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2008年10月12日
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Webビジネス2006年9月5日 11:00

キーワードからみる老人ホーム

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最近、新聞・チラシ・電車・バスなど「老人ホーム」の広告を目にすることが多い。多くの人には普段あまり身近でないと思われるこのキーワードが最近リスティング広告でも活発な動きをみせている。

「老人ホーム」の検索数は67,017件。これは「旅館」を探しているユーザー数62,970件と同規模の数字だ。これに「有料老人ホーム」48,029件、「特別養護老人ホーム」26,874件と続く。検索数はこれら3つのキーワードが突出している。(いずれも Overture のキーワードアドバイスツールからの数値)

「老人ホーム」と一概にいっても大きな概念的なもので、リスティング広告を出稿しているのは「有料老人ホーム」を運営している企業と有料老人ホームの情報提供企業が主である。有料老人ホームは業界的に今後の需要が期待されるため、設立・運営には大手を含めかなりの数の企業が参入している。

8月8日の時点で Overture スポンサードサーチで「有料老人ホーム」というキーワードの1位入札額は700円である。ちなみに1ヶ月程前は1,000円を超えていた。このレベルのキーワードを1か月を通して常時上位掲載しておくにはかなりのコストがかかってしまう。また、入札企業も多く平均 CPC の高騰化が進んでいる。

これに対し検索ユーザーのアクションはどうだろう。ほとんどが「老人ホーム」「有料老人ホーム」といったビッグワード、及び「有料老人ホーム 東京」のように地名との掛け合わせによるキーワードで検索を行なっており、それらのインプレッションやクリック数も多い。これは最近の報道や広告などによって有料老人ホームが認知され、潜在的なニーズが顕在化してきたことによることが考えられる。とはいえスモールワードや、2語3語のキーワードを組み合わせたキーワードでロングテールを狙ったコンバージョンにはなかなか結びつかない傾向も見受けられる。

どうしてこのような傾向が見られるのかを検索ユーザー像から探ってみたい。まず老人ホームへ入居をする高齢者の平均年齢は大体80歳前後となっている(あいけあ調べ)。しかし、80歳前後の高齢者が自ら PCを操り、検索をするとは考え難いだろう。よって検索ユーザーの多くは高齢者を親に持つ団塊の世代といわれている50代、60代が多いと予測される。

これらをリスティング広告における有料老人ホーム業界の動向としてまとめると、
・最近の報道や広告によって有料老人ホームが認知されてきた→インプレッションの増加
・リスティング広告出稿企業数の増加→CPC の高騰
・ニーズは高いが急を要していない、情報収集層が多い→CVR の低下
・資料請求フォームまでたどりつけない、資料請求フォームでの入力のハードルが高く、直接の電話問い合わせに流れてしまうなどの検索ユーザーの IT リテラシーの関係→CVRの低下
・住む地域にこだわりのある傾向が強い→エリアが限定

※CVR = コンバージョン率

また比較的 IT リテラシーが高いとはいえないユーザーをターゲットとしているにもかかわらず、情報発信側(有料老人ホームサイト)のユーザビリティがそれに充分対応しきれていないように感じる。例えばリスティング広告をクリック後、ランディングページでどこを押せばいいのかな分からない、どこにいけばいいのか分からない、文字サイズが小さくて読みづらいなど、インターネットユーザーの多くの人が普段あまり気にもしないところでつまづいてしまうケースがある。せっかくリスティング広告で誘導を図れても、その後の導線がしっかり組み立てられていなければコンバージョンに至る前に離脱してしまうだろう。

このようにリスティング広告を運用する側の視点からは、改善すべき点が多いと思われる有料老人ホーム業界であるが、ではどのようにすればいいのだろうか。その改善のポイントを述べてみようと思う。

●ランディングページで資料請求させる
最近は、すばらしい有料老人ホームサイトも増えてきているが、ターゲットとするユーザーの導線が考慮されたサイトはまだまだ少ないように感じる。前述したがコンテンツも含めたユーザビリティーが実際にサイトにアクセスするユーザー像にそぐわないサイトが多いように思える。リスティング広告を運用してみて資料請求に至る導線が悪いと感じた場合は、本体のサイトへ誘導するよりも1枚のランディングページを作成してしまうのも一つの方法である。そこに情報や導線をまとめ、分かりやすく特長を理解させるコンテンツを配置し、そのページで資料請求までを完結させてしまうのだ。

●年間の検索クエリを考え、予算配分を
前述の通り、リスティング広告における入札単価は比較的高い傾向にあり、ある程度の広告予算を割かないと効果が期待しづらい業界と言える。検索数の時系列推移でみると老人ホームにもシーズナリティはあるので、これを参考に年間の予算の割り振りを考えてみてもいいだろう。

●コンテンツ連動型広告を積極的に出稿
検索リテラシーがあまり高くないと思われるユーザーには介護や老人ホーム関連のコンテンツに連動して掲載されるコンテンツ連動型広告もリーチをとるという意味で有効と考えられる。例えばオールアバウトの介護ページには Overture スポンサードサーチのコンテンツマッチが掲載される。ご存知の通りオールアバウトはその筋に詳しいガイドが説明してくれるので専門記事の流れでそのままクリックにつながれば、モチベーションの高いと思われるユーザーの流入が見込める。またコンテンツ連動型広告の特長として CPC が比較的低い傾向にあり、それゆえ CPA も抑えることに繋がる点も強調したい。

これらの対策だけでも運用成果に違いがでてくるのではないだろうか。有料老人ホーム業界はこれからの超高齢化社会を迎える日本で「介護」という必須産業の中の大きな受け皿の一つであり、今後ますます成長が見込まれる分野である。また、団塊の世代と言われる人々が定年退職後の余暇の過ごし方として PC を扱う傾向もあり、現在は IT リテラシーが低いといわれる傾向にあっても今後爆発的に PC からの検索が増える可能性は充分に考えられるだろう。必然的にリスティング広告を含めた SEM の需要もますます高まっていくと思われる。リスティング広告は広告主である企業の ROI を最大化することが大きな目的の一つであるが、その延長線上でユーザーの求めている情報にリスティング広告を通じた有料老人ホームの情報がマッチングすればそれが SEM の切り口からできる社会貢献ではないだろうか。

(執筆:株式会社アイレップ SEM インテグレーショングループ 廣瀬 道輝)

記事提供:アイレップ

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