![]() ![]() ![]() ![]() 加熱するローカル検索 〜SESサンノゼを視察してこの記事のURLhttp://japan.internet.com/busnews/20040819/8.html
著者:アウンコンサルティング株式会社 執筆:岡田吉弘 /監修:信太明
国内internet.com発の記事
今年の夏はとにかく暑い。8月12日には、気象庁が大手町で観測を開始した1923年(大正12年)以来
の連続真夏日の最長記録を塗り替えるなど、記録的な猛暑が続いている。その猛暑に引っ張られる
ように、飲料、家電などの業界は軒並み売上計画を上方修正するなど、景気の良い話もちらほら
聞こえてくるようだ。
猛暑は夏の終わりとともに収まるが、今年の猛暑に負けず劣らずホットで、かつその勢い に収束をなかなか見出すことが出来ないのが、検索エンジンマーケティング( SEM )業界である。 突然だが、皆さんは「 Search Engine Strategies 」( SES )をご存じだろうか。SEM に関する 世界的イベントであるこの SES は、SEM の勢いを表すかのように、毎年その規模を拡大しており、 会場も米国を中心に年数回の頻度で世界各国で開催されている。検索エンジンビジネスを取り巻く メディア、ベンダー、代理店などが多数出展し、様々なプレゼンテーションや商品の発表が次々 と行われ、業界の熱を感じることができるイベントである。今年の夏も、8月2日から5日までの 4日間、米国サンノゼで開催された。 業界の勢いを象徴する SES だが、その中でも最もホットなトピックの一つとして紹介された ものが、今回のSES開催期間中に発表された米Yahoo! と米AskJeeves のローカル検索サービスだ。 ローカル検索(地域別検索)は、全国どこでも同一の検索結果を返す通常のウェブ検索とは異なり、 検索ユーザーの地域属性にあわせた情報を提示し、利便性の向上を図ったサービスである。 このサービスが発表された背景として、購買や移動、情報探索を目的として検索した際に、 自分の住む地域、あるいは目的とする地域に関連した情報が詳細に手に入れば、それは 検索ユーザーにとってメリットがあるという考え方が根底に存在する。勿論、広告という 側面から見ても、今までは価格や商圏などの問題から広告配信ためらっていた広告主が 積極的に広告を扱うことが出来ることになり、その結果、より広告主と消費者との距離を 縮めることが可能となる、どちらにとっても都合の良いサービスということになる。 勿論、問題がないわけではない。「インターネット上で行なわれるすべての検索のうち、 20%から25%は地域情報の検索となんらかの関連がある」という調査結果があるものの、 ( The Kelsey Group 調べ)ローカル検索が一体どれだけ広告主の裾野拡大に繋がるのか、 その効果を疑問視する声も見受けられるからである。それは翻って、ローカル検索をどれだけ 一般化させられるかという、検索ポータルがこれから取り組まなければならない課題でもあるだろう。 ローカル検索の日本での展開も、気になるところである。米国での事例を見て、徐々に日本にも 適用してゆくという流れになると思われるが、日本と米国の検索ユーザーのリテラシーの違い、 国土の規模の違い、商圏の決まっている企業の Web 活用の浸透具合、地図・住所データベースと ポータルサイトとの連携など、日本への導入に当たって解決すべき課題は沢山あるように思われる。 単純に1ユーザーとして考えると、ローカル検索に代表される利便性の向上は、基本的には歓迎す べきことだろう。しかしながら、SEM 業界に関わる者としては、拡大の一途を辿る検索エンジン の機能に、いささか畏怖の念を覚えることも確かだ。広告主のメリットを最大化する為、 検索エンジンがリリースする様々な新しいサービスの本質を見極め、効率的に運用するプラン を練り直さなければならない。ホットな業界が起こした熱帯夜は夏を終えても依然として続くだろう。 まだまだ眠れない夜が続きそうだ。 (執筆:岡田吉弘、監修:信太明) |