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Webビジネス2003年10月14日 00:00

「デザイン」と「コンテンツの質」との両立について

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たとえば、これから SEO をあるサイトに対して私が行おうとする。 SEO の作業といえば、 ターゲットとなるキーワードをクライアントに聞いて、 その内容に沿って様々な作業をしていくというものだ。 これは検索結果とサイトデザインを両立させるという葛藤も孕んでいる。

具体例を挙げてみよう。

SEO について少しでもご存知の方なら、 以下の行為があまり強く推奨されないことはお分かりだろう。

・FLASH などの使用
・テーブルなどの複雑に組み過ぎている状態
・JAVA SCRIPT などよけいな記述

これらに対して改善の提案を行わねばならないとき、 デザイナーの許可が得られない場合も現実には数多くある。 往々にして我々の提案はデザイナーにとっては良くないことになってしまうのだ。

例えば、 古い話であるが、 table タグなどは黎明期 HTML におけるデザインの革命を起こしたといわれている。 通常 body タグ内に文書を書くと、 「左揃え」「中央揃え」「右揃え」しか選択できない。 これでは無愛想なページになってしまう。 レイアウトという観点からも、 今日の Web デザインにとって table タグは欠かせないのだ。

FLASH などについても、 小さな容量でダイナミックな効果を演出できるとあって、 人気の衰えないツールである。

また、JAVA SCRIPT と聞いて思い浮かべるのは「ポップアップ広告」や「マウスオーバー(ロールオーバー)」であろう。 ポップアップは広告であるからデザイナーにとっては関係ないものの、 マウスオーバーなどは欠かせない効果になっているため、 「これを外してください」と提案するのは、実際には不可能であることが多い。

すなわち SEO の作業とは、 デザイナーやクライアントとの折り合いのつけ方で、 仕事の仕方がだいぶ変わってくるのだ。 どこまでやって良いか許可される範囲次第であるものの、 現実にはサイトのイメージを壊してしまうほどの SEO を希望される方はいない(いるわけもないが)ので、 常に既存のデザインの中で改善できる場所を探していくという作業になっている。

このように、 SEO とはデザインの低下にもなりうる作業であると同時に、 デザインを低下させないでどの程度まで現状を改善できるか、 というジレンマを常に抱えている。 これが今日の Web の現状であり、SEO の現状でもあるのかもしれない。

さて、ここで本題に入りたい。 「SEO の作業はデザイン低下を孕む葛藤である」という文を、 以下のように言い換えてみたい。

「SEO の作業は、 優良なページがあふれていたインターネット黎明期に戻す作業である」

暴言とも取れる内容であるが、とりあえず以下をお読みいただきたい。

Web は HTML の発展によってデザイン性も向上し、見てくれも良くなった(良くすることができるようになった)。 しかし、本来は Web は、 ARPANET というネットワークを起源に持つことからもわかるように、 学術情報など優良な情報を共有するためのネットワークであった。 学術、軍事に関する研究者のための情報共有であったものが、 今では商業ベースのネットワークに変わりつつある。

誰しも心あたりはおありだろう。 メールボックスを開けば、SPAM メールが沢山あり、 Web ページを見ればバナー広告だらけだ。 自分の望む情報は本当に得られているのかと問いたくもなる。

WWW の情報量は膨大である。 しかし、全体として情報の「質」は向上したのだろうか。 私は日頃から疑問に思っている。 必要な情報や、情報の「質」については定義は個人によって様々であろう。 しかし、望まないページを彷徨うネット初心者は「難民」ともいえるのではないか。 その意味では WWW という情報ネットワークに存在する膨大な情報の質は、 低下しているといわざるを得ない。

GOOGLE などの検索エンジンのクローラーが好むのは、 ご存知のようにテキストベースのファイルである。 しかし、情報の質という観点から考えるとこれは致し方ないことなのかもしれない。 SEO が目指す理念(別に我々の Web ページに対する理想というわけではないが)というのも、 GOOGLE のそれに一致するのである。

かつての検索エンジンの発展は SPAM との戦いの歴史でもあった。 3年前と現在の検索エンジンにおけるページ評価のアルゴリズムは、 大きく異なっている。 それは GOOGLE が、 検索結果において優良な情報を含んでいるページを表示させたい、 という努力を続けてきた結果によるものであろう。

その結果が、読者もご存知の PAGERANK の導入である。 PAGERANK の導入結果の是非は読者の判断にお任せするが、 PAGERANK そのものは、 シンプルなアイディアでありながら有効な手段であると私は考える。 これによって、 検索エンジンの歴史から SPAMMER の存在がかなり排除されたことは事実である。

しかし、Web ページのデザインの自由度の確保と検索エンジン上位表示との両立が困難になってしまったことも事実ではなかろうか。

ARPANET の時代と現在の WWW では、 用途そのものが変わってきているように思う。 情報の質という清濁併せ持つ WWW 空間において何を得るかが、 個人個人の技量と目的意識次第で変わることもまた、感じている。

ARPANET 時代に、 先駆者たちはそのサイバースペースの中に無限の可能性を見いだした。 それでは、我々は現在の WWW に何を期待し、何を見出すのであろうか。 これから WWW はどのように変化していくのだろうか。

記事提供:ファンサイド



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