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「揮発性の高いメールはメッセンジャーに」、企業向け IM のメリット
著者: japan.internet.com 編集部 プリンター用 記事を転送
▼2006年7月21日 09:00 付の記事
□国内internet.com発の記事
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Qript 代表取締役 CEO 渡邉君人氏
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「インスタントメッセンジャー(IM)が解決するのは、メールでは処理しきれない、すぐにレスポンスが必要なメッセージ」。企業向け IM 製品「Yocto」を開発する株式会社 Qript の代表取締役 CEO 渡邉君人氏は、コミュニケーションツールとしての IM の利点についてこう語る。
だが便利なツールも企業内で使うにはセキュリティなどの面で不安が残る。そこで同氏にビジネス利用における IM の課題、ビジネス向け IM=「Biz IM」のメリットについて聞いた。
企業内でコンシューマー IM を利用する際にまず問題となるのがセキュリティ。スパムやスパイウェアも簡単に送れてしまうほか、マイクロソフトやヤフーなどのサーバーを経由して通信が行われているため、重要情報が外部に出てしまうのも問題だ。またプロトコルが公開されているため、その仕組みが悪用される危険性がある。さらにフリーソフトであるがゆえにサポート・メンテナンス面にも不安要素はある。
渡邉氏は「IM は1クリックでメッセージが送れて便利な反面、メールよりも手間が少ないために抵抗感もない。今だけだからたぶん大丈夫、閉じれば消えるだろうといった感覚もあり、かなり危険」と語る。
時代背景的にも企業のセキュリティ意識は高まっている。個人情報保護法や情報資産の保護対策強化をはじめ、2008年には日本版 SOX 法も施行される。ユーザー同士でやりとりした会話の内容など、企業としてログを保存していかなければならない範囲は広がっていくだろう。
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| Yocto のログ画面 |
そしてもちろん、生産性の問題もある。コンシューマー向けの IM は自由にユーザーを登録できてしまう。社内の同僚や社外の取引先と同様に、仕事とは関係ない友人などを登録している人も多いはず。そのために「仕事をしているのか、遊んでいるのか、友人としゃべっているのかわからないという状況はさすがにまずい」。
「そもそも IM は、相当の運用ポリシーを練ったうえでない限り、社外の人との間で使われるべきではない。基本的には社内で使うもの。社内における電子メールの限界というか、コミュニケーションの新しい創造という観点でメリットが見えてくる」。Biz IM はメールに対して、コミュニケーションの迅速化や確実性、それによる社内生産性の向上といったメリットがある、というのが渡邉氏の見解。
一般的にビジネスマンは1日に平均数十から数百通のメッセージを受け取るが、その中にはスパムメール、広告メールもあれば、会社の通達、または食事に誘ったりというように、その日のうちに終わってしまう、リアルタイム性が要求されるようなメールもある。
実際に Qript が企業で働いている人の行動分析を行ったところ、多くの人が揮発性の高いメッセージのやり取りをしていることがわかったという。緊急を要するものの、明日になれば有効性がなくなるメール――そういったリアルタイムなコミュニケーションを企業としてどう処理していくかが大きな課題だ。
渡邉氏は、簡単な用件のメールを IM に置き換えて社内の生産性を向上させるのが有効であると語る。「リアルタイムにすぐ対応が必要なメッセージは、読んだかどうかもわからないし、いつレスポンスが返ってくるかもわからないメールでは処理しきれない。一方で携帯電話にも対応する企業向け IM は、逆にこの種のコミュニケーションを得意としている」
またメーラーによっては、メールアドレス入力時にドメインが自動的に補完されるようになっているものもあるが、この一見して便利な機能のおかげで社外の間違った人にメールを送ってしまうといったケースが頻発しているそうだ。
「そういったメールに重要な情報が添付されていることもあるため、社外のコミュニケーションと社内のコミュニケーションは物理的にも分けたほうが安全。ただ、その際に同じようなメールシステムを2つ入れるのではなく、社内向けには IM のようにスピード感のあるツールを導入すべきだろう」(渡邉氏)
同社製品「Yocto」の導入事例を聞くと、通信電子機器メーカーからコールセンター、在宅ワーカー向けなど幅広い用途で利用されている。
通信電子機器メーカーでは標準の IM ツールとして、海外拠点間でのコミュニケーションに利用されているという。お互いの状況を確認しながらスムーズにコミュニケーションがとれるという利点があるそうだ。コールセンターでは、オペレーターがユーザーから電話で問い合わせを受けた際に、IM を使ってスーパーバイザーや開発担当者、在庫管理者などに確認を取るといった用途だ。
また携帯電話へのメッセージ転送機能もよく利用されているという。外出中の社員が携帯電話でメッセージを確認すると、送り手には「携帯から読みました」という通知が送られる。メッセージを読んだかどうかはタイムスタンプで記録されるため、確実な連絡手段として有効だ。
企業向け IM は基本的に社内のユーザー間で利用されるツールであるため、イメージとしてはグループウェアに近い。単なるスケジューラーにとどまらない、リアルタイムなコミュニケーションツールとしてのグループウェアといったところだ。
「将来的にはグループウェアをはじめとした企業向けツールと連携することもあり得る。また超大企業ともなると、知らない人がたくさんいる状況の中、同じ課題に当たっている社員同士をつなげていくような仕組みづくりは必要。Qript でもその一つのきっかけとして社内版の SNS に IM を付けていくことも考えている。実際、すでに他社と連携して開発は行っている」(渡邉氏)
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