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ビジネス2006年8月2日 09:00
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究極のオプトイン/アウト――RSS で広告ビジネスを、FeedBurner Japan

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著者:japan.internet.com 編集部
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今後インターネット広告業界で期待されているのが RSS 広告だ。これまで Web サイト上で完結していた情報が RSS という別ルートで流通すれば、そこに新たなビジネスが生まれることになる。RSS フィードの配信管理システム「FeedBurner Japan」を展開する GMO アドネットワークス 取締役の村井説人氏に、RSS 広告の特性と同社の戦略について聞いた。

RSS 広告市場の現状は不明瞭
GMO アドネットワークス 取締役 村井説人氏
GMO アドネットワークス はその名の通り、広告ネットワークを提供する会社。GMO グループ各メディアに掲載する広告ネットワークの開発・運用や、前身である GMO アフィリエイト時代からのアフィリエイトサービス及び GMO Feed Me!というアドネットワークを主な事業内容としているが、それに加えて現在もっとも力を入れているのがまったく新しい広告――つまり RSS 広告市場の開拓だという。

同社は RSS 広告市場参入の足がかりとして、2005年9月にRSS/Atom フィードの配信管理システムを提供する米国 FeedBurner と提携、同システムの日本における独占販売権を取得した。RSS フィード市場の成長性は魅力的であるものの、現状では RSS フィードの市場ができあがっていないのも事実。まずはその分野に長けているパートナーと組み、日本の市場を狙う戦略だ。

FeedBurner Japan は現在のところ RSS フィードのトラフィックを解析する無料サービスとして主にブロガー向けに提供されている。具体的な数字はまだ明らかにされていないが、ユーザーは順調に増えているという。村井氏は「現在の RSS 広告市場について、具体的な数字といったものはおそらく世の中にはどこにも出てきていないが、インターネット広告自体は右肩上がりで伸びている。その中でも、今後は新しいメディアである RSS が加わって、さらにインターネットの広告市場を大きくしていくだろう」と語る。

具体的に RSS 市場にとって追い風となると思われるのが、RSS リーダー機能を標準搭載した Web ブラウザ「Internet Explorer 7」の投入だ。マイクロソフトは IE7 の正式版を2006年度の後半にリリースする見込み。ここで RSS の利用が一気に拡大すると村井氏は予測している。それに合わせて、RSS 広告配信サービスを開始する予定だ。

RSS は究極のオプトイン/オプトアウト
同氏によれば、RSS 広告の利点とは「究極のオプトイン/オプトアウト商品」であることだという。例えばメール広告の場合は、ユーザーが登録して、メールアドレスを入れると広告がどんどん送られてくるようになる。スパムが増えてきて広告の価値が下がるのも問題な上に、しかもオプトアウトできない場合もあり、そのうち流し読みしてしまう。

一方 RSS は、自分の好きなフィードをユーザー自ら RSS リーダーに登録、購読をやめたいときにはワンクリックで削除できることから、メール広告など以上にロイヤリティの高いユーザーが集まることになるという。

村井氏は「RSS は自分の情報をいっさい外に出さない。自分の情報を誰かに登録するのではなく、フィードという情報を自分に登録することになる。登録したものが面白くなかったら削除すればあっという間にやめられる」と RSS の特徴を述べ、FeedBurner Japan のサービスは「メール広告よりも雑誌や新聞に近い」とした。

さらに USA Today を例に挙げて解説する。「USA Today のフィードを登録しているユーザーは USA Today の新聞の購買属性とほぼ二アリーイコール。実際に USA Today を買って読んでいる人も Web 上で読んでいる人も USA Today のブランドを信頼して、そこのソース元が編集している記事を読むことに価値を見出している。我々としてはそういったパブリッシャーと組んで、雑誌を講読する人、新聞を購読する人のブランドにマッチングするような広告を出していく」

FeedBurner Japan では、RSS 広告配信サービスを2006年中に開始するため、9月を目途にパブリッシャーと提携してテスト運用を開始するという。

RSS 広告はブロガーにも提供
もちろん RSS 広告の配信サービスは企業向けとは限らない。ブロガー対象の広告配信サービスも12月には開始したい考えだ。「ショコタンブログというのがヤプログの中にある。ショコタンも実は個人だが、すごい数のユーザーを抱えており、我々は大手パブリッシャーの情報配信と個人が出す情報配信というのはイコールだと思って提供していく」

