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Webビジネス2005年9月13日 09:00

まず検索、訪れるのは1か月後?

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Web サイトのリリースを行う。 そこには目的が必ずあるだろう。 そしてひとたびリリースしてしまえば、 その目的に向かってひたすら、 カイゼン/改良というランニングが発生する。

企業の Web サイトの運営を担当されている方にとっては、 目的の達成に向けて日々新しいアイデアを見つけるために悩ますことも多いはず。 今回は、 Webサイトのカイゼン/改良をどのようにすればよいか、 SEM を利用した“ユーザの検索行動”という概念を切り口にして述べていこう。

■目的の達成に向けてランニングは発生する

新しいサービスを立ち上げたり新しい製品を発表する時、 世の中に認知を広めるために Web サイトを利用することはもはや当たり前になった、 といっても過言ではない。

しかしながら、競合他社よりもサービスの認知を広めるために、 Web サイトという A4 のコピー用紙が2枚分程度という狭い画面の中で、 いかにして自社のサービスを世の中にアピールしたらいいのか、 戸惑う担当者も多い。

実際に Web サイトの運営を担当されている方の悩みを聞いてみると、 原因として大きく2つあった。

A.市場が変化してしまい、サービスや商品が輝きを失っている
B.一般的な流行という環境変化に対応が遅れてしまっている

Aはすでに発生してしまった事実だから、 まず会社がその事実を受け入れられなければ、 Web サイト内でいくら頑張っても、 目的達成に向けたカイゼン/改良という糸口は、見えてこないはずである。

このような市場変化に対応するためには、 企業の上層部がその重大さに気づいて動いてくれなければ、 パフォーマンスを出せと言われた Web サイトの運営担当者には悲劇に等しい。

Bについては、 未来予測をある程度察知して Web サイトをカイゼン/改良できる余地がある、 と考えられる。 これは、ネット上にある様々な種類のデータを日々蓄積していけば、 変化の要因となりそうな数値を読み取ることが可能になるからである。

そこで、 以後からは、 Bの“一般的な流行を読み取る”ための Web サイトのカイゼン/改良について、 SEM で蓄積される検索語データから模索してみよう。

■“検索語”という市場の生声

SEM を行ううえで、 検索語がどれくらい1か月間に検索されたかを調べるツールとして、 Overture のキーワードアドバイスツールがある。

毎月の検索回数が更新されるので、 このツールを利用した検索語データを弊社では毎月蓄積している。 この検索語データを蓄積していると、 未来予測について検索エンジンマーケティングを行ってきた“経験とカン”という定性的な分析に定量的な観点が加味されることで、より確度の高い察知が可能になる。

では、実際にどのように定量的な観点から分析をすれば良いかを、 「愛知万博」を例にして取りあげてみよう。

今回、調査をするうえで用いた検索語として、 「愛・地球博」を選択してみた。 そして、検索回数は Overture のキーワードアドバイスツールを利用している。 また、愛・地球博の公式 Web サイトで公開されている公式入場者数を利用して、 実際の検索回数と来場者数に相関関係があるのではないかと仮説を立ててみた。 すると面白いデータが抽出されていた。

■愛・地球博を検索回数と公式入場者数から分析

「愛・地球博」愛知万博開催期間(2005/3/25〜2005/9/25)

     検索回数  検索回数前月比  来場者   来場者前月比
8月----4,035,794122.7%
7月921,07387.8%3,287,63591.9%
6月1,049,02099.0%3,577,008108.3%
5月1,059,00599.9%3,302,533143.8%
4月1,059,044108.3%2,295,765538.7%
3月978,427435.3%426,089--
2月224,761--


このデータ、まずは検索回数に着目すると、 トレンドとしては万博開催の1か月前では検索回数はあまり伸びてはいないが、 万博が開催されるやいなや急激な検索回数の伸び方をしているのが分かる。 そして、上昇トレンドが万博開催後の1か月を過ぎると、 徐々に静まりだしているのが分かる。

次に、来場者数だが、 3月は1週間しかデータが蓄積されていないとしても、 開催直後は1日平均の来場者数が6万人と、 3月以後の月が約7万人〜11万人が1日平均の来場者数と比較しても少ない。

この2つのデータについて一般的な流行を読み取れるか検証してみよう。

4月と5月が検索語「愛・地球博」の検索回数は上昇トレンドのピークであったが、 実際の来場者数のピークは6月であった。 そして、検索回数のトレンドが落ちだした6月だが、 それに反応するように7月の来場者数というのは前月比を割っている。 なお、8月については夏休み休暇による需要が伸びてしまうので、 他の月とは比較の対象からは外しておくべきだろう。

相関関係があるかを考察すると、 仮説のひとつとして、 検索語の検索回数が伸びてから約1か月ほどすると、 実際の来場者数が伸びているのではないだろうか、と考えられる。

■検索から流行を読み取り未来予測を立てる

この仮説が正しいのであれば、 検索語という流行を読み取って実際の Web サイトのカイゼン/改良を行うことで、 来場者数の未来予測に対応することが可能になるのではないだろうか。

例えば、検索回数の上昇トレンドが山を迎えているのであれば、 いち早く Web サイトでプロモーションを打って、 下降したトレンドを再び上昇させることが大切だろう。

また、話の焦点が離れてしまうかもしれないが、 来場者数が未来予測されるのであれば、 ネット以外の実際の需要予測と生産計画や資材の調達調整が可能になり、 無駄な人員リソースやおみやげなどの資材在庫リスク回避、 という面からも寄与できるのではないだろうか。

■今回の話をまとめると

検索語という市場の生声に着目して、 Web サイトが流行から遅れていないかを調べてみる。 検索回数データと実際の来場者数などのデータを組み合わせて分析すると、 いち早く対応することが可能になるのではないだろうか。

また、 今回の例は「愛・地球博」という開催期間が限定されているものであったが、 それ以外の Web サイトであっても、 リリース後に年間を通じて前述したような調査を生かせば、 Web サイトの長期的な戦略としてカイゼン/改良する手段が見えてくるはずだ。(執筆:綱島直輝)

記事提供:ファンサイド



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