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2006年8月10日 14:00

LPO はランディングページの最適化だけでは終わらない

昨年から当コラムで何度か LPO について取り上げて以降、どうやら LPO という言葉が独り歩きしている感がある。LPO という言葉のメディアでの露出量も増え、検索エンジンマーケティング(SEM)業界の注目度が高まっていることもひしひしと感じられるが、そのなかには大きな誤解が潜んでいるような気がする。

なお、念のために LPO についてその定義を説明すると、LPO(Landing Page Optimization)とは、ユーザーが最初に着地するページ(ランディングページ)を最適化することによって、目的のページへの誘導を容易にし、途中離脱などの無駄を抑えてコンバージョン率を高めるという考え方、または施策のことを指す。

しかし、これはあくまでも定義であって、LPO のすべてではない。そのため、最近よく言われるような検索連動型広告に出稿しているキーワードごとにランディングページを量産する施策や複数のランディングページを用意して、ランダムに各ページに飛ばすような検証(A/Bテストなどと呼ばれる)だけでは問題の根本的解決には至らない可能性が高い。

なぜなら、検索連動型広告の運用において、広告主がユーザーに期待する行動(商品購入や資料請求、入会登録などのコンバージョン)があったとして、その行動を阻害する要因がないかどうかをすべて検証し、改善することにこそ、LPO を実施する意義があるからだ。つまり、「LPO=ランディングページ最適化」という言葉を真に受けて、ランディングページの作成・変更だけを行っても、それで対策完了という訳にはいかない。

例えば、ユーザーが「液晶 テレビ 購入」というキーワードで検索を行ったとする。ここで表示される広告文が、

ネットで見られるテレビ番組表
テレビ○○なら地上波、BS、CS など全国各地のテレビ番組情報を網羅

だったとしたらどうだろう。当然、クリック率はかなり低いはずだ。
そもそも、広告主がもっているコンテンツ(テレビ番組表)と検索キーワード自体(液晶テレビの購入を意図している)に齟齬が生じていると見るべきだし、どうしても「液晶 テレビ 購入」というキーワードで広告を出稿し、ページへ誘導したいのであれば、広告文自体にユーザーの意識をテレビ購入からテレビ番組表の閲覧へとスイッチさせるための何らかの仕掛けが必要になる。

そして、検索されたキーワードに対する広告文も申し分なく、選択したランディングページの情報内容が適確だとしても、例えばそのページから購入ページに至るまで、何度もクリックをしないとたどり着けない構造だったり、全ページに購入ページに至るリンクがあっても、それが目立たなかったりすれば、それが途中離脱の原因になるだろう。そのほか、商品購入のための申し込みフォームが使いづらかったり、記入項目が多すぎたり、セキュリティに不備があったりすれば、それが途中離脱の原因になる。

究極的には色彩学や心理学なども加味して、途中離脱の原因を探ることも必要になってくるだろう。例えば、「青」という色は日本人にとって食欲減退食と言われるが、食品を扱っているサイトや料理店などのサイトで青をベースにしたものも少なくない。また、「紫」は人の心理を不安定にさせる色だが、コーポレートサイトで紫をメインカラーに使っているサイトも見受けられる。突き詰めれば、このようなことも実はユーザーの途中離脱の原因になっているかもしれない。

すでに申し上げたように、このようなランディングページ以外の問題が途中離脱の原因となっている場合、ランディングページの作成・変更だけを行っても、問題の根本的解決にはならない。そこため、さまざまな角度から検証する複眼的視点こそが、LPO という施策には重要だという点を誤解のないようにしていただきたい。

(執筆:R&D グループ 市川伸一)


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