さらに Microsoft は、米国を含む Vista の世界出荷も延期するかもしれない。これは調査会社 Gartner (NYSE:IT) が、調査レポート (PDF) の中で示した見解だ。
Microsoft は今月初め、Vista が欧州委員会 (EC) の独占禁止法に反していないか、当局の態度が不明確なため、ヨーロッパ地域における Vista の出荷を延期する可能性があると発言した。Microsoft としては、予定通り出荷した後に規制を受け、対応を迫られるという形を避けたいところだ。
EC はこれまで Microsoft に対し、10億ドル以上の罰金を科してきた。Microsoft はさらなる制裁措置を避けるため、Vista に手を加える時間を設ける方が良いかもしれない。
Gartner の上級アナリストで、調査レポートの共同執筆者 Michael Silver 氏は、ヨーロッパ地域における Vista 出荷が数か月遅れることになるのならば、Microsoft としては、地域毎にリリースするより、1回にまとめてリリースする方が都合が良いだろうと分析する。
年内の企業向け出荷と、来年1月の一般向け出荷という Vista のリリース予定は、再三にわたって延期を重ねてきた結果だけに、さらなる延期となれば、Microsoft にとっては最悪の宣伝効果になるだろう。しかし Silver 氏は、どのような決定をしても Microsoft は非難の的になると指摘した。「どちらに転んでも、ある程度不利な要素がある。だが、パソコン販売の観点からすれば、延期も悪いことではない」と同氏は述べる。
それというのも、1月は消費者にとっても企業にとっても、パソコン購入に不向きな時期だからだ。クリスマスシーズンが終わり、新年を迎えたその時期に、誰も新しい OS を試してみようなどと思わない。4月まで延期しても、必ずしも悪いとは言えないだろうというのが、Silver 氏の見方だ。
一方 Microsoft は、Gartner の見解に反発している。Microsoft の広報担当 Jim Desler 氏は取材に対し、「ヨーロッパ地域における出荷延期について語るのは、時期尚早だ。当社は EC から明確な条件を得るべく、懸命に働きかけている。われわれが目指すのは、いずれの地域においても予定通り出荷することだ。ボリュームライセンス顧客向けが11月、一般向けが来年1月という Vista 出荷の目標期日に変わりはない。厳密な出荷日は、最終的には品質に基づいて決定する」と述べた。