問題はその情報に対する購読者が何人いるかということだ。購読者数さえあれば、パブリッシャーだけでなく個人の Blog も取り込んでいく。パブリッシャーはヘッドの部分に当たるが、ブロガーはそれに対する大事なロングテールとなる。ブロガーに無料で FeedBurner Japan の解析サービスを提供しているのもそのためだ。

「HTML で作られている今のページと、その裏で XML で吐き出されているフィードというのは、私の考えでは別のメディア。今までフィードは誰の目にも見えず着手されてこなかったが、その目に見えなかったところを具体化すると、ビジネスフィールドに変わってくる。情報を配信する人は今までは表の Web ページでしか収益をあげらなかったが、フィードの市場に乗ってくればダブルインカムが入ってくる」

ただ、表の HTML サイトを運営する既存の Blog ホスティングサービス会社と業務がバッティングするとは考えていないという。「逆に言えばそのようなサービスを向上させるために RSS フィードの統計サービスを API で提供しており、今後は協力しながら彼らが着手しなかったその裏のもう一つの市場を拡大していきたい」と村井氏。

米国では RSS から HTML へ進出、日本も独自にソーシャルブックマーク対応
米国 FeedBurner の戦略については、もちろん RSS の広告配信がメインのビジネスとなるが、同時に Blog における広告測定も提供する方針だという。先日発表された米国 Blogbeat の買収もそういった戦略の一環だ。

「これまで“フィードの市場=フィードの統計”とサービス提供側は考えてきたが、実はユーザーにとってはフィードであろうが Blog であろうが関係ない。情報は Blog で書いて、その後がたまたま2つに分かれているに過ぎない。実は統計として見れるところは一つでいい」

このような背景から、Blog 側の統計ツールを提供している Blogbeat が目に留まった。同社はこれまで、Blog を対象に購読者層や人気の高いコンテンツを分析するオンラインサービスを提供してきた。米国 FeedBurner の COO である Steve Olechowsk 氏も「今回は開発か買収かという典型的なケースだった。Blogbeat もフィードから多くの情報を得ていたため、自社でソリューションを開発するよりも、Blogbeat を買収し統合する道を選ぶことは、当社にとって非常に容易な決断だった」と語る。

また RSS を出発点として、そこから HTML の方に進出するという点は逆に強みにもなる。「RSS の統計情報を取得する仕組みを作るのはかなり大変なので、そこは他の企業が着手していない。逆に言うと FeedBurner は RSS から開発を始めており、既存の HTML に着手している会社とくっついてしまえば、あとは両方取れてしまう」(村井氏)

日本での事業展開、2年以内に RSS をビジネスに変える
Blogbeat の買収によってラインナップに加わる分析サービスは、将来的に日本でも同様に提供されることとなる。現在はローカライズを進めている段階で、2006年中には米国と同レベルのサービスメニューが揃う予定だ。また日本では、自分のサイトの RSS をカスタマイズできる「フィードフレア」をはてなブックマークなどの日本独自のサービスに対応できるかたちで提供している。

フィードフレアとは、ソーシャルブックマークサービスなどのコミュニティサイトにフィードを簡単に登録するための JavaScript を提供するサービス。RSS の記事の中に、はてなブックマークや del.icio.us 用の JavaScript を貼り付けるといったことが可能となる。「ブラウザフレンドリ」機能によって CSS を貼り付ければ、ホームページのように見せることもできる。

「これまでは RSS のリンクをクリックすると XML のコードが書かれているだけのページが表示されたが、実はそうではなくて、もっといじって遊べることを FeedBurner Japan では提案したい」

今後のスケジュールとしては、広告配信サービスも含め、現在米国で提供されているサービスをすべて日本でも使えるようにローカライズし、今年中にサービスを提供していく予定だという。村井氏は「FeedBurner Japan としては日本の市場でどれくらいの数字を取るといった目標を出したことはないが、3年以内に必ず RSS をビジネスに変えていく。本音を言えばおそらく2年以内にはなるだろう。日本の RSS 広告市場で半分以上のシェアを取るのが目標」と述べる。
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