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ユーザーテストのすすめあえてわかりきったことから始めてみるが、
Web サイトはユーザーの能動的アクセスによってしか閲覧されないものである。
テレビのように、
スイッチをつけさえすれば次々と様々な番組やCMが自動的にくりひろげられるような、受け身で情報を得られるメディアではない。
このページを読者に読んでもらっているのは、 読者がこの文に興味を抱き(あるいは何らかの間違いによって)、 このページに自分の意志でアクセスしたからである。 そして、その読者はいつでもこの文を読むことをストップし、 他のサイトに去るなり、 ブラウザを閉じるなりすることができる。 他に興味深い Web ページは大量に存在するし、 読者の持つ時間は限られているからだ。 つまり、 「何としてでも使わなくてはいけない義務」のない Web サイトでは、 使い勝手が悪いとそれが致命傷になるということだ。 美しい外見や新しい機能が備わっていたとしても、 それらが使えなかったり/使いにくかったりしたら、 誰にも省みられない Web サイトに、 簡単になってしまう。 リアル店舗ならば、 駅前など人通りの多い地域に存在するとか、 同じ商圏に同種の店が1軒しかないなど、地の利を生かすこともできようが、 Web サイトは異なる。 常にユーザーから比較される同種のサイトが存在することを忘れてはならない。 SEO が効を奏し、 訪問者の数が増えたとしても、 訪問者の滞留時間が短く、 見られているページも数少ないとしたら、 そのサイトにはユーザーを惹きつける魅力のあるコンテンツが存在しないか、 あるいは、 魅力あるコンテンツをユーザーが利用しやすい形で提供していないか、 のどちらかである。 では使い勝手をどのように向上させればよいか? もっとも効果的なのは実際のターゲットユーザーにあたること、 すなわちユーザーテスト(ユーザビリティテスト)を実施し、 そこから得られる洞察をサイトの設計に活かしていくことである。 ひとりひとりのユーザーに実地にサイトの使い勝手をテストしてもらうのが、 ユーザーテストである。 サイト制作に携わっている人間が頭の中で拵えた架空のユーザーではなく、 本物のユーザーの意見や様子を実地に観察することが最も有効だ。 なぜなら、一般に信じられているような通説や思い込みが、 あてはまらない場合もあるからである。 また、個別のページについてアンケート的に1ページずつ意見を聞くのと、 ある動機/目的に基づいた一連の操作の流れをユーザーに行ってもらい、 その中でどのような感想を抱くかというのでは、 得られる結果が異なる。 コンテキストにより、個々のオブジェクトの意味づけが異なるがゆえである。 ユーザビリティ、そしてユーザーテストという概念自体は、 専門家の方々の導入への尽力のおかげで日本にすでに定着しつつあるが、 実際にそれを実施しながらサイト制作・再設計を行っている割合はさほど高くないのでは、というのが実感である。 その背景には以下のような問題点があるのではないだろうか。 ・Web 制作プロジェクトにユーザーテストを組み込む時間的・費用的余裕がない。 ・ユーザーテストをどのように実施してよいかわからない。 ・ユーザーテストを行ってみたが、その結果をどうまとめればよいかわからない。 ・ユーザーテストの実施を考え、 専門家から見積もりをとってみたが、 費用面で折り合いがつかなかった。 もちろん、 大規模なユーザーテストを、 設備の整ったミラールームで費用と時間をかけて行うのは理想形であり、 そのチャンスがあるのなら、ぜひトライしていただきたいと考える。 が、その他に方法がない、というのは誤解である。 ユーザーテストは学術的な実験ではなく、 また、分厚いまとまったレポートを出すことを目的としているものではない。 あくまで、 テストから得られた知見がサイト制作に実際に生かされることが肝要なのである。 ユーザーテストを大規模なものであると考えると、 ちょっとした変更に対して気軽にテストが行えなかったり、 テストが何年かに一度のイベント的なものとなってしまいがちであるが、 小規模なテストを何度も繰り返し行って改善していくのが、 最も効果的な使い方である。 また、Web サイトの内容や構成について社内で意見が分かれた場合、 ターゲットユーザーの意見や様子を実地に観察することで、 最適解を得る手助けとなることもある。 ファンサイドでは、主に、以下を行っている。 ・時間的・費用的に負担の少ないコンパクトなユーザーテストの実施 ・効果的なユーザーテスト設計 ・ユーザビリティコンサルタントによるテスト結果洞察 ユーザーテストを「本当はできたらいいんだけど……」 「やったらいいというのはわかっているんだけど……」というところで終わらせず、 Web サイト制作過程で実行する手伝いをしていきたいと考えている。 概念を知っていることと実行することの間にはへだたりがある。 大切なのは、実行すること。 改善の方向へ一歩でもいいから進んでいくこと。 そうすることによって、エンドユーザーにとってストレスの少ない、 真の意味でのクォリティの高い Web サイトが今後増えていくことを心から願っている。 記事提供:ファンサイド
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