PeopleSoft、
ProfitLogic、
そして Retek という Oracle による今年の三大買収すべての裏に、
IBM が深く関係していた。
そこに、最近インドの銀行向けソフトウェアベンダ i-Flex の企業支配権を獲得したことを加えると、
紛れもなく共通のパターンが浮かび上がる。
すべての取引に IBM が関与している。
PeopleSoft の場合、
Oracle は WebSphere や DB2 といった IBM の技術商品ライン、
PeopleSoft が買収した J.D. Edwards、
そして大量の IBM iSeries ユーザーを獲得し、
IBM のソフトウェアパートナーとして自力でナンバーワンの座にのし上がった。
もちろんこのような状況は、
IBM の Global Services から見れば、
DB における Oracle の地位をあげてしまった。
IBM は DB2 が好きで、
DB の優位を巡り相変らず Oracle と競い合っているにもかかわらず、
Global Services はつねに自社にとって有益なことをしてきたため、
IBM のソフトウェア収益を犠牲に Oracle の DB を重要な商品にしてしまった。
SAP への波紋
ProfitLogic についても IBM が深く関与していた。
昨年 ProfitLogic は、
IBM の ISV 向けプログラムへの参加を大々的に公表し、
その過程で IBM 技術に大きく移行した。
当然 Retek は、かつて IBM に共同所有された身で、
Retek も ProfitLogic も、
IBM が歴史的に小売業に強いことから恩恵を受けた。
i-Flex も同じことで、この重要な市場で IBM と強く提携しており、
Oracle との取引であるが、いやむしろそのためと個人的には思うが、
IBM との関係をますます強める固い意志がある。
IBM との関係の強化は、 Oracle に意味することを思うと興味深いのだが、
そればかりか SAP にも大きな波紋を与えた。
SAP との“敵か見方か”という関係は、
しばらく 続いていた。
この春の SAP の大規模提携の発表を前に、
SAP と IBM がどれくらい親密になれるかという議論が多くあった。
結果は、SAP は IBM との提携に夢中になり、
HP、Cisco、そして Microsoft といった他の新パートナーには揃って、
提携の目的のひとつに、
市場で Oracle を孤立させようという企みがあった。
皮肉にも、Oracle の 買収の予想外のおまけとして、
SAP の孤立戦略の仲間であった IBM に切り札を出したことになったのかもしれない。
Larry の一本勝ち。
“敵か見方か”というコラムで述べた様に、
IBM のサービス事業はソフトウェア事業よりかなり大きく、
IBM が真の稼ぎ頭のサービス事業の収益を蝕んでいるソフトウェア事業を、
いつまでコツコツ続けるのだろうか、
と疑問に思わざるをえない。
IBM の商品とサービスのポートフォリオを見ると、
いずれのソフトウェア商品もどれくらい神聖なものになってしまうのかと疑問を感じる。
例えば WebSphere を例にとって見る。
ソフトウェア全収入の割合にすると、
WebSphere は DB2 にくらべて少ない。
IBM が Oracle や SAP のようなパートナーと抱える問題の割合にすると、
かなり大きい。
Oracle と SAP は両社とも、
少なくとも名目上 WebSphere と競合するサービスアーキテクチャに未来をかけている。
一方、 IBM の未来も間違いなくサービスにある。
IBM が WebSphere でごくわずかな利益を出すために、
最大の ISV パートナー会社の非常に重要な未来計画の邪魔を、
これ以上続けるのだろうか?
金がすべてだとすると、そしてすべてであることが多いが、
その答えは、長くないということになる。
IBM と Oracle は、未解決の DB 競争を続けており、
そのため当分両社の進化にある程度制限が引かれている。
しかし、ここから目を離さず、
Larry Ellison の次の動きを先読みするつもりなら、
IBM との関係に注目しよう。