![]() ![]() ![]() ![]() 似非ユーザビリティの弊害この記事のURLhttp://japan.internet.com/busnews/20031110/8.html
著者:ファンサイド
国内internet.com発の記事
Web ユーザビリティについての認知が広まり、
運営側の押しつけからではなく、
ユーザーにとって使い勝手のよいものを作ろうという気運も高まってきている。
素晴らしいことである。
だがその一方、
ユーザビリティというものを一種の教条(ドグマ)のように受け取る風潮も一部に生まれており、
懸念を感じざるを得ない。
ドグマと化したユーザビリティを似非ユーザビリティと筆者は呼んでいるのだが、
今回は、その似非ユーザビリティの弊害について記していきたい。
ユーザビリティは、 なかなか一般のユーザーにはわかりにくいという特徴がある。 ユーザビリティが優れているサイトは、 ユーザーがつまずくことなくすいすいと使えるもので、 その操作性の良さについて意識にのぼることが少ない。 逆にユーザビリティが悪いサイトになると、 次にどこに行ってよいかわからず迷ったり、 必要以上に煩雑で、途中で操作を断念したりなど、 ユーザーの意識上にはっきりとサイトの使い勝手の悪さが現れることが多い。 つまり、ユーザビリティとは透明なもので、 それが汚れたり埃をかぶってはじめて、 その存在が意識されるのである。 昨今、 ユーザビリティが話題になるにつれ、 ユーザビリティを考慮した情報設計を行うことを売りにする Web 制作会社も増えてきている。 そこで似非ユーザビリティの登場である。 ユーザビリティに気を配っているか否かということは、 一般ユーザーや Web 制作をその会社に依頼したクライアントには、 はっきりわかりにくい。 ではどうするか? ボタンを大きくする、ナビゲーションをわかりやすくするという、 ぱっと見にわかりやすいアプローチがはじまる。 ちなみに、 ボタンを大きくすることもナビゲーションをわかりやすくすることも、 ユーザビリティ向上のために必要なことで、 これ自体が悪いと言っているわけではないので、ご注意を。 では何が悪いのか? ユーザビリティの名の下に、 画一的なデザインレイアウトが始まってしまい、 クリエイティビティが死んでしまうことである。 Webサイトは、それが果たす役割上、 いくつかのジャンルに分類されることが多い。 EC サイト、会社案内サイト、情報ポータルサイト、などなど。 そしてジャンルごとに、サイトをどのように構築していくか、 ある程度までのパターン化は可能である。 大量のテキストをユーザーに読んでもらいたいニュースサイトには、 ニュースサイトとしての情報整理の仕方があるし、 写真ギャラリーは写真ギャラリーとして的確な形で情報提供をしていくべきだろう。 しかし、同ジャンルのサイトであるからと言って、 ターゲットユーザーをどのようにとらえるか、 そしてターゲットユーザーに対してどのようなコンテンツをどのような戦略に基づいて提供していくかはサイトごとに異なるため、 全く同じ構築アプローチは使えないし、 デザインが同じなどとということはありえないのだ。 それなのに、 ユーザビリティを良くするためという大義名分により、 似たようなデザインのサイトが量産されるケースを目にする。 それは、「ユーザビリティの一定水準をクリアするだけで良いサイトができると思っている」、 あるいは「情報を同じパターンでしか表現できない」アートディレクターなりデザイナーなりの怠慢(ないしは力不足)ゆえである。 ユーザビリティはサイトの重要な土台である。 重要であるが、それだけでは良いサイトはできないのだ。 その上に表現のクリエイティビティ(クリエイティビティという言葉が大仰なようなら創意工夫)があってはじめて、 良い Web デザインが成立するのである。 さらにサイトとしての完成度を図るためには、 機能・システムとのバランスを加味する必要もある。 Web サイトは、デザインかユーザビリティか、という一次元の尺度からではなく、 多次元の軸によって評価されるべきものだ。 これらの Web を Web たらしめている要素を考慮に入れることを忘れ、 ただユーザビリティのみを軸にすることを似非ユーザビリティと呼ぶ。 似非ユーザビリティが世にはばかるからこそ、 「ユーザビリティを考慮すること」=「退屈なデザインに我慢すること」という間違った考え方も出てきてしまうのだ。 やや旧聞に属するが、 筆者は2003年9月21日〜25日に米国シカゴで開催されたニールセン ノーマングループの「User Experience 2003」というユーザビリティ関連のカンファレンスに参加した。 Web ユーザビリティ界の第一人者と呼ばれる Jakob Nielsen 氏、 Donald Norman 氏らがスピーカーだったが、 そこでの興味深い指摘としては、 全般的にユーザビリティの水準はあがってきていることと、 今後求められるのは、 「使いやすい/機能として優れているデザイン」から「人の感情に訴えかける魅力のあるデザイン」になっていくということであった。 使いにくいものから使いやすいものへ、という流れの次は、 ユーザーにとって愛着がわくようなものへ、という流れになるということである。 Web サイトの使い勝手の良さについて十分考え抜くこと、 そしてそれをどうデザインとして表現するかについても、 創造性を駆使して考え抜くことが必要不可欠である。 ユーザーに選ばれる Web サイトづくりは真剣勝負であり、 それは何かひとつのドグマに盲目的に従っているだけでは勝てない勝負なのだ。 記事提供:ファンサイド
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