ところが、ネットの世界では話が違う。ユーザーの基本的な行動は「クリック」や「閲覧」などに限定されており、しかもこれらの行動はログデータに反映される。また IP アドレスを調べれば、サイトへの接続元となる地域を割り出すことさえ可能だ。リアルに比べた際の限定性が、逆にマーケティングの可能性を大きく広げているのだ。そして今、特に SEM(検索エンジンマーケティング)の現場では、ターゲットに絞り込みをかける有効な手法が次々に生まれている。
グーグルの提供する「アドワーズ広告」では、広告配信のターゲットとなる地域を、市区町村単位まで絞り込むことができる。2006年5月8日には米 Yahoo! が広告配信システムの刷新を発表し、今後グーグル同様に地域属性に合わせた出稿が可能になる旨を明らかにしている。さらに、本格運用開始が2006年5月3日にアナウンスされた米 Microsoft の自社開発による検索連動型広告「adCenter」では、一歩進んで地域や性別、年齢やライフスタイルを考慮に入れた出稿ができるという。現在、「adCenter」は日本ではまだ運用が開始されていないが、いずれ日本でもサービスが開始される可能性は高い。こうした広告露出対象を絞り込む機能は、ネット広告の大きなメリットである効果測定のしやすさと併せ、企業のマーケティング活動にとって大きな武器になることだろう。