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2006年7月27日 09:30

「mixi」というクローズドな世界での広告戦略

SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス。英字表記の Social Networking Service の頭文字を取って、SNS と呼ばれる)が最近話題になっている。米国のインターネット調査会社・Hitwise が2006年7月11日に発表した調査データによれば、米国最大規模の SNS「MySpace」が先頃「Yahoo!」や「Google」といった検索ポータルサイトを押さえ、訪問者数で米国一のサイトになったという。また、日本でもインターネット調査会社・ネットレイティングスが6月28日に、国内最大の会員数を誇る SNS「mixi」がサイト利用時間とページビューの利用者比率で「Yahoo! JAPAN」と「楽天市場」に次ぐ、第3位となったことを発表した。

すでに、「mixi」の会員数は7月時点で500万人を突破しており、日本の総人口の3〜4%程度は mixi 会員となっている。7月13日にヤフーから発表された2006年上半期検索ワードランキングでも、2005年度に総合ランキングで12位だった「mixi」というキーワードは2006年度上半期には一躍検索回数のトップに躍り出、まさにひとつの大きな社会的ムーブメントになっていることがわかる。

このように、爆発的な人気になっている「mixi」は、すでに企業にとっては広告出稿の場としても魅力的な存在となっており、現在はバナー広告のほか、検索連動型広告も配信されている。「mixi」には検索機能があり、ユーザー各自の日記のほか、特定のテーマや趣味・興味に対する関心が高いユーザーが個別に立ち上げる「コミュニティ」なども検索できる。試しに、「消費者金融」というキーワードで検索してみたところ、検索結果の上位には検索キーワードと連動した広告が表示されるようになっている。これこそが、グーグル「アドワーズ広告」である。さらに、今後はコンテンツ連動型広告としてオーバーチュアの「コンテンツマッチ」の配信が開始される予定だ。前出のコミュニティページの画面下部にオーバーチュア「コンテンツマッチ」が掲載されるという。

このように広告スペースとしても注目を浴びている「mixi」だが、実際の企業への売上に貢献しているのか、という点では疑問がもたれているのも事実だ。理由としては、クローズド化された自分たちだけの世界の中に突然広告が現れても、それに反応し外の空間に抜け出すのか、という点が挙げられる。仮にディズニーランドに消費者金融の看板があったとしても、それを見てすぐにディズニーランドを抜け出して、消費者金融に駆け込もうという気にはならないのと同じことだと言えるだろう。

しかし、「mixi」は検索エンジンでは手に取ることができない情報の宝庫となっている。会員限定サイトということもあり、サイト内のコンテンツは検索エンジンにインデックスされない(ID やパスワードを入力し、個人認証を行わないとログインできないため、検索エンジンのクローラーが巡回できない)。つまりは、これに着目すると企業の売り上げに直結しなくとも、広告を出したほうがよいというメリットも見えてくる。それはブランディング効果とニッチ層への訴求効果である。

「mixi」内にはリアルなら出現しないようなネット特有のコミュニティがある。「よく物をなくす」というコミュニティには実に7万人が登録している。また旅行でも国別のコミュニティがあり、これから旅行に行く人が自分の欲しい情報・ニッチな情報を参加メンバーに対して質問することもできる。こうした旅行雑誌ではカバーしきれない情報が「mixi」のコミュニティには存在しているのである。すでに「mixi」に開設されたコミュニティは84万を超え、自分たちだけの閉じた世界を作り上げている。

このように「mixi」内でのコンテンツは多様性を帯びており、ニッチな広告も検索やコンテンツと連動して表示されやすくなっている可能性が高い。同時に、こうしたニッチなコンテンツを好む層にフォーカスできるということは、ニッチな商材・サービスを扱う事業者こそ、勝機が隠されていると言えるかもしれない。

また、例えユーザーがクローズドされた空間を楽しみ、外の空間へと抜け出そうとしなくても、P4P(検索連動型広告+コンテンツ連動型広告)はクリック課金方式なので、企業側はコストがかからず、広告を表示することができるというメリットもある。

これまで、SNS 上の広告効果を疑問視していた方も考え方を少し転換し、ブランディング効果やニッチ層への訴求効果といったことを考えると、新しい広告戦略が考えられるのではないだろうか。

(執筆:AE チーム 小池美香)


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