Webビジネス2004年8月4日 00:00
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Web ユーザーテスト導入をさまたげる4つの障壁

この記事のURLhttp://japan.internet.com/busnews/20040804/8.html
著者:ファンサイド
国内internet.com発の記事
Web ユーザーテストの導入についてクライアント企業や Web 制作会社と話をしていて、 よく耳にするネガティブな意見がある。 今回はそれらの意見について検討してみたい。

■制作の邪魔をしないでくれ――やぶへび症候群

Web 制作プロジェクトは一般にスケジュールがタイトである場合が多く、 スケジュールを乱すような要素をできるだけ避けようとするプロジェクトマネージャーが多い。

そのため、 不確定要素を持ち込むユーザーテストが嫌われることがある。 自分たちなりの進め方や自分たちが良いと思っていることがエンドユーザーの「余計な」一言で覆されるのは困りものだというわけである。

だが、エンドユーザーの声を一切聞かずに、 これまでの経験にのみもとづいて制作したサイトが、 致命的な欠点を持っていたとしたら?  「こんなに吟味して制作した素晴らしいサイトが、 なぜもっとユーザーに使われないか、理由がわからない」 とオープン後に嘆く羽目になったとしたら?  素晴らしいに違いない、わかってくれるに違いないという思い込みや信念は、 残念ながら事実とは異なるのだ。

また、関係者の意見が毎回一致するとは限らない。 意見が衝突した場合、 調整に時間をとられたり、 毎回毎回「ユーザーはこう感じるはずだ」「いや違う」などと想像上の存在について論じるよりも、 制作途上で実際のユーザーによるテストを行っておいたほうがはるかに時間の節約につながるのである。

ちなみに、 ユーザーテストは Web 制作プロジェクトの早いタイミングで行うのがコツである。 軌道修正を行うにしても、 それがプロジェクトの初期段階であったなら、 「せっかくここまで作ったのに」ということにはならない。

■ユーザビリティ考慮はクリエイティビティを殺すのでは――画一化恐怖症候群

ユーザビリティを考慮した Web サイトデザインは退屈だと感じる Web デザイナーが多いようだ。 画期的なナビゲーション、 新機軸の表現手法―― これらを使うのはすなわちユーザビリティとは対極のことだと考えられるようである。

そう感じる方には、少し Web サイトから離れてみてほしい。 たとえば、人間工学にもとづいて製品をつくると、 誰がつくってもその製品のデザインは画一化するのだろうか?  座りやすい椅子はみんな同じデザインをしているのだろうか?  画一化とユーザビリティとは別のものだと理解されると考える。

ユーザビリティという概念は、 「人間が使う製品が、人間にとって使いにくいのは困る」ということを言っているのであり、 人間が使いやすいと感じるのは Web サイトにしろ、他製品にしろ、 かっちりとワンパターン化されているものだけではない。 むしろ、自サイト内での統一感や、 現実社会での事象をいかにメタファーとして用いるか、 などという点が重要となってくるのだ。 つまり、ユーザビリティとクリエイティビティは両立しうるのである。

■お金も時間も足りない――えいやっ症候群

最初に書いたが、 Web 制作プロジェクトは一般にスケジュールがタイトである場合が多い。 悲しいことに、さらに費用もかけられなかったりする事態も生じうる。 不本意ながらも、 「えいやっ」という勢いで作ってしまわなければならないこともあるだろう。 ユーザーテストはおろか、 設計プロセスやリリース前のテスト期間まで削らなければならないことすらあるかもしれない。

そういう場合でも、完全な形でなくてもいい、被験者が同僚であってもいい、 数時間を割いて、リリース前に、 関係者ではない「いちげん」のユーザーに使ってもらうということを試みてほしい。 必ず問題の発見がある。 「リリース前に知ることができて助かった」と思うことがあるはずである。 それに一度でも助けられたら、 次回以降のプロジェクトのスケジュールに、 あらかじめユーザーテストを組み込みたくなるはずだ。

■聞かなくてもわかっている――全知全能症候群

どういうわけか、エンドユーザーの気持ちを熟知している、 という自信満々の人間がいたりする。 もちろん、その自信が的を射ている可能性はゼロではない。 たとえば「Web 制作者のための情報サイト」を制作するケースなどはかなり参考になるのではないだろうか。 が、その自信が「素晴らしいシステムは必然的にどのエンドユーザーにも素晴らしいと感じられるはず」などというずれた方向に働きがちなのが問題である。

そのサイトを、どのようなユーザーがどういうシチュエーションで、 また、どういう目的で利用しているのか、といったことを一切無視して、 暗黙的にすべての他者を自分および自分の状況と相似しているものとみなすのは、 かえってコミュニケーションギャップを生む要因となりがちである。 エンドユーザーの使い勝手を謙虚に探っていく気持ちを持ちたい。 もちろん、これはサイトの企画をすべてユーザーの言うがままにしろ、 などという意味ではないので、ご注意いただきたい。

以上、4つの障壁を乗り越え、 ユーザーテストが今後、さらに広く実施されていくことを祈るものである。

記事提供:ファンサイド

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