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RMT に関する諸事情2006年7月、オンラインゲーム運営会社の職員が、不正にゲームサーバーへアクセスしてゲーム内通貨を作成、RMT 業者に販売し、不正アクセス禁止法違反の容疑で逮捕されるという事件が発生し、大きな話題となった。
RMT(リアルマネートレード)は、通貨やアイテムなどのゲーム内データを実際の現金で売買する行為。この行為に対する姿勢は、ユーザーにおいても、運営側においてもさまざまだ。 ● RMT で取引されるのは「時間と手間」 RMT で取引される代表的なデータには、装備などのレアアイテム、ゲーム内通貨、育成代行、キャラクター売買といったものが挙げられる。 レアアイテムを入手するには、そのアイテムをドロップするモンスターと戦うといった行為が必要だ。運がよければ短時間で入手できることもあるが、一般的にはそのモンスターを狩り続けるといった行為が必要となる。 プレーヤーによる生産で得られるアイテムでも、「生産の成功確率が低い」「低確率で性能のよいアイテムが生産される」などの、レアアイテム発生の仕組みが導入されているケースがある。 また、ネトゲは、長く遊ばせるという使命を持っており、コンシューマなどのオフラインゲームに比べて、キャラクターのレベルアップは時間がかかるように設定されている。 このように時間と手間をかけて、ようやく入手できるデータを、現金で売買するのが RMT というわけだ。 売り手は時間に余裕のあるプレーヤー、買い手は現金はあるが時間がないプレーヤーと考えればいいだろう。 売り手の最大勢力は、組織的な RMT を専門におこなう業者たちだ。彼らは一般的に「ゴールドファーマー」と呼ばれている。中国を中心とした海外からアクセスを行っているため「出稼ぎ」と呼ばれることもある。実際に入国するわけではなく「オンライン出稼ぎ」というわけだ。 彼らは他の一般的な業種と同様に「安い労働力」を大きな武器に RMT に挑んでいる。日本人が安いと考えて RMT 業者に支払う金額でも、彼らにとっては莫大な外貨獲得となる。実際のビジネスと同じことがネトゲでも起こっているのである。 ● RMT はグレーゾーン ネトゲは、リソースが自分専用ではない、という点においても、オフラインゲームと大きく異なる。戦闘を中心とした MMORPG であれば、「狩場(モンスターがポップ=出現するエリア)」や、1日に1回しかポップしないといった「レアモンスター」の取り合いはしばしば発生するものだ。 一般プレーヤー同士でも取り合いになるモンスターなどのリソースに、上記したような「ゴールドファーマー」が集中したらどうだろうか。限りある時間とプレイ料金をゲームという娯楽に費やしているユーザーが、それらのリソースを手にできないのでは、不満は募るばかりだ。 一般プレーヤーが RMT を好ましく思わない最も大きな原因はここにあるといってよいだろう。 さらに、ゴールドファーマーが用意したゲーム内通貨が、RMT の買い手によって一気にゲーム内に流れ込めば、ゲーム内でインフレが発生し、ゲームバランスが大きく崩れてしまうこともある。 なお、japan.internet.com が2005年12月に行った調査では、RMT には「反対」という意見が半数を超えるという結果が出ている。 では、運営側はどうだろうか。 国内で運営されているネトゲには、利用規約において RMT を禁止しているものが多い。逆に米国 Sony Online Entertainment(SOE)のように、RMT を運営側で管理するようなケースも存在している。 RMT においては、ゲーム内のトレード機能によって商品(アイテムなどのデータ)の受け渡しを行うが、運営側から独立した RMT 業者との取引においては、トレード機能と決済のリンクができない。このため、代金を振り込んだのに商品を受け取れないという詐欺事件も発生している。 SOE の選択は、こういった事件への対策といえるだろう。 RMT を規約で禁止しているゲームでは、RMT 行為が発覚した場合には、キャラクター削除やアカウント停止などの処分が行われるが、あくまで契約に基づくものであり、訴訟に発展することはないようだ。この記事の冒頭で触れた事件は、「不正アクセス禁止法違反」の容疑だ。上記のような詐欺事件の場合は、実際に逮捕者も出ている。 コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)は2005年11月、RMT に関して、「ゲーム用の通貨、アイテム、経験値などは、主に数値データであり、著作物ではない」との説明を行っている。しかし、BOT(マクロツールなど)の話題に触れ、「ゲームの面白さを壊すこともあり、課題は残っている」とも述べている。 このように、RMT を取り巻く環境は混沌としている。一般的には運営側が規約で禁止しており、プレーヤーには反対者も多い。それでも、ゴールドファーマーたちの出稼ぎは後を立たない…。 関連記事
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