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2009年7月4日
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Webビジネス2006年4月20日 13:40

入力補助機能の発展は大企業に有利に働く?

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ヤフーは2006年3月15日、「キーワード入力補助機能」β版を公開した。グーグルの「Google サジェスト」β版や NTT レゾナントがジャストシステムと協力して提供している「goo サジェストβ with ATOK」など、同様の機能は競合となる検索ポータル各社もすでに公開しているため、今後の発展が期待されている検索技術のひとつである。

この機能は、検索ボックスに最初の数文字を入力しただけで、キーワードの候補を表示してくれるため、ユーザーの利便性向上という点では、とても役立つサービスとなる。特にキー操作に不慣れなパソコン初心者にとっては、これまでよりも検索が大幅に楽になったと感じられるはずだ。しかも、この機能はキー操作の手間が省けるだけではなく、検索に不慣れなユーザーにとって、より検索精度を高める効果もあると考えられる。

なぜなら、検索ボックスへ入力する単語数を多くすれば、それだけ検索精度が高まるのは少しでも検索に慣れ親しんだユーザーなら当たり前のことかもしれないが、検索に不慣れなユーザーはいまだに検索エンジンが複数単語による検索に対応していると知らない場合も多い。

もちろん、検索エンジンが世間一般に認知されるにつれ、徐々にこうしたユーザーの数は減ってきていることも事実だ。しかし、まだその数はゼロではない。実際、アウンコンサルティングが2006年2〜3月にインターネットユーザーに対して行った調査によれば、ユーザーが検索ボックスに打ち込む平均単語数として最も多かったのは2単語で全体の63%、次いで3単語の15%、1単語の11%と続いた。2003年時点で行った同様の調査では1単語と答えたユーザーが21%だったことを考えると、その数は半減したものの、まだ1割のユーザーは1単語での検索にとどまっている状況と言える。

こうしたなか、前述した「キーワード入力補助機能」のような入力補完サービスが浸透すれば、検索に不慣れなユーザーも、今後は候補として表示された複数単語による検索を行うこととなり、2単語、3単語での検索が増加することになるかもしれない。そうした時に、こうしたサービスが SEM(検索エンジンマーケティング)に与える影響も軽微ではないだろう。

ヤフーによれば、「キーワード入力補助機能」で表示されるキーワードは、『実際に検索されたキーワードのデータなどを元に、Yahoo! JAPAN 独自のアルゴリズムに基づき、関連検索ワードを表示しています』としているため、SEO(検索エンジン最適化)や P4P(検索連動型広告)のキーワード選定の際には「キーワード入力補助機能」によって表示されるキーワードにどんなものがあるのか、必ず見定める必要が出てくるだろう。「キーワード入力補助機能」の利用状況によっては、もともと検索数の多いキーワードが候補として表示されることによって、さらに検索キーワードとしての人気が集中することも考えられるからだ。

また、検索されるキーワードが候補として表示されたものに集中してきた場合、意識しなければならないことのひとつとして、いかに自社の企業ブランドや商品ブランドをキーワードの候補として表示させるかということが挙げられる。

例えば、「キーワード入力補助機能」を使って「自動車保険」という単語を入力してみると、以下のような候補が表示されることになるが、

1.自動車保険
2.自動車保険 ランキング
3.損保ジャパン 自動車保険
4.ソニー損保 自動車保険
5.自動車保険 東京海上
6.アクサ 自動車保険
7.三井住友海上 自動車保険
8.自動車保険 チューリッヒ
9.自動車保険 ランキング 人気
10.自動車保険 比較
(2006年4月19日時点)

お気付きのように、知名度の高い保険会社名がずらりとキーワードの候補として表示されている。

つまり、ここで候補として表示されることで、すでに検索数の多い企業の指名検索が、さらに検索される可能性が高まっているわけだ。仮に自動車保険の商品選びをしているユーザーが「自動車保険」というキーワードを入力し、そこに候補として企業名が登場すれば、その効果は決して低いとは言えないだろう。実際に候補として表示された企業名を検索キーワードとして選択し、サイトを訪問するかもしれないし、その場ではキーワードとして選択しなかったとしても、のちのちは自動車保険の契約先企業の候補のひとつとしてその保険会社の名前は意識に深くすり込まれることになるかもしれない。もちろん、上記はあくまで一例に過ぎず、「自動車保険」以外のキーワードでも同様のことは十分考えられる。

この思いがけない効果は、ブランド力の高い企業や有名商品に有利に働くことが考えられるが、逆を言えば、ブランド力の低い企業や商品には不利になるかもしれない。

当コラムでも何度か書かれていることだが、このように SEM はもともとウェブ戦略という限定された範疇の影響を受けるものではなく、企業戦略全体の影響も強く受けている。SEM の効果を最大化するためには、企業全体の取り組みとしてブランドマーケティングの強化は必須の対策だ。自社の企業ブランドや商品ブランドの検索をいかに多くするか、そのためにウェブ担当者任せの小手先の戦略ではなく、全社的な取り組みが必要とされているのかもしれない。

どんなキーワードで見込み客を誘導するかを考えるのはもちろんのこと、どうやって自社の企業ブランドや商品ブランドでの検索を多くするかも、全社的な取り組みとして考える時が来ていると言えるのではないだろうか。

(執筆:コンサルティンググループ 佐藤久美子)


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