザインのものが多く、 サイト内の表記も、例えば「犬」であれば「イヌ」や「いぬ」、 「猫」であれば「ネコ」もしくは「ねこ」といったように、 あえて漢字でなくカタカナやひらがなで表記することで、 やわらかいイメージに仕上げていることが多い。 もちろん、サイトのイメージに合わせて表記を変えるの非常に重要なことである。 しかしながら、Overture、Adwords などのテキスト広告で検索エンジンからのトラフィックを考える場合、 Web サイトのイメージに合った表記の他に、 ユーザーがどのような表記で最も多く検索しているか、 という問題を考慮して入札を行う必要が生じるだろう。 上記、「犬」の場合を考えてみると、 2003年6月の1か月間の Overture 推定検索数は「犬」→170477回、 「いぬ」→21123回、 「イヌ」→3685回となっており、 カタカナやひらがなより漢字のほうがはるかに多く検索されていることが分かる。 また、「猫」の場合は、 「猫」→70766回、「ねこ」→24295回、「ネコ」→8329回となっており、 推定値であるという前提を差し引いても、 やはりカタカナやひらがなと比べて漢字のほうが数倍も多く検索されている結果を見ることができる。 同じ単語でここまで検索数が違うというのは、 いったいどういうことだろうか。 ここで考えられるのが、 FEP ソフト(文字変換ソフト)の変換順序である。 Windows パソコンが大きなシェアを占めている現在、 Windows に標準で組み込まれている MS-IME という文字変換ソフトの変換順序は、 検索クエリとして入力されるキーワードの表記に、 少なからず影響を及ぼしているのではないだろうか。 先ほどと同じく「犬」の例で見ると、 IME の変換順序は標準で「犬」→「いぬ」→「イヌ」となっており、 「猫」に関しても「猫」→「ネコ」→「ねこ」の順で、 どちらも漢字が一番先に変換される。 先ほどの検索回数と見比べてみると、 「犬」「猫」どちらの例でも一番先に変換される漢字表記が、 一番多く検索として使われていると言えるのではないだろうか。 特に「犬」の例に関してだけ言えば、検索順序と検索回数は見事に比例している。 漢字、カタカナ、ひらがな、 それぞれで無理なく表記できる単語は意外と多い。 食料品、嗜好品、家具など、 物品に関する名称に多くその傾向を見ることができるだろう。 入札するキーワードが漢字、カタカナ、ひらがなでそれぞれ考えられる場合は、 サイト内で使われている表記以外も、 漏れずに入札しておくことが重要になってくると考えられる。 文字変換ソフトは頻繁に変換される表記を優先的に表示させるので、 慣れ親しんだパソコンではどの表記が一番先に変換されるのかを判断するのは難しいかもしれないが、 もしあなたが、あるキーワードに対して一つの表記しか入札していない場合、 そのキーワードを再度変換し直してみてほしい。もしかしたら、隠れていたキーワードが見つかるかも知れない。 (執筆:岡田吉弘、監修:信太明) 記事提供:アウンコンサルティング株式会社
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