Webビジネス2006年4月7日 09:00
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ゲーマー向けの無音 PC は難しいが…

この記事のURLhttp://japan.internet.com/busnews/20060407/6.html
著者:Brian Livingston
海外internet.com発の記事
PC ファンの低騒音がうるさく、 職場での仕事の集中力を妨げる大きな原因になっている、と前回書いた。 しかしある専門メーカーが、 冷却ファンいらずでほとんどすべての雑音を消す、 新型の PC ケースを1月に発表した。

この PC ケースは、精巧なアフターマーケットの放熱板、無音の電源、 ほぼ無音の CPU ファンで知られる、 韓国の Zalman Tech が開発したもの。 新型ケースは TNN 300 という名前で、ファンなしで部品を冷却する。 TNN とは「Totally No Noise」(まったく音なし)の頭文字だ。

私はロサンゼルスに飛び、 Zalman USA のエグゼクティブにインタビューした。 また TNN 300 を購入し、 重たい部品を内蔵させ自分のオフィスでテストしてみた。 今週はその結果をお伝えする。

無音の PC を組み立てる

Zalman TNN 300 PC caseTNN 300(写真参照)は、 およそ標準ミニタワー型の PC の大きさで、 広く普及している microATX というマザーボードを収納できる。 しかし、これ以外は通常の PC ケースとまったく異なる。

ケース表面はすべて厚いアルミニウム製である。 4面がギザギザのアルミニウムパネルで囲まれ、 そこからシステムが発する熱を放出する。 CPU、グラフィックスボード、電源、 そして Northbridge のマザーボードインターフェイスには、 冷却ファンの代わりとなる純銅製の放熱板が、 ケース外側のパネルに直接貼られており、そこから無音で熱が逃げる。

オレゴン州ポートランド近郊にある TNN ケースを販売する店舗中、 米国最大のコンピュータストア Cool Tech PC(endpcnoise.com)にて、 購入した TNN 300 に部品を組み込んでもらった。 どんな部品を組み込んだらいいのか検証するため店舗を訪れ、 ゼネラルマネージャの Jon Schoenborn 氏、 テクニカルスーパーバイザーの Pete Nickol 氏、 そしてセールスマネージャの Darin Rohatinsky 氏にインタビューした。

結局、無音の PC を望むなら、 最高温になる最速のハードウェアをTNN 300 に搭載するとだめだ、ということだ。 Cool Tech の専門家たちは、 パフォーマンスと静けさの両方を得ようと、 Zalman の TNN 300 および(巨大で高価な)前モデルの TNN 500AF を数か月にわたり調査している、と言う。

色々話し合った結果、われわれは以下のようなシステムを組み立てることに決定した。

マザーボード
TNN 300 は、物理的にはすべての microATX フォームファクタに対応するが、 内蔵型受動冷却装置付きで、 CPU やその他の部品の放熱板をケース外側に貼るのに邪魔となる障害物がないマザーボードに限定される。 Zalman は適合しないマザーボードの特徴を示した図と適合するモデルの表を提供している。

「われわれが選択した MSI ボードには、VRM(voltage regulatory modules:電圧調整モジュール)に大型の放熱板が付いている」、 と Nickol 氏は説明する。 これにより、忘れられやすいマザーボードの電力変換装置を冷却するのだ。 VRM の放熱板を取り付けたくても、 取り付けるためのネジ穴さえ付いていないマザーボードが多い。 テストシステム用として、 4GB RAM まで対応可能な MSI RS482M4-ILD マザーボードを搭載することにした(手始めに 1GB を搭載)。

CPU
Zalman と Cool Tech は、 (ファンの代わりに放熱板に頼った)受動冷却装置を付けている状況では、 システムの CPU のオーバーヒートを防ぐために、 70ワット以下の CPU を使用するように提示している。 このため、熱烈なゲーム愛好家に好まれる、 現在最速の CPU は除外される。 しかしそれでも、 もっとも過酷なビジネス用途のコンピュータのニーズを十分満足させられる馬力だ。 われわれは67ワットで動くベニスコア付きの 64bit AMD Athlon 3500 を選択した。

ビデオボード
CPU 同様オーバーヒートの懸念から、 Zalman は TNN 300 ケースに搭載できるビデオボードに、 NVIDIA GeForce 6600 または同等の機種以上高温にならないものを指定している。 このため、nVidia のより速い機種である 6800 や7シリーズチップは除外されるが、 ここでも通常のビジネスユーザーには問題にならない。 われわれは 256MB の RAM の付いた XFX PV-T43P-ND を搭載させた。 各2048x1536 の DVI モニター2個まで対応可能な 6600 をベースにしたグラフィックスボードである。

ロサンゼルスの事務所でのインタビューで、 Zalman の商品スペシャリストの Yo How Low 氏は、 自宅用の PC は、摂氏27〜32度(華氏80〜90度)まで達するような空調管理がされていない場所で使用されることがよくあり、 6600 ラインを搭載することを勧める、と言う。 摂氏約22度(華氏72度)以上にはあがらない、 エアコンの効いたオフィスで使用する場合、 GeForce 6800 を TNN 300 ケースに搭載しても安全に使用することができる、 と同氏は語った。

Cool Tech の Nickol 氏はこれに反論する。
「GeForce 6800 のチップは。エアコンの効いた場所でさえ非常に熱くなる。 自分自身、受動冷却装置で最高の結果を出すために、 6600 ラインを搭載している」

ドライブ
TNN ケースシリーズは、 本来 TNFN(Totally No Fan Noise:ファンの音なし)と呼ばれるべきだろう。 実際、アルミニウム製ケース外側に突き出た放熱板は、 ファンが使用されていないため、 何の音も出さない。 しかし、 ケースの中で稼動するハードディスクおよび CD-ROM ドライブからの音は聞こえる。

幸いにも20デシベル未満と、 静かな部屋でかろうじて聞こえる程度の音の静かなドライブが手に入る。 われわれは Samsung の HD160JJ という 160GB のハードディスクと Quiet Combo という CD-RW/DVD ドライブを選択した。

電源
TNN 300 にはファンなしの350ワット電源が付いている。 これだけの電力があれば、 私のように PC に搭載したい機器すべてを十分にまかなえる。 Zalman のデザインは斬新で、 ケースの1面に付いている電源ユニットは他には珍しく平らだ。 他の部品同様、電源ユニットから外側のギザギザパネルまでヒートパイプが通り、 熱を発散させる。

リモートコントロール
TNN 300 のリモートコントロールは、 カスタマイズこそできないが、触れておく価値がある。 ケース外側の黒い面に目立たず付いたスモークガラス部により、 PC をコントロールすることができ、 離れた場所から電源を入れたり消したりすることができる。 サイレント PC システムの主要使用目的のひとつがホームエンターテイメントなので、 TNN 300 をリモートコントロールで動かすことができるのはすばらしい。

前回触れたように、 金属製ということで TNN 300 の価格はケース単独でおよそ700ドルにものぼる。 私がテスト用に購入したものは、すべての部品を搭載すると2,000ドルになった。

高価格と引き換えに、 絶え間ない雑音とは無縁の、比較的強力な PC を手に入れることができる。 非常に静かな私のオフィスで、 耳をケースに近づけて聞かない限り、 TNN 300 のディスクドライブが動いている音さえ聞こえない。 この PC ボックスで部屋全体をうめたとしても、 誰もイライラすることはないだろう。

結論

お金に糸目をつけないのなら、 TNN 300 でほとんど無音のコンピュータ体験ができるだろう。 例えばオーディオ実験室、図書館、ホームエンターテイメントセンターなど、 十分強力な PC 能力が必要だが PC ファンの低騒音に耐えられない環境では、 それだけの価値がある。

しかしケースの上乗せ価格が、売上の足を引っ張っている。 Zalman の Low 氏によると、 現在世界で製造されたわずか1,500台しかない TNN 300 ケースのうちの1台を、 私が所有しているとのこと。 しかし Zalman の韓国の製造工場では、 数千台の注文が企業から入っても必要な台数分増産できる準備がある、 と同氏は言っていた。

TNN 300 が予算オーバーという場合でも、 所有している PC の音を抑えることができる、 はるかに低価格なオプションがある。 これについては次回語ろう。


